ウィリー・ゲールは古くない
最近、ウィリアム(ウィリー)・ゲールの“心理販売術”を改めて読みました。 “大耳小男”が登場する、セールス訓練の古典です。 売り手と買い手のヤリトリを描きながらも、買い手側の心理がどのような変遷をたどって買うまいと抵抗したり買う決心をするか、現代のマーケティングが言うAIDMAが克明に描かれています。 内容から戦後アメリカで発刊されたものと推測されますが、そんなに古い著作なのに読んでいて古さを感じさせません。 それは「買い手はヒトである」という当り前すぎる前提が変わっていないからかも知れません。 買い手が企業である生産財ではヒトの情緒を排除した「合理的な購買」をする筈ですが、現実に登場する買い手はヒトです。
この“心理販売術”は、生産財マーケティングの仕組みを組み立てるにも、いろいろとヒントを提供してくれそうです。(ウィリー・ゲールを下敷きにして業種・商品を特化し、改良した各種の「○○版・販売講座」は、日本の成長を支えてきたのではないでしょうか。)
例えば、「特長」と「顧客の利点」の峻別などは、この頃から言われていたと解かります。 錆びないネジを「錆びない」と“特長”を訴えるばかりでなく、それによって顧客が得る“利点”、つまりそのネジで「商品が長持ちする」とか「修理費を減らせる」、さらには「スペア・パーツの在庫を減らせる」「修理の人員を他所に振り向けられる」等に言い換えて、“顧客の夢”をふくらませて差し上げる。(現在の提案型営業) こんなヒントは50年も前からあったようです。 今に戻って、営業マンに“顧客の夢”を持たせて毎朝送り出してますか? そんなヒントが顧客心理の変遷プロセスにちりばめられています。
ウィリー・ゲールまで遡らずとも、売れる仕組み≒宝の山は足元にありそうです。ありふれたヒントを、足で稼いだ情報と情熱で、我が顧客・我が製品のケースへ置き換える・・・なんて元気が出て来そうです。 たまには皆を集めて顧客のために“夢の矯めを作る”のはいかがでしょうか。
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