2018年3月 7日 (水)

チームワークは日本人の特技

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。
今回の記事は、このブログ「・・ラボ」と姉妹のブログ「胸キュンな人々」の両方にまたがるテーマなので、リンクで跳んでくださいませ。
では、また。

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2018年2月 7日 (水)

フェルミ推定から思う「分散」の概念

先日(2/4)TVのクイズ番組で「フェルミ推定」という用語を知りました。 現役の大学生(文系女子)が発した言葉でした。
wikipediaで調べたら「とらえどころのない数値を推定すること。例えばシカゴのピアノ調律師の数とか。」と知りました。
私が学んだ1960年代末~70年頃の学部(under-graduate)の経営工学科では話題にさえ出てきませんでしたが、今どきの経営工学では常識なのでしょうね、きっと。
でも、品質管理の基礎になる数理統計学の考え方については今でも心の底に沈殿しているものがあって、フェルミ推定につながるものがあります。 それは「統計学が扱う母集団の真値は『神のみぞ知る』のであって、サンプル数がどんなに母集団に近づいても、云々・・・」という教えでした。 「統計値は使えない」と言ってるんじゃなくて「統計値は、真値との間合いが分かってて使えよ」の意だと理解しています。 「間合い」を表す統計用語が「分散」概念で、数値の代表例として「標準偏差=σ(シグマ)」があります。 学校の成績の「偏差値」の語源です。
シカゴの調律師の数は日々変化しているでしょう。 真値とはそういう「神様にだけ知っておいてもらえばいい」様なもので、真値をとらえたところで、役にたつかどうかはその値の利用目的に拠ります。
その「間合い」で、私が試算して「こりゃあ使えるかも知れない。覚えておこう。」が下記です。
「サンプル数が2のデータd1, d2を標準分布曲線に当てはめると、d1, d2はそれぞれ変曲点に位置する」・・です。 (標準分布曲線の変曲点は、平均値から±1σ(いち・シグマ)に位置します。)
もうとっくに知ってました? あっはっは~。
でも侮らないでね。 たった2個のデータから得た「σ(シグマ)値」だけど、これで「2σ」や「3σ」が得られて、母集団の95%が入る幅や、99%が入る幅がざっくり見えてきます。 そうすると「この値は何か変だぞ。 裏で変な事が起きているかも知れないぞ。」の、すなわち「間合い=母集団が別の母集団に入れ替わったかもしれない」が得られるんですね。 なかなか凄いでしょ。 使えそうでしょ、現場で。
では、また。
追記:「2σ(に・シグマ)管理限界」「3σ(さん・シグマ)管理限界」・・品質管理の用語です。

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2017年11月 8日 (水)

日本人が国際マーケティング下手なのは社会構造のせい?

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。
久し振りのブログ更新です。 スミマセン。
最近の新聞だったかネット記事だったかに「日本のクール・ジャパンは東南アジア方面に浸透していない」的な記事が出ていました。 他にも「日本の素材・部品・ユニットは外国に良く売れるけれど、消費者に届く最終製品はなかなか苦戦してる。 現地製の製品の方が売れている」的な報道もあって、どうしてなんだろう?、と気になっていました。
実はこちらのブログをご無沙汰している間に姉妹ブログの「胸キュンな人々」というブログを書いていまして、
・・こちらでは「日本人の特性を外国人に分かるように言うには?」も勉強していました。 それで「どうしてなんだろう?」に対して「ひょっとしたら」という事が出てきました。
日本以外の国には普通に「階層社会」があって、それが発展途上のダイナミズムを生んでいる。 それは階層をよじ登ろうとする大衆のパワーが現れた姿なわけです。 ところが今の日本にはそれが無い。 無いから外国人が欲しがる商品コンセプトが湧いてこない・・のではないでしょうか。 例えば「車」なら、「がたいが大きい乗用車」は途上国ではプレステージになるのですが、日本人は「そんなもん」と思うわけです。 この類の“すれ違いマーケティング”が他にもたくさんあるんじゃないだろうか。
もし仮にそうだとして、だったらどうしたらいいの?・・は、これから考えます。みなさんも考えてください。 今日は「仮説ながらの課題だし」までです。
では、また。

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2016年6月 5日 (日)

睡眠で「脳内デ・フラグ」できる?

こんにちは、中小企業診断士の松嶋交治です。
近頃ではロボットにAI(人工知能)が搭載され、人間本来の知的活動領域に限りなく接近しつつある感があります。 そうなるとますます人間はより創造的な領域での活躍を期待されそうですね。
そこで、人間の“リアル脳”をより効果的・創造的に使うハウツーが求められます。 この記事のタイトルに掲げた「睡眠で『脳内デ・フラグ』できる?」は、そんなハウツーの私的仮説です。
結論から言うと、「創造的になりたかったら寝ろ」という仮説です。
パソコンの「スタートボタン」から「すべてのプログラム」→「アクセサリ」→「システムツール」→「ディスク デフラグ ツール」・・と辿って“デフラグ”を実行すると、ディスク(磁気記憶装置)上に分散していた記憶がひとまとまりに纏められ、もっそりしていたパソコンがサクサク動くようになります。

これと酷似した機能をリアル脳内で実行しているのが「海馬」です。 海馬は、人間が覚醒している間に見たり聞いたりして環境から得た雑多な情報を、寝ているうちに関連づけたり整列したりしてくれている様です。 起きていても、ぼおっとしている時は海馬が働いてくれている様です。
このことは特にIT系のお仕事で、システムエンジニアやプログラマ、コーダーの部下を持つ方々に知っていてもらいたいし、お仕事のプログレス管理と部下のメンタル管理のオーバーラップ領域で応用してもらいたいです。
集中が長時間続くと部下の脳内にフラグ付きのデータが大量に散乱してアクセス効率が悪化します。 納期に間に合わせたかったら、部下の脳内をデフラグさせてサクサク動くように、更にはクリエイティブにしませんか。 アイデアの脳内ランプはそんな時に“ピカッ”と光るんですよね。
では、また。 コメント歓迎です。

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2015年11月 9日 (月)

極小値・極大値に尺度を持とう

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。
今、世の中は、インターネットで激変しようとしています。
これまでもインターネットは世の中を変えてきましたが、これから始まる “IoT(アイ・オー・ティー、Internet of Things、物の一個一個にアドレスを付ける)” は激変をもたらしそうです。 既に高級国産車はアドレスを持っていて(オプションで)、隣の駐車場に駐めてある車に乗る10分前にエンジンスタートさせてエアコンを効かしておく・・なんて事ができます。 遠からずティア1(車の構成ユニット)も、やがてティア2(ユニットを構成する部品)もアドレスを持つでしょう、って言うか、もう持っているかも知れません。
膨大な事実データ(Big Data)が集まり、それに押し流されない・・どころか、それを読み解いて活用しなければなりません。 そこで大切になりそうなのが「見切る間合い」「捨てる間合い」といったデータ洪水の遊泳術です。
その為に、もうひとつ武装し磨かなきゃならないのが「対数センス」と、統計の「ばらつきセンス」です。 が、「ばらつき」は又の機会にして、今回は「対数」です。
文明人と思っている我々は、原始人が数をかぞえるのに「ひとつ、ふたつ、みっつ、いっぱい」と、4つ以上は「いっぱい」に括ってしまうのを笑いますが、私たち文明人も五十歩百歩です。
億、兆、京と、大きすぎる数値もどこかで「いっぱい感」が現われますが、小さすぎる数値も扱いづらいですね。 ミリ(1/1,000・千分の1)、マイクロ(1/1,000,000・百万分の1)、ナノ(十億分の1)、ピコ(一兆分の1)と、この辺りで限界になりますね。
こうした大きすぎる・小さすぎる「いっぱい感」を乗り越えるのが「対数」のセンスです。
地震の「マグニチュード」というのがありますが、あれが「対数」表示です。 対数ってのは「XXの何乗」ってのの「何乗」の「何」の数値が対数です。「XX」の数値は「底(てい)」と呼ばれます。 地震のマグニチュード(M)は震源のエネルギーの大きさで、「底(てい)」は32を使います。 例えばM2を基準にするなら、M3は1つ違いなので32倍のエネルギー、M5は3つ違いなので32×32×32=32,768倍のエネルギーで地殻を揺らしています。 それほど(対数で表さなきゃならないほど)地震のエネルギーというのは小から大まで振れ幅が大きいんですね。
小さすぎる数値は、大きすぎる数値の分数であったりしますので実は同類です。 Big Dataは元々 「サンプル数が大きい」 「母集団に近い」 を意味しますが、大きすぎるデータから小さすぎるデータを取り出すことも可能にしてくれそうです。 保険業界ではその方面の専門家を“アクチュアリー”と呼び、資格もあります。
過大や過小なデータに遭遇したとき、分かった振りをせずに、しっかり対数センスを働かせて過大(過小)な中にも程度の違いがある事実を突き止め、冷静な議論をしてもらいたいものです。 特に、企業の監査を行う監査法人や、社外監査役の人々にセンスを養って経営者の 「善管注意義務」 をサポートして欲しく思います。
もうひとつの例、カーナビの渋滞情報と旅行時間です。 既にBig Dataが使われている分野です。 この分野では 「Big Dataでフィードバックがかかり過ぎる」 懸念があります。
カーナビは機種によって 「VICS」 の情報が車の中まで届けられています。 もし全ての車がVICSカーナビを装備した極限状況では、「こっちの道路が空いてるよ」の情報が全ての車に届けられて、全ての車が一斉に同じ情報に反応して、代替可能な道路・路線の間で渋滞がハンティング現象を起こすであろうことが予想されます。 しかし想定される「全車VICS装備」は今のところ有り得ません。 だからVICSナビは有効であり続けます。 ご安心ください。
でもBig Data社会とは、そんな“ありそうもない”現象までも想起させるパワーを秘めていそうです。 どんなシーンで次の変化が“氷山の一角”として顕れるか、「対数センス」で水面下の観察を心掛けたいです。
では、また。

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2015年9月13日 (日)

英単語3つで始める英会話

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

久しぶりに「工業英語」の記事です。
英会話の学校や教材の広告では、「日常英会話ていど」といって、日常英会話を“入門的”とか“やさしいもの”と見なしている風です。 しかし“日常”の広がりは人それぞれ・十人十色・千差万別で、“入門”どころかむしろ“卒業”ではないか?と。 卒業にいきなりチャレンジしたら、どうなるか・・。
仕事にはそれぞれの専門領域があって、毎日職場へ行けば毎日その専門領域に向き合って仕事をしています。 言語の習得にはその「領域の狭さ」と「反復性」がちょうどいい。 だから英会話も、“職場”という習得に適した環境で磨けたらハッピーですね。
例え話をします。 伝聞の伝聞なので正確性はともかくとしてエッセンスのみ拾ってください。 ひと昔まえ、日本の自動車会社M社はアメリカのF社と提携してアメリカに合弁工場を建て、そこへ工場長を送り込みました。 工場長は現場経験豊かな実直タイプで、本格的に英語を使う仕事は初めてでした。 アメリカの工場へ赴任して、考えたあげく部下たちに 「私に話しかける英語は単語3つまでにしてくれ。 センテンスはいくつでも構わないから。」 と頼みました。 そうしたらコミュニケーションがうまくいって、ついでに、取り巻き同士の会話までも“3語文(3 Words Sentence)”になってきて、一層コミュニケーションが活発になった・・という話です。
「そりゃあ工場長という高いポジションがあってこそ出来た事でしょ。 現場のスーパーバイザにはどうかな?」 と疑問が湧いて当然です。
想像してみてください。 今あなた(もしくはあなたの部下)はベトナム工場の現場でタイ向けの自動車部品を製造している工場の機械加工部門の立ち上げをまかされようとています。 M社のアメリカ工場長と同じか、似た様な手法はいかがでしょうか?
日常英会話は後回しにして、職場でつかう専門領域の英会話から入る、短文から入る・・というヤリカタです。
では、また。

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2015年5月 4日 (月)

“ビリギャル”は「コーチング」のお手本

こんにちは。中小企業診断士の松嶋交治です。
TVでフットサルを日本人小学生に教えるスペイン人をレポートしていて、そこから “先生の先生をどうやって育てるか?” という話を、GWに帰宅した娘としていて、“ビリギャル” の話になりました。
ビリギャルは最近TVCFが頻繁に流される映画で、金髪でお勉強ビリの女子高生が一念発起して慶応大学に合格するストーリーだそうです。 そこに登場する“電車男の伊藤君”が映画の中でやってる事が 「コーチング そのもの」、って事です。
“ティーチングでは生徒は先生を越えられないが、コーチングなら越えられる。”  中小企業診断士の受験時代にそう学びました。 タイガー・ウッズの(元)コーチ、ブッチ・ハーモン。 コーチだからといってタイガー・ウッズより良いスコアが出せる訳じゃないけど、自分より良いスコアが出せる選手を育てることができる。 コンサルタントは頭では知っていますが、なかなか実践できずに、ついついティーチングに走ってしまいます。
“ビリギャル” を観て、私の頭を “初期化” してこよっと。
では、また。

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2015年3月11日 (水)

3.11に こんな応援も

今年も3.11がやって来ました。
その年、私は半年・有期のプロジェクト型のお仕事が入ったので有り難くお請けし、お小遣いをためて、雨合羽や長靴(ステンレスの中敷きも)や腰痛ベルトを準備して、翌初夏に一関駅前で軽トラのレンタカーを借りて陸前高田へ行きました。 たった中3日のボランティアなのに大袈裟で恥ずかしいですが・・今だから書きますが。
埋まった田んぼの側溝をさぐり当てて小川を再生する・・みたいなのと、牡蠣養殖の仕掛けに使う黒い縄の両端に硬い結び目をつくる・・のを手伝ってきました。
いろんな人がボランティアに来ていて、協力しあえて、被災者には申し訳ないけどザワついた心がだんだん落ち着いてきて嬉しかったです。 中でも印象深かったのは、大分県からはるばる軽自動車でやって来た本業は“お薬運搬業”の方で、本業をお休みしてもう何か月も滞在してらっしゃいました。
あれから4年たって、遠くからでも何かお役に立てる事ないかな?・・と思っていたら、こんなDMが来たのでご紹介します。
「本を売って被災地の移動図書館を応援しよう」
・・です。
このサイトを見ると、被災地の読書傾向がじわっと変遷していってるのが分かります。“寄り添う” ってどうすればいいの?・・が、少しだけ分かったみたいな。
では、また。
追伸: 「花は咲く」 の歌詞を語っている “主語”(私) って、誰だか分かりますか? 地震や津波で亡くなった人があの世から現世を見守って歌っている・・という設定の歌詞らしいです。 そう思って聞き直してみると “生きている人は今を大切にしろよ” と言われている気がします。 「いつか恋する君のために」・・って。 

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2014年12月10日 (水)

中小製造業向けマッチングサイト

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。
中小機構が「中小製造業のためのマッチングサイト」を開設しました。
(中小機構=(独法)中小企業基盤整備機構)
「ジェグテック」(J-GoodTech)で検索してみて下さい。
強みがあって意欲的な中小製造業を中小機構のサイト上で紹介してくれます。 なかなか良い施策で、私はこういう施策が好みです。 (もうひとつのお気に入り施策は「経営革新」です。 どうやら私は<自発性×市場原理>が好みの様です。)
この施策のサイトを追ってゆくと 「掲載申請書」 に辿り着きます。 これには「記載例」もありますが、自社に照らして記入項目を考えると「ウ~ン」と唸って、筆が進まないかも知れません。 「ウチの会社に“強み”なんて有ったっけ?」・・などなど。 そんな時はご相談ください。
どこの町工場にも“強み”は必ず有ります。 それは 「今も事業を続けている」 のが証拠です。 (昔は卑下した言葉だった「町工場」が最近は“誇り”を表す言葉になりました。 うれしい傾向です。) 自社の“強み”を誰かに聞いてみたいと思いませんか?
「今も事業を続けている」 事実からどんな“強み”が発見できるか? またその“強み”からどんな将来展開が待ち受けているのか? ジェグテックのドアをノックしてみてはいかがでしょうか? その前に中小企業診断士のドアをノックして自社の“強み”を聞いてはいかがでしょうか?
おお雑把なはなし、昔の中小企業診断士は“良くない所を探して直す”イメージでした。 そんな事聞きたくないですよね。 今どきの診断士は“良い所を探して伸ばす”が重点に変わってきています。 どうぞお気軽にご相談ください。
では、また。
お問い合わせは、松嶋交治:E-mail: bzl12657@nifty.ne.jp へ。

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2014年9月 7日 (日)

アジア進出先での中小企業の金融

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。
さて、昨日(9/6)の日経朝刊に・・・
Dscf3268
・・・こんな記事が載っていました。 東南アジアへ進出した中小企業は、金融機関(日本の、現地の)とどういうお付き合いをしているか・・という記事です。
  (上下二つの画像のどちらもクリックすると拡大します。 拡大した画像の右上の(×)マークをクリックすると元に戻ります。)
これに先立つ1週間前(8/30)、私は中小企業診断士の勉強会“城南国際セミナー”で国際協力銀行(JBIC ジェービック)”の執行役員の方から、同じテーマでやや別の角度からのお話しを聞いていたので、クリアーなイメージで新聞記事を理解できました。 そのセミナー時はパワーポイントをプリントした資料と、次の資料が手元に配布され、参照しながらお話しを聞きました。
Dscf3270
この資料は65ページの力作で、国際協力銀行(JBIC)のWeb-Siteにもその要約が掲載されています。
おおいに参考になる資料です。
例えばセミナーで指摘されていたのは、そのP.21「有望国・地域の推移(主要8カ国の得票率)」でした。2012年の調査では1位・中国、2位・インド、3位・インドネシア、4位・タイ・・だったのが、2013年の調査では1位・インドネシア、2位・インド、3位・タイ、4位・中国・・に激変しています。
海外に進出した子会社の運転資金を、日本の親会社が銀行から借りて送金する(親子ローン)・・という形態は、進出したばかりでは止むを得ない面があります。 しかし親会社だけで見ると貸借対照表(B/S バランスシート)ばかり膨らんで、損益計算書(P/L)すなわち売上高など収益とのバランスが悪くなり、銀行もいつまでもいい顔をしてくれません。 そこで新聞記事のような工夫が必要になります。
上記のセミナーや新聞記事は一例です。 “中小製造業”と“海外”というキーワードで継続的にウォッチしていると、どんな地方銀行がどの地域へ海外進出しているか、どんな国や地域の労働力は日本人に似て向上心が強いか、東欧・中欧の産業界は今どうなっているか・・などの蓄積が得られます。
では、また。
ご意見、お問い合わせは松嶋のメール:BZL12657@nifty.ne.jp へどうぞ。

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2014年4月 9日 (水)

損益分岐点図表の理系的な理解

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。
経営学をかじった事がある経営者なら、理系出身だろうが文系出身だろうが、損益分岐点図表 (BEP図表、Break-even Point Chart) を一度は見た事があると思います。
もしくは、毎月末に経理を〆て、データを税理士さんのところへ送ると、しばらくして “月次試算表” と一緒に送り返してくれる “へんなグラフ” を見たことがあるでしょう。 あれが「BEP図表」です。 こういうヤツです。
Dscf3124_4
このBEP図表、なんか面倒くさい計算問題のネタと恨まれがちですが、角度を変えて見るといろんな経営のヒントが隠れています。 その 「角度の変え方」 が少し 「理系的」 なのです。
この図を見ると、「固定費」 の上に 「変動費」 が乗っています。 つまり 「足し算」 されています。 足し算は、足される値と足す値の順番が入れ替わっても同じ結果が得られます。  (引き算と割り算では、入れ替わると結果が異なります。)
・ 
ここでの 「足し算の結果」 とは、「変動費」 の三角形の上辺の 「ナナメ線」 の位置を意味します。 この 「ナナメ線」 を 「総費用線」 と言います。
元の、「足し算では、足す順番を入れ替えても結果は同じ」 をこの図に当てはめて言い直すと 「変動費を下にして、固定費を上にしても、総費用線(ナナメ線)の位置は変わらない」  ということになります。 だから上下を入れ替えられます。
その、入れ替えた図が下の図です。
Dscf3126_2
おやおや? 固定費の形が変わりました。 長方形から並行四辺形に。 これって 「あり」?
「あり」 です。 横軸 (ここでは操業度の%) のどこを採っても縦軸方向の足し算した値が元の長方形と変わらなければ 「足し算」 が成立します。 下の図の並行四辺形の “f” はどこを採っても長方形の “f” と同じです。 これって 「並行四辺形の面積の計算式」 でも同じ原理が使われていますよね。
Dscf3125_2
せっかく上下を入れ替えたのですが、そこから 「固定費」 の並行四辺形を取り除き、「変動費」 だけを残します。 それが下図です。
Dscf3127_2
すると、別の三角形が現れます。(上図)
その三角形を緑色にしましょう。(下図)
Dscf3129
この緑色の三角形を 「付加価値」 と言います。
変動費 + 付加価値 = 売上高 ・・・ と、なります。  
 (この 「付加価値」 を図上に表したかったので、固定費と変動費を上下入れ替えました。)
付加価値とは、「その企業がプラスした価値」 という意味です。
例えば、商店などの小売業では、変動費は仕入れ値(註1)で、付加価値は “粗利(あらり)” と呼ばれています。 その商店では “粗利” の分だけ “商品の価値をプラスした” ことになります。
仕入れたまま売っているのに、何がプラスされたのでしょうか? そこを工夫するのが “経営(マネジメント)” なのです。
製造業なら、変動費には材料費、外注加工費など(註1)が入ってきます。 これらは他所(よそ)の会社が付けた価値で、うちの会社が付けた価値ではないので差っ引きます。 何から差っ引くのかと言うと売上高から差っ引きます。 それが製造業の付加価値です。 ここでも、何がプラスされたのでしょうか? これも “経営(マネジメント)” のポイントです。
緑色の 「付加価値」 が現れたところで、元々ここにあった 「固定費」 の並行四辺形を戻してみましょう。
Dscf3130
この図の右上の緑色が残った部分が 「利益」 です。
図からも分かると思いますが:
利益 = 付加価値 - 固定費 ・・・ です。
そして、ここで理解して欲しい本質は、固定費(インプット)が企業活動を通じて付加価値(アウトプット)に変わる、という流れ・仕組み・因果です。(下図)
Dscf3131
固定費とは? 人件費、減価償却費、一般管理販売費(管販費)・・・などの 「会社内の人的資源や生産設備や販売活動に関わる費用」 です。
言い換えると 「ヒト(人件費)、モノ(減価償却費)、カネ(経費)」 です。
「な~んだ、それなら聞いたことがあるよ」 ・・・ で終わり、ですか? ヒト、モノ、カネは、付加価値の源泉であればこそ、お経を唱えるみたいに繰り返し言われているのですね。 お経は覚えていたけど、本質を忘れてませんでしたか?
「ヒト」 についてくる 「技術」 もあります。 設備についてくる 「技術(設備・機械の機能・性能・精度)」 もあります。 製品を送り出す市場の要求動向をある角度(ニッチ等)で探る 「技術(マーケティングや統計データ掘り出し)」 もあります。
上述のように、会計データからは入口と出口の様子しか見れませんで、企業の内側のどの部門のどの設備どの人材をどう技術力アップしたらいいかの解答までは出してくれません。
でも、市場(世の中)には必ず競合他社がいて、御社一社が儲かった儲からなかったは、全体像は掴みきれそうもない競合他社群と市場で競合した “結果” です。 そんな競合(同業)他社がどんな 「入口と出口の様子」 をしているかを “統計的に見る” ことは可能です。
これがその統計資料です。
Dscf3132
下はその目次です。 これは業種が 「大分類」 「中分類」 「小分類」 とあるうちの 「小分類」 の目次です。 競合他社群を、どこまで細かく引き付けて観察できるか・・が見えます。
Dscf3134
その 「小分類」 の某・業種のページを開けてみると・・・・
Dscf3135
このページは 「その他の輸送用機器製造業」 のデータが並んでいます。
自動車産業には各種の自動車部品産業の裾野が広がっていて、その中小製造業の統計データです。
ほら、表の下から9行めに 「⑨ 付加価値分析」 とあるでしょう。 その内訳に 「38 付加価値比率」 と 「39 機械投資効率」 があります。
下から6行めに 「⑩ 分配比率」 があって内訳に 「40 労働分配率」 があります。
ここら辺のデータ (経営指標) が付加価値に関係するデータです。 (ちなみにこの資料では付加価値加工高ともいいます。)
また、これらの経営指標は従業員数の規模別、売上高の規模別で分けて表示されていて、自社と似た規模の数値を 「うちの会社の (バーチャルな) ベンチマーク企業 (比較の相手)」 として “目標” にするのも良いでしょう。 そして自社の進歩の足跡をデータで確認して下さい。 過去も、未来も。 付加価値“率”が向上するって事は、同業他社群と較べて競争力が向上してるって事で、「強い会社になりつつある」 って事です。 毎月 自社の数値を見るのがワクワクします。 そのワクワクの為にインプット (固定費の要素いろいろ) を工夫 (マネジメント) します。
この資料は地元の図書館や、商工会・商工会議所の資料室へ行けば見れます。 買っても高くありません。 毎年買う必要はありませんが、リーマン前、リーマン後、アベノミクス前、アベノミクス後ぐらいの間隔では更新して。
これらの経営指標の意味と使い方は、また別項で書こうと思います。
上記の付加価値関連指標のほかに 「労働装備率」 も考察したいです。
「収益」 の最初のカタチは 「売上高」 です。 「収益」 の2番目が 「付加価値」、3番目が 「売上総利益」、4番目が 「営業利益」、5番目が利息などの営業外収支を反映した 「経常利益」、6番目が特別損益を加味した 「税引き前利益」、7番目が税引き後の 「当期利益」、8番目が株主配当金など利益金処分後の 「内部留保」 になって会社の未来をつくる血や筋肉になります。
その 「収益」 の2番目 「付加価値」 を稼ぐのが、まずは成長のスタート地点です。
1番目の 「売上高」 は、2番目の 「付加価値」 を高めようとする経営努力に後から付いて来る ・・・ と私は思っています。
では、また。
註1: 変動費は、厳密には 「仕入」 とイコールではありません。在庫の増減が加味されます。 が、ここでは分かりやすく “近似値” として述べました。 材料費、外注加工費についても同様です。

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2014年4月 2日 (水)

「ほこたて」 やめないで、ガンバレ!

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

「ほこたて」 というTV番組が放送倫理で窮地に陥っているようです。

この番組はなかなか狙いが良くて、基本的に社会に良いインパクトをもたらしています。
反省すべきは反省して、再発防止の工夫をして、番組そのものの良さは継続して欲しいです。

「ほこたて」 に出演する企業の多くは、あまり知られていないけれど、ニッチな分野で頑張っている中小製造業です。 そういう日本の特徴ある企業の、最も得意とする技術領域をTVで全国にプレゼンテーションする場が 「ほこたて」 です。
このTV番組を視聴して、漠然と大企業に憧れていた若者たちのどれだけ多くが、特徴ある中小・中堅製造業に将来の夢を描くことができるようになって、人生の進路の舵を 「私はこっちだ!」 と切り替えていることでしょう。 
アベノミクス 「第三の矢」 としても、有効に機能してきたのではと拝察します。
どうぞヤメないで、出直しして、頑張ってください。
では、また。

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2014年2月19日 (水)

ベトナム知財セミナーへ行って参りました

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。
本日、都内で開かれたJETRO主催の 「ベトナム知的財産権セミナー」 へ行って参りました。
ベトナムの政府関係者とホンダ・ベトナムの方々8名によって知財政策の遂行状況が披露されました。
同時通訳で、さすがJETROの舞台設定、質疑応答も表面的でなくズバリ切り込んだ遠慮無いクリティカルなヤリトリが展開されていました。 聴衆の具体的な質問に、ベトナムの当局者が総論で答えると、再度具体的にオッペすみたいな場面もあって。
ベトナム政府と日本政府の間には、「日越共同イニシアチブ」(VietNam-Japan Initiative) というのがあって、既に “第5フェーズ (Phase 5)” に入っていて、この知財政策の進展も共同イニシアチブの成果だそうです。
知財といってもベトナムとの間は主に 「デザイン盗用」 や 「ブランド盗用」 の件数が多く、「特許紛争」 はあまり話題になっていませんでした。 それもベトナム国内の盗用はここ12~13年ぐらいの政策努力でぐっと減り、今は中国からベトナムへ輸入される製品の 「盗用」 を水際で阻止する方向に努力が注がれているそうです。
では、また。

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2014年2月 7日 (金)

経営者による個人保証が変わる

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。
本日 (2014-2-7) 横浜で開かれた 「『経営者保証に関するガイドライン』 説明会」 に行って参りました。
現在、経産省と財務省が全国行脚中です。 (今日の“横浜”は、関東経済産業局、関東財務局の共催でした。)
とにかく良い方向ですが、詳しい内容はまだ行脚中でなので、ここでは今は遠慮しておきます。 キーワードだけご紹介しておきましょう。 私が選んだキーワードは 「第二者開示」 です。
アベノミクス “第三の矢” で 「起業率を英米なみに上昇させたい。 ベンチャーを活発にしたい」。 で、アベさんが因果関係を調べていったら “障害物はこれだ!” と気付いたのが “経営者による個人保証” という “慣行” でした。 
起業者だけでなく、既存の中小企業経営者にも朗報です。 今回のガイドラインには 「見直し」 の手順も含まれています。
「ガイドライン」 であって法令(法律・政令)のような強制力はありませんが、全銀協と日商がコラボして作り、経産省と財務省が応援しているほどなので、かなり標準っぽくて普及力があるようにお見受けしました。
金融機関は 「リレーションシップ・バンキング (リレバン)」 の現場力が試されそうです。 下町ロケットに登場した銀行みたいなのは・・・。
3月になったらもう少し詳しく書き直します。 とりあえず第一報まで。
では、また。
追伸1(2014-2-14): 「個人保証」 に関連する最近のネット記事を発見しました。 下記のURLです。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3599?page=1
どうやらこの記事の主人公 「Yさん」 の意見が安倍首相・首相官邸を衝き動かしたらしいです。 素晴らしいですね、Yさんも、安倍さんも、経産省のお役人も、財務省のお役人も。
追伸2(2014-2-14): 上記 「追伸1」 のリンク先のネット記事に出てきた 「クラウド・ファンディング」 を調べました。
<紹介のしかたを考え中です。 お急ぎの方は “クラウドファンディング” でググッてみて下さい。 大雑把に言って “ネットを活用した資金調達の手法” です。 ベンチャー企業、社会市民活動、ひいきのミュージシャン支援などに活用されています。 以前書いた当ブログ記事 「『世界がもし100人の村だったら』 考」 :
http://route16c.cocolog-nifty.com/matsushimaielab/2012/03/post-54f9.html
にてご紹介した 「ミュージックセキュリティーズ社」 もクラウドファンディングです。>
追伸3(2014-6-26): 一昨昨日(6/23)、診断士の協会から「経営者保証に関するガイドラインが公表されました」という配信がありました。 ずいぶん時間がかかるものですね。 ともあれ「慣行」だったものが「金融庁のガイドライン」になったのですから、しっかり勉強して適正にバランス良く運用しましょう。 下記は「事例集」です。
http://www.fsa.go.jp/news/25/ginkou/20140604-2.html
では、また。

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2014年1月22日 (水)

“不安” を正直にことばにする = 交渉

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。
今日(1/22)の日経に素敵なひとことが載っていましたので、引用させて頂きます。
「我々は虎の子の技術を提供する。 販路をきちんと知らなければ提携できない」
このことばは同紙の特集 「シニアが拓く 2020年のニッポン」 の記事中、企業OBで64歳の “Oさん” が日本企業 (機械メーカー) とホーチオミン市の企業 (販売マーケティング指向) との(業務)提携交渉に同席して発したことば、だそうです。
もの凄い迫力で言っているように見えますが、字づらを読むかぎり当たり前のことを言っているだけです。 それがむずかしい。 これは 「前もってことばを用意しておかないと言えないことば」 でしょう。 おそらく隔靴掻痒の経験と、俳句をつくる時の推敲(すいこう、ことば選び)みたいな事があったのでしょう。 言い方によっては “ケンカをふっかけ” ている様に聞こえるかも知れませんが、静かな口調ではっきり言われたらなおさら相手はズシッと来るでしょう。
前述の提携条件 「販路を示せ」 は、まだ入り口段階です。 ここで注目したいのは 「我々は虎の子の技術を提供する」 と、「販路を示せ」をバランス的に述べています。 相互に 「なぜ提携するのか」 の根本にかかわる確認ですよね。 お互い自分の弱点を補完してもらおうと相手の強みに求めているわけですから。
この件と前後して、もしくは並行して、専属(exclusive)か非専属(non-exclusive)かの交渉が控えています。 いちばんハッピーなのは強者・強者の組合せで、これなら相互に専属でもかまいませんが、契約更新期間などで見直しする条項を設けて、万一の保険を掛けます。
製造側から販売側へかける制約条件には “商圏 (テリトリー)” と “商権 (扱える製品の範囲)” があります。 当初は相手が強いと主張するエリアを小さめにテリトリーと定めて実力を観察する、という段階的発展シナリオもあります。
もちろん拘束を嫌って 「いちから自力でヤル」 選択(戦略オプション)もあります。 進出先によっては日系工場の存在そのものが効果的な広告塔だったりもしますし、ましてや、前後の工程を連携する日系企業グループで進出し力を合わせた場合のマーケティング力は、現地企業との業務提携を越えるものがあるかも知れません。
けっきょく 「自社の強さ」 を海外で測るモノサシを持つ、が課題になりそうです。 JETROや自治体や金融機関の駐在員事務所も活用して、自分のモノサシを創りましょう。
では、また。
ご意見、お問い合わせは:松嶋 BZL12657@nifty.ne.jp までどうぞ。

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2013年12月11日 (水)

油屋 嘉左ヱ門

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。
初めに ごめんなさい。 ちょっと自慢話っぽくなります。
今朝(2013-12-11)のNHKアサイチで 「オメガ3(スリー)」 を紹介していました。 オメガ3は食用油の成分で、善玉の成分です。 善玉だけに熱や酸化(空気)にデリケートな成分です。 テレビでは、アメリカ政府が、太り過ぎが増えて最近オメガ3を推奨している、的な紹介をしていました。
今どきの食用油は、ペットボトルに入ってて、スーパーマーケットで山の様に積んで売っていて、賞味期限も数カ月ありますが、私が子供の頃の食用油<白絞(しらしめ)油>は、生鮮食品みたいで、とても美味しかった記憶があります。
私は会社を早期退職して、57歳で中小企業大学校(東京都・東大和市)で中小企業診断士になる為にMBA (経営学修士) みたいな勉強を1年間しました。 そこの事例演習で、「自分で新規事業を計画してみよう」 という課題が与えられて、私が提出した事業計画 (ビジネスプラン) のタイトル (題名) が 「油屋 嘉左ヱ門」 でした。
そんな10年前の計画書の中で既に述べられていたのが 「オメガ3」 でした。 オメガ3を多く含む油はすこぶる健康に良い油ですが、デリケートで、スーパーの店頭に山積みして売るわけにはいきません。 その頃まだ少しは残っていた “牛乳配達” みたいな売り方になるのかな~・・という性格の油です。 この事業計画のポイントは 「“生鮮”食用油」 を核コンセプトとして、一貫して “生鮮” を活かす製造プロセス、“生鮮” を活かす流通スタイル・・を実現可能 (feasible) なレベルで考え出すことです。 そして投資計画を作り、プロジェクション(見通し)B/S(貸借対照表)や、プロジェクションP/L(損益計算書)を作り、そこから投資回収計画 (プロジェクションC/F:キャッシュフロー報告書) を作ります。

「一貫している」 と 「このリーダー (経営者) は軸がぶれない」 と、なります。 「考え出す」 ことをMBA風に格好よく表現すると 「創出する(create)」 ということになります。 一貫している軸のこと、つまりここでは “生鮮” ということを “供給価値” といい、そこから消費者が受けるメリットである 「おいしい」 「健康になれそう」 「(添加剤がなくて) 安心」 が “顧客価値(customer value)” です。
嘉左ヱ門は、私の5代ほど前の先祖の名前ですが、油屋をやっていたのは2代前の嘉助からで、自給用の田畑と、養蚕と、田舎のなんでも屋 (荒物+食品) を営んでいました。 名前だけ入れ替わって、レトロかつ本物回帰のリアリティを演出しています。 「嘉左ヱ門」 は、高価でも美味しくて体に良くて新鮮な食用油が欲しい知的なターゲット顧客層を意識し、将来のブランディングも意識したネーミングになっています。 ワゴン車が未だ 「ライトバンみたいで格好悪い」 だった時代に敢えてセダンを品揃えしなかった 「スバル・レガシー」 みたいな、“時代を変えたい” 意識が見え隠れします。
あれから10年を経て、「私が注目したオメガ3が10年遅れて追い付いてきたか!」・・の感慨があります。 それだけに、私の事業計画のディテールでの不十分さ (リスク) も見えてきます。 もしこの事業計画を10年前に実行に移していたら、その不十分さはどの様に経営に悪影響を及ぼしそうか。 どうしたら回避できそうか。
潰せるリスクは潰すべきですが、30%程度残っている段階が着手に適している・・とも言われています。 追随する競合を振り切るには、相手もリスクに躊躇しているであろう状況を “チャンス” と見て、残ったリスクは承知の上 (risk take) で、「走りながら対処する」 と決断 (make decision) するわけです。
では、いま現在実行に移すのであれば、・・・。 評論家は楽ですが、評論される側はリスク・テークして決断しなくてはなりません。 だから私は起業する経営者を尊敬し、応援したいです。
では、また。

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2013年11月 2日 (土)

産業交流展2013/中小企業総合展へ行って参りました

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。
昨日(11/1)、東京ビッグサイトで開催(10/30~11/1)された「産業交流展2013」、「中小企業総合展」、「ものづくりNEXT↑2013」 に行って参りました。
ちなみに、それぞれの主催団体は:
①産業交流展2013 ・・・・ 実行委員会(東京都、東京商工会議所、同・連合会、同・商工会連合会、同・中小企業団体連合会、同・中小企業振興公社、同・産業技術研究センター、東京ビッグサイト)
②中小企業総合展 ・・・・ 中小機構 (独立行政法人中小企業基盤整備機構)
③ものづくりNEXT↑2013 ・・・・ 日本能率協会・他 (生産システム見える化展、他)
・・・・ です。 類似した見学者ターゲット層に対し、場所とタイミングを合わせて・・。 見る側にとってもありがたいです。
会場はアベノミクスからか、かなり明るさ・アグレッシブさを感じました。
特に感じたのはベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマーへの進出を支援する政府外郭団体や、工場団地を開発した現地デベロッパーや日本の商社、またその仲介斡旋業者の展示です。 中国は陰をひそめて、ASEAN指向がかなり鮮明です。
中小企業の側も素早い適応を見せています。 例えば 「Sヴァレー」 というF県の企業連合はベトナム北部へ進出して中間財を生産し、そこから中国市場を狙う・・といった、今までと一味ちがったサプライチェーンの一角を目指しています。
視点① 当該企業連合は、粗形材業―機械加工業―表面処理業―塗装業・組立業などの隣接するプロセス同志でコラボして進出しようとしていて、力強さを感じます。 既にベトナムから研修生を受け入れて、進出準備を進めています。
視点② また、中国のカントリーリスクを避けながらも市場としての魅力はしっかり掴もうと、外部環境変化へアジャイルな適応をみせています。 (ホーチミン市などベトナム南部はタイ経済圏指向が強いが、ハノイ市などベトナム北部は中国との取引に強い・・らしい。)
つい数年前までは 「空洞化」 と騒いでいたのが、えらい変わり様です。 (私は 「荘園づくり」 と呼んできました。)
つまり、世の風潮に流されずに 「自分の足で歩いて、自分の目で見て・・が大切だ」 という事でしょう。 その中には現地の出先機関(JETROや銀行の駐在員事務所など)に行って聞く・・というのも「自力」の内に入るでしょう。

「とりあえず国内の中小企業支援機関や政府外郭団体へ行って、現地の様子を聞いてみたいんだけど・・」 そのアポ取りや随行などの “露払い” 受け賜わります。
メール: 松嶋交治 BZL12657@nifty.ne.jp
では、また。

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2013年10月 7日 (月)

沖縄で “島とうふ” を味わい、“県産本” を漁って参りました

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。
10月3日~6日、昔の会社の独身寮の旧友たちと年一回の親睦会が、今年は沖縄にセットされ、ついでに那覇の街をタウン・ウォッチングして参りました。
往路、ANAの機内誌 「翼の王国」 に “沖縄ぬちぐすい紀行・意外な名産品 「県産本」” という記事があって、ジュンク堂書店・那覇店に沖縄本1万冊のコーナーがあると。 こりゃあ面白い、と機内誌をテークアウトしました。 (ぬち=いのち、ぐすい=くすり・・・らしい)
“島とうふ” は、以前テレビで紹介されていて、「どんな味がするんだろう」 と興味深々でした。 サンエー那覇メインプレース店で買い込んだとうふは、もめんとうふが3種類、ゆしどうふが1種類、きぬ風のが1種類です。
「島とうふ」 と言えば “もめん” らしい。 3種ともやや硬い。 もめんのやや粗い食感(キメの粗さ細かさ)は3種それぞれで微妙に違います。 やや強めの塩味も3種それぞれです。 大豆の野性味は1種だけ際立っていて、醤油をたらしても大豆風味が負けない。 あまり手を掛けないで素材を味わう(ひややっこみたいに)にはこれがいい。 しっかり料理するなら他の2種がいいかも。
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“ゆしどうふ” と “きぬ風” は、写真だけ載せておきます。
ゆしどうふは、おつゆの中に固まりかけたとうふが浮いてる感じです。 あのおつゆには、“にがり<塩化マグネシウム:MgCl>” が含まれているのでしょう。 ゆしどうふもにがりの味がやや強めに沁み込んでいます。
私は、他の食材でも薄いマグネシウム・イオンの味が大好きで、にがり味のゆしどうふには引かれます。
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さて 「県産本」 ですが、沖縄では 「取次」 と呼ばれる本の問屋を通さないで、発行元が直接に地元の書店に持ち込むことが多いらしい。(「翼の王国」 から受け売りです。) それで本が地産地消になっている、とのことです。 本が地産地消なんて、沖縄カラーがグイグイ押し出てくる感じですね。
団体行動の合間を縫っての単独行動で短時間だったのですが、ジュンク堂で漁って買ったのが下の二冊です。
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「世界のなかの沖縄文化」 は、縄文人に魅かれている私には興味深い内容がぎっしり詰まっているようです。 婚姻のかたち、家族の形成・門中(むんちゅう)の社会、女性の霊力などなど。 でもこちらは姉妹ブログ 「胸キュンな人々」 の領域ですので、そのうちそちらのページで記事にしましょう。
もうひとつの 「この島のものづくり」 は、当 「ラボ」 のテーマでもあります。 地元の食材を中心にした食品の記事が80%ぐらいです。 この本を作った人(人々)の沖縄への愛がぎっちり詰っています。
私にすれば 「ゆいレール首里駅の改札口で買い食いしたあの美味しい黒糖アイスクリームが、この本にも載ってる!」・・ですね。 今も味覚がよみがえってきます。 こんど近所のアイスクリーム屋さんへ行ったら 「黒糖アイスクリーム、ありますか?」 と聞いてみます。 それが沖縄への応援につながるかも知れません。
次の写真は 「牧志公設市場」 で見かけた帯鋸盤(おびのこばん)です。 凍ったお肉を切る機械です。
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こういう機械が、いわゆる 「1+2+3=6次産業」 の 「2次」 の部分なのですね。
帯鋸盤でこの小ささは初めて見ました。 やっぱり 「ニーズ」 に出逢ってこその “技術” なのですね。 そこ繋ぐのが 「生産財マーケティング」 なのですね。
では、また。

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2013年7月29日 (月)

“Kクロス” はいかが?

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。
さて、“Kクロス” は、私が考えた 「造語」 です。
軽トラックを使って荒地のサーキットで競走するモータースポーツをイメージしています。
軽トラのモトクロス、略して “Kクロス” です。 もちろん未だ実現していません。 未来形です。 夢ものがたり、です。
Kクロスには、荒地のサーキットを周回するタイムレースと、奇抜な艤装アイデアと走行スタイルのユニークさを競う 「おもしろ部門」 があります。
タイムレースは4WD車でなくても出場できますが、4WDが主流になるだろうな、と思っています。
ちかごろ 「1+2+3=6次産業」 ってことで、農業(漁業、林業)と製造業と流通業のコラボが提唱されています。 このうち農業と工業に限って 「昔はどうだったんだろう?」 と振り返ると 「村の鍛冶屋」 がありました。 「村の鍛冶屋」 を起点に 「現代に農業に貢献する工業って何だろう?」 と考えると、鋤鍬(スキ・クワ)から、トラクターやら、穀物の脱穀機やら乾燥機、果樹園のモノレールやら、いろいろある中で、私が注目したのが軽トラックです。 普及度がかなり高いから、です。
そのうちにKクロスの聖地(メッカ)が現れます。 高校生なら 「軽トラの甲子園」 なんでしょうけど。 村おこし・町おこしのイベントでもあります。 ”特区” で実施するのも良いでしょう。 Kクロスの日本選手権が毎年行われる町/村になるでしょう。
全国各地で予選が行われるようになります。 予選会場付近や日本選手権会場付近の鉄工所や自動車修理工場は、レースに出場する軽トラックをチューンナップする場所になります。 鉄工所や修理工場には溶接機や研磨機などの金属加工機があって、かなり自由なアイデアを形にすることができます。 つまり農家のカスタムな要求に応えることができます。 でも、ヒトとヒトがつながらなければ 「宝のもち腐れ」 です。 Kクロスはレースに夢中になった農家の若者と鉄工所・修理工場の職人さん、つまりヒトとヒトをつなぎます。 ヒトとヒトがつながったら 「もち腐れの宝」 が 「本物の宝」 に生まれ変わります。
日本の農業は世界5位の農業大国、だそうです。 この本の受け売りですが・・。
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「食料安全保障」 の考え方、その途中にある 「食料自給率」 の分母と分子の難解さ。 食料輸出が増えると自給率がアップする。 へえ! どうして? 野菜を作っても自給率は上がらない。 ・・分析 (analysis) はこの本に任せておいて、私の興味は、ただでさえ強い日本の農業がTPPが来てもビクともしないでいられるインフラ的仕掛けの立案 (synthesis) です。 農業者だけで考え続けると煮詰まっちゃいます。 シュムペーター的な <新結合(new combinations)> が必要な状況に至っているみたいです。
農業と工業を草の根的に結び付けるには? 若い人が情熱を傾けるには? いざ食料安保というときに休耕田を再開させるシナリオとは? ・・・・あれやこれや考えると 「こりゃあお祭りに仕立てるのが一番なんじゃない!」 ということで “Kクロス” です。 いかがでしょうか?
かなり机上論寄りで述べました。 もっと現場発想のプランにできたらな、と望みます。 コメントを歓迎します。
では、また。
追記(2013-11-2): 「軽自動車」 というカテゴリーを米国が嫌っています。 TPPでも時折報道されるのですが、米国がどこまで本気なのか分かりづらいです。
私は、モーターバイク(オートバイ)と軽自動車は分厚い中間層を創出するのにおおいに役立つ “仕掛け” と思っています。 バイクと軽自動車には 「これから稼ぐぞ!」 という頑張り層の上昇志向が満ち溢れています。 アジアの途上国でも、日本でも。
アジアには軽自動車クラスの車が溢れています。 タイのTUK-TUKも、インドにも小さくて簡便な車が走っていた様な気がします。 だから米国が自国の法律の都合で 「軽自動車はワールドスタンダードじゃない」 と言うなら、「あまりにも世間知らずな米国こそワールドスタンダードじゃない」 と反論してやりましょう。 彼の国は未だにメートル法 (MKS単位系) が浸透していない、後進国とは言いませんが、ワールドスタンダードを言える資格があるかどうか怪しい国です。
中間層を勃興させる “仕掛け” を失った国々は、貧富の格差がどんどん開いてデバイド (二極分化) が進んでしまい、国民がその国での上昇志向を放棄し、国を捨てる状況に至ってしまいます。
ユーロ圏のあちこちで国家破綻寸前まで至ってしまいました。 米国の “国債発行停止騒動” も似たような社会構造・二極分化が真因・・と私は睨んでいます。
アベノミクス 「三本目の矢」 の1つとして “女性の職場進出” が挙げられています。 大都市に居ると見えにくいかも知れませんが、地方で高校を卒業した若い女性は、先ず軽自動車 (ママチャリ、原チャリもあるけど) を入手して通勤手段とし職場に向かいます。 このシーンこそ中間層勃興がスタートするシーンであり、「三本目の矢」 が活きる瞬間です。 TPPの 「K」 を監視しましょう。

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2013年7月 5日 (金)

団塊は “流れをつくりだす力” になれ<藤本教授の講演から>

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。
7月4日、横浜idec主催のセミナー 「グローバル競争で克つ! ものづくり中小企業 ~“ものづくり”のよい流れを作ろう~」 を聴講して参りました。 あの 「擦り合わせ型」 という言葉を発信なさった東京大学・藤本教授の講演で、たいへん勉強になりました。 ありがとうございます。
ひとつは、「20年先を見ようとすれば、50年ぐらいは過去を振り返らなければ、20年先は見えてこない」。 その 「過去50年の中に“バブル崩壊”があって、失われたOO年の元凶とされているが、実は同時に“冷戦の終了”もあって、中国が市場経済へ参入してきている」 ・・というご指摘でした。
言われて調べると、ソ連が崩壊したのは1991年でした。 鄧小平が天安門以降の内部対立(路線対立)を収拾すべく “南巡講話” で、「社会主義のままに市場経済にするんだ」 と大きく舵を切ったのが1992年です。 そのインパクトは “20分の1の安い人件費” でした。 一方、三重野・福井の日銀が総量規制を始めたのが1990年なので (漸進的でない急激な信用収縮オペレーション→バブル崩壊へ)、これらの時期はほぼ重なります。 あの失われたOO年は、2つの経済の大津波が重なった複合不況だったのです。
これだけで “過去50年前から未来20年を読む” は終わりませんが、紙面の都合で一旦切ります。
学んだ二つ目は、「これだけ経済の荒波をうけて、産業がダメになっても工場は残る」 って事実です。 工場は残って、作るものが入れ替わってる。 例えば、甲府のかつての電卓工場は、用途別の (カスタマイズされた) タブレット工場に入れ替わった。 換骨奪胎。 同じ甲府のかつてのアナログ半導体の工場も、「設計者を付けてやるから、自分たちで食っていけ」 と自律を促されてしぶとく生き残っている。 ここで生き残る力になるのが 「流れをつくりだす力」 だ・・というお説です。 これが藤本先生が今回のセミナーでいちばん言いたかった事みたいです。
企業の現場を預かってきて今はOBになった人々(団塊の世代)は、自分の経験を 「固有技術は教えられるけど、流れをつくりだすなんてその企業でしか通用しない能力」 と思い込んで謙虚になっちゃってる。 けれど、その知識ノウハウ群は実はよその企業でも通用するって事を分かってもらったら、自信になって中小企業へ貢献して貰える。 団塊が定年退職する時期に伝承すべき若手が希薄だった。 今こそ。 ・・・そんな講演でした。
で、その師範学校 「東京大学ものづくりインストラクター養成スクール」 や、その地域への出店(でみせ) 「地域スクール」 を設けて普及中です。 既に新潟県・三条燕地区には出来てると。
学んだ三っつ目は、海外へ出るのに国内工場をたたんで進出してはいけない・・って事です。 そりゃあ分かります。 「空洞化のウソ」 の主旨そのものですし、 http://route16c.cocolog-nifty.com/matsushimaielab/2012/09/post-22e4.html、先日の 「機械要素技術展」 で中小製造業の実例にも遭遇しましたし。
思いだします・・大津波のとき、タイでも洪水になって、自動車産業はリカバリーするのにタイ人を日本に送り込んで応援しました。 そうなったら臨時にタイ人が先生、日本人が生徒。 それも、代替の効く生産現場が日本にもあったから・・とか、日本に“マザー工場”としての機能が残存してたから・・とかで臨時のバックアップ態勢が急遽とれた・・もあります。 海外と国内、工場が二つあればしぶとくなります。
では、また。

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2013年6月17日 (月)

大田区加工技術展示商談会に行って参りました

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。
2013年6月14日、京浜蒲田駅前の大田区産業プラザ(PiO)で開かれた 「第6回 大田区加工技術展示商談会」 に行って参りました。
地元のハイテク町工場100社余のブースが並んで、加工技術を競って展示していて、「下町ボブスレー」 も展示されていました。
そんな中、私の目に入ってくるものに 「投縄機」 がありました。 これは沿岸漁業のタチウオを釣る延縄(はえなわ)を次々と船から海へ投入したり、釣れたタチウオを回収する仕掛けです。 この様に、第一次産業(漁業)を第二次産業(工業)がコラボするモデルは愉快で、大好きです。
タチウオ漁は、一定以上成長した成魚だけが水揚げできて、幼魚は海へ戻さなくてはいけないから、むしろ釣れない方がいい。 そういった現場のニーズを反映し工夫した投縄機になっていて、いたく感心しました。
これを開発した企業は、パイプ曲げ加工が専門の製造業です。 「パイプ曲げ」 でどんな新製品が創れるか?・・と、いくら考えても投縄機には行きつかなかっただろうな・・と想像します。 新製品・新製品・・・と四六時中考えている人が異質な集団と出逢って、その出逢いを活かせた場合ではないでしょうか。 これもシュムペーターの“New Combinations”でしょうから。
これを見て思い出したのが、幕末の備中松山藩(現在の岡山県高梁(たかはし)市)の家老・山田方谷(ほうこく)です。
山田方谷は藩財政を立て直した経済の実務家でした。 マイナスの清算とプラスの政策の両面から立て直したのですが、そのプラス面政策には、第一次産業、第二次産業、第三次産業のコラボがあったのです。 今で言う 「1+2+3=6次産業化」 ですね。
高梁川の上流には鉱山があって、中流域は農業地帯(養蚕や綿花も)、下流域に町が開けて鍛冶屋が有ったり織物問屋があったり牛馬を使った運送業があったりしました。
鉱山や農業で使う工具・道具・運搬具(車輌)を川下の手工業地帯で製造して効率を昇げ、また産出した鉱物資源や農産物を川下の手工業地帯へ供給して、加工食品や綿織物や絹織物にして藩外にも売って経済を回していき、藩の財政を立て直しました。 想像ですが、同じ藩内のいろいろな産業間でニーズ(要求)とシーズ(技術)のマッチングの試行錯誤を一生懸命やったんでしょうね。
アベノミクスの3本目の矢とは、その様なたくさんの 「出逢い」 を新しい地平でプロモートすることになるんでしょうね。 投縄機みたいに愉快そうですね。
では、また。

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2013年5月11日 (土)

放射状14気筒エンジンのコンロッドはどうなってるの?

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

5月8日に上野の国立科学博物館へ 「グレートジャーニー * 人類の旅」 展へ行って参りました。

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 フジテレビで関野吉晴医師が出てらした番組をまとめた特別展です。 様々な民族の様々なサバイバルの知恵がひろうされていて、大変興味深く面白かったです。

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特別展とは別に、常設展の 「日本館」 と 「地球館」 の展示がありまして、中学生、高校生、おばちゃん達に混じって、外国人の家族や集団、それも欧米系あり、アジア系ありの多様な見学者が訪れていて、少し誇らしく思いました。

そんな 「地球館」 で発見したのが本物の 「ゼロ戦」 でした。
エンジンが剥き出しになっていて、シリンダーが数えられます。 空冷のフィンが7気筒放射状に配置されているのが見えて、その奥にもう7気筒あるじゃないですか! なんと14気筒も!
「こりゃあどうなってるんだ? コンロッドの所が混みあってぶつかるのをどうやって回避してるんだろう?」

リンク機構とかピニオン機構とか、機械用語をたくさん知ってれば言葉で説明できるんでしょうけど、私にはちょっと説明が難しいです。 私なりに知ってる言葉でこの複雑なメカを表現するなら 「遊星はぐるま」 ならぬ 「遊星コンロッド」 ・・でもないか、「遊星クランクピン」 ですね。

興味を持たれた方は上野へ行ってみてください。 他にもいろいろ収穫があると思います。
「工場萌え~」 の次は 「博物館萌え~」 などいかがでしょうか。

では、また。

追記: このときのゼロ戦の学芸員さんから聞いたのですが、「(遊星)クランクピンの技術も凄いですが、もっと凄いのはキャブレターです。 背面飛行がこれほど長時間可能なのはキャブレター技術です。」 と教えてくれました。

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2013年4月23日 (火)

神奈川県産業技術センターの一般公開へ行って参りました

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

4月18日、神奈川産業技術センター(KITC)の一般公開へ行って参りました。 ここは神奈川県の公設試のひとつで、県央の海老名市にあります。 (もうひとつはKAST:神奈川科学技術アカデミーで川崎市・溝の口のインキュベーション施設:神奈川サイエンスパーク:KSP内)

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この産技センター(略称) を訪問するのは5回目ぐらいです。 セミナーやシンポジウムで、もありますが、年に一度の一般公開はなるべく見学に行くようにしています。

本来の活用は、中小企業が技術相談に訪れ、技術開発や試作、開発途上での試験につなげていく使い方が望ましいのですが、公設試側にどんな受け容れ体制 (試作設備・試験設備・技術陣) があるのか概略つかんでおかないと、イザという時に中小企業に助言することができません。 また設備にも時代に合わせた新陳代謝があります。

今回の見学で勉強になったのは、加圧焼結炉(HIP: Hot Iso-static Press)、トライボ実験室、織機でした。

織機: 組み紐の織機は 「糸が多い大型のリリアン」 みたいな機械のカタマリです。 港・横浜がシルク製品の輸出拠点だったむかし、後背地だった津久井郡や八王子近郊が養蚕の本場で、その撚糸技術を支えた機械が十数種類も動態保存されています。 あのユーミンのご先祖は八王子で絹問屋だったと記憶します。 八王子と横浜を結ぶJR横浜線は、かつて 「シルクロード」 ならぬ 「シルクライン」 で、ブランド品 「横浜スカーフ」 や 「シルクストッキング」 など様々な輸出品を送りだしていきました。
それより何より、トヨタも日産も織機技術の横展開で自動車産業を勃興させて、今日に至っています・・、という説明を聞いて、「えっ! 日産も織機からだったんだ!」 と驚きました。 不明を恥じながらも、知って良かった。

トライボ実験室: ここはDLC(Diamond-like Carbon)をコーティングして摩擦を劇的に減らしたピストンがデモ展示されていました。 2輪の鈴鹿4時間耐久レースで勝ったとのことでした。 DLCは用途開発が課題でしたが、いろいろ出揃ってきているようです。 自動車産業は “燃費競争” 真っ盛りですが、いずれDLCコーテッド・ピストンの超低燃費車が出現することでしょう。

加圧焼結炉(HIP): ベアリングのボールなどの超硬合金を試作する設備です。 バブル崩壊以前には全国各地の公設試にあった設備ですが、失われたOO年の間に徐々に消却されて、全国でここにしか残っていない、・・とのことでした。 どんどん利用して、ゼロにしないで欲しいですね。

この産技センターにある試験設備の半分くらいはハイテク中小企業の製品です。 設備の銘板を眺めてハイテク中小企業名を知るだけでも勉強になります。

他にもいろいろありましたが、キリが無いので・・。

では、また。

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2013年4月10日 (水)

女性の職場づくりは “Normalization” で

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

数日前、NHKで女性労働や保育所不足や育児休暇を扱った番組がありました。 いろいろな立場のいろいろな考え方がぶつかりあって、堂々巡り(論理のループ:鶏と卵)もあって、有意義な番組でした。 尤も、最後まで視なかったので結論は知りませんが。

私が会社員だったころ、私が居た会社は企業市民活動に積極的でした。 その頃世間のテーマは 「ノーマライゼーション」 でした。
ハンデキャップがある人々にも働ける職場を作ろうという主旨で、車椅子で入れるトイレを作ったり、床の段差にスロープを設けたりしてました。

そういう活動を 「ノーマライゼーション」 と呼んだり、商品を企画する時にハンデキャップのあるユーザーを想定して開発設計することを 「ユニバーサル・デザイン」 と呼んだりしていました。
「ユニバーサル」(=汎用)は分かりますが、なぜそういう活動を 「ノーマライゼーション」(=普通化) と呼ぶのか?
その頃の “掛け声” としては 「ハンデキャップがある人に配慮した職場づくりは、健常者にも快適だし優しくて、受け容れ易いものになる」 つまり 「ハンデキャップがある人々と健常者が “共存するのがノーマルな(普通な)状況” の方が快適なんだ」 という “信念” というか “哲学” みたいなものが 「ノーマライゼーション」 という言葉のなかに滲み出ていたように思います。

「女性労働」 を考えるとき、これと同じ “哲学” が必要なのではないでしょうか。 女性は子供を産む、できれば母乳で育てたい、育ち盛りの子供へ夕飯を用意するためには定時退社したい。 それは目先はハンデキャップかも知れないが、それを受容できるキャパの大きい職場環境を作れれば、男性も同じ環境を享受できて快適に働け、会社も活力が出て儲かるのだ、という哲学です。
男性従業員や管理層は 「オンナは残業を避けたがって使いにくい」 と “上から目線” でなく、「女性に合わせたお陰で、俺たちも余裕ができて、発想が豊かになった」 という好循環を生む発想への転換、・・・これが 「ノーマライゼーション」 です。

「労働力再生産」 の意味は 「休息」 「教育」 「世代交代」 と色々ですが、「休息」 ひとつをとっても 「休息の時間が働く力を蓄える、休息も会社のため」 という内容を伴っています。 これは西欧の階層社会で肉体労働のイメージからの発想と思われますが、創造的知識労働の比率が増した現代にこそ余計に 「攻めの休息」 が必要なのではないでしょうか。
従業員に創造的に活動してもらおうとすれば、従業員のなかで 「新たな組合せ・新結合 (New Combinations: 経済学者シュンペーター)」 が発生しなければなりません。 残業して会社のオフィスで見慣れた景色をどんなに長く眺めていても 「新たな組合せ」 は期待できそうにありません。 然らば 「会社に居ないで渋谷を観察してこい!」 「秋葉原を観察してこい!」、そして 「家庭を観察してこい!」 でもあります。

6年ほど前でしょうか、大田区の町工場を取材した 「ドリル・ガールズ」 というTV番組があって、私のお気に入りでした。 油っこい機械加工の職場で頑張る若い女性が、NCボール盤で車載用らしき油圧マニフォールドを製造する映像でした。 ドリルで削孔する “音” や “臭い” で加工精度が想像できるまでに成長し、やがて後輩の女性に一生懸命その “音” と “臭い” を技能伝承する・・・、という物語でした。
もしその職場に女性を侮(あなど)る男性がいたら、その男性は奮起せざるを得ません。 男の職場と思い込んでいたところに “女性がアタリマエに居合わせる” だけで職場の活性化が仕込まれたのです。

女性が “ノーマルに(普通に、アタリマエに)” 活躍できる職場ができたら、男性も一層活躍できるようになる・・・と思いませんか?
一気には変えられない諸事情があるのは承知していますが、徐々にでも 「アタリマエ」 の方向へ向かって欲しいものです。

では、また。
コメント、歓迎します。

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2013年3月28日 (木)

「経営OO計画書」 づくり、ご支援いたします

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

「中小企業金融円滑化法」 がこの3月末をもって終了します。 金融庁や中小企業庁の指導もあって、金融機関の態度がこれで豹変するとは考えられませんが、今後、中小企業は自社による自社の経営状況把握を確実にする(<自律>)とともに、金融機関や行政の支援機関に対して的確に状況を “説明できて欲しい” ものです。

そんな時に必要になるコミュニケーション・ツールが 「経営OO計画書」 です。 OOの箇所には 「改善」 と入ったり 「革新」 と入ったりします。
「作らされる」 と受け身で考えると “ウンザリ感” が先立ちますが、「自らを律し経営するのに必要」 と能動的に考えると、次は 「どうすれば計画が作れるのか?」 という前向きな疑問が湧いてきます。

計画づくりの最終段階は確かに 「数値」 を扱いますが、それ以前の 「仕込み段階」 が最重要です。
また 「数値」 も、経営者は細かい 「帳簿の科目」 でなく、「売上高」「変動費」「付加価値」「固定費」 といった “中程度にマクロな数値” への理解が重要になります。
そして “仕込み段階” から “中程度にマクロな数値” へと繋いでいきます。 何をどう変えていけば、その数値に辿り着けそうか、という将来の因果連鎖の “上流=因” を作り込むことが計画の本質です。 “将来の” とは、お客様の要求が変わりつつある近未来を読み込んだ因果連鎖になっているか?という視点です。

御社の具体的なケースに沿って、理解進度に合わせて 「経営OO計画書」 を作り上げるご支援をいたします。 出来上がった時に “My Plan” と言えるように御社の自主性を重んじながら。

どうぞ試しにお呼び付けください。 メール“松嶋 交治”bzl12657@nifty.ne.jp へコンタクト下さいませ。

<松嶋の略歴は、リンク 「プロフィール」 に記載、ご参照ください。>

注記: 当ブロガー・松嶋交治は、東京都と神奈川県に専門家登録されていて、中小企業は補助金(自己負担あり)が使える条件が整っています。 ただし、予算枠との兼ね合いがあります。

追記: 「経営革新計画」では、公開・非公開を選択するようになっています。 公開すると中小企業向け金融機関 (地銀・信金など) がチェック・評価していて、評価が高ければ融資対象にされることもあります。
中小企業支援施策にはいろいろありますが、私は、この 「経営革新計画」 ほど自由市場原理に叶った<本質的な>施策はない、と評価しています。 経営者に 「ラッキーな経営者」 があるとすれば、ラッキー(幸運)を呼び込む“種”のひとつはこれだ、と思っています。

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2013年3月 6日 (水)

小型移動式クレーン(ユニック車)の技能講習

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

一昨日に 「小型移動式クレーン」 の資格が取れました。 通称 「ユニック車」 です。 最大4.99トン吊りのクレーンまで操作できます。 神奈川県綾瀬市にあるIHI技術教習所で、2日間の座学とテスト、1日の実技講習とテストで。
“玉掛け”資格 とペアで使える資格ですが、そちらは取得済みでしたので、ユニック車に集中できました。

さすがに60歳台の受講生は私ひとりでした。 実技では目と耳と手を連動させて 「ムダ振れ」 を抑止するので、脳ミソが活性化された気がします。

受講仲間には、場所がら米軍基地内の仕事をなさってる30~40歳台が散見され、順番待ちの会話から、技能資格と英語のAND条件で仕事をなさってる“気合”が伝わってきました。

では、また。

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2013年2月 2日 (土)

5軸加工は無人化のため@ドイツ

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

昨日、多軸加工の勉強会(横浜IDEC主催)に行って参りました。 多軸加工とは、5軸加工とか複合加工とかの高度なマシニングセンタによる機械加工です。 大変、勉強になりました。 有難うございます。

日本では 「5軸加工機というと、3軸ではできない加工を5軸でやる」 という発想をし勝ちですが、ドイツでは 「人を介在させずに無人化してコストを下げるため」 だそうです。 3軸でできる加工をあえて5軸でやることによって、寝ているうちに必要数の加工を完成してくれる。
何故なら、3軸で人の介在が必要になる代表的な場面は、工具とワークの干渉を避けるための 「持ち替え」 の場面であって、それが5軸では干渉が避けられて持ち替えせずに工程を完遂できる。

・・・と、勉強してきたコアの部分を先にご紹介しました。 私はベースがIE屋(Industrial Engineer)で、恥ずかしながら実は 「木工旋盤」 と 「ラジアルボール盤」 ぐらいしか使ったことがありませんで、そういうレベルでは聞く事すべてがいちから勉強になりました。

いちから、というのは例えば 「3軸、4軸、5軸」と順に高度化するのかと思ったら、「ワーク側3軸+工具側2軸=5軸」であって、どうも4軸というのは無いらしい。(笑)
ただし 「5軸を1軸殺して4軸で使う」 というテクニックはあるらしいです。 5軸を4軸で使うと、切削面を刃物が通過する軌跡が一定して描かれる紋が整って、かつ効率よく削れるらしいです。

CAMソフトでも、常識らしき初歩的な事柄もいちから勉強しました。 CAMソフトに含まれる機能のいろいろや、外国のどのソフトがどうで、国産のどのソフトがこうで・・・みたいな。

ドイツの中小企業の社長さんは展示会などで5軸機をおおらかに買って帰って、CAMの設定を工夫して使いこなせるようになると、24時間無人で使い倒してコスト競争力を発揮する。 「3軸にはできなくて5軸でできることは何なんだ?」 なんて悩んでない。 社長も従業員も9時・5時で。 そんなイメージだそうです。 (このドイツ的発想とユーザーとしての中国が掛け算されたら・・はご想像下さい。)

どうやらドイツは機械にめっぽう強い国らしい。 その代わり、電気はやや弱いみたいです。 ドイツ車は電気がからんだ部分、例えばパワーステアリングとか、ハイブリッドとか、つまり機械エンジニアと電気エンジニアが擦り合わせて開発する部分の相互乗り入れみたいな事は不得意みたいです。 ここまで世界が狭くなっても、お国柄って残っているものなのですね。

では、また。

お問合せ、Further Information はメール:松嶋交治<bzl12657@nifty.ne.jp>へどうぞ。

追記: (2013-5-28) 「5軸で完全無人化」 を強調しすぎて、その一歩手前にある前提に触れませんでした。 (むしろこちらが私の専門領域“ IE: Industrial Engineering”です。)
工作機械や成型機を省力化 (無人化の一歩手前) するのに、その工作機械の入口と出口を工夫します。 入り口ではワーク (加工対象物、材料) が連続的に供給できるように、出口では加工品が先詰まりを起こさないようにハンドリングを工夫します。 その工夫はワークの形状から発想することが多いので、それこそ(機械メーカーでなく)機械ユーザー独自の工夫が必要です。 言い換えるなら 「入口と出口の技術格差がコスト競争力を生む」 とさえ言えます。 最新設備を買ってくるだけなら資金力だけが競争力ですが・・。

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2012年12月17日 (月)

海外では Made With JAPAN が “ウリ” になる

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

Made With JAPAN という言葉には以前から出逢っていたような気がしますが、改めて気付かされたのは 「世界のお金は日本を目指す」(岩本沙弓著、徳間書店、2012-8月発刊)です。

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この本の第6章「日本経済が最強と言い切れるこれだけの理由」の冒頭に、ボーイング787と、アップルの iPad を例に Made With JAPAN が登場します。

「日本企業と一緒に開発しました」 とか 「日本製のハイテク素材を使って作ってます」 というのが海外の製造業にとって本当にセールスポイントになっているらしいです。 (うすうすは聞いていましたが、まさか表だって押し出してはいないだろうと疑っていました。) 詳しくは本書でご確認ください。

1980年代、南アフリカ共和国製の交通信号制御機 (過酷な屋外環境で信頼性が要求される) のカタログに 「日本製のPLC (Programmable Logic Controller、シーケンサとも言う) を内蔵しているから信頼性が高い」 と謳っていました。 「へ~え、こんなの珍しい!」 と思ったものです。 あれから30余年。 もう珍しくも何ともないのですね。

うれしいのは本書で、縁の下的に活躍する日本の中小・零細製造業の存在にスポットライトを当ててくれていることです。
高級イメージのドイツ車のパワステ (パワー・ステアリング) やトルコン (Automatic Transmission: AT) が実は日本製だったりもする。 (パワステもトルコンも、メカ→電気→メカの境界技術領域でかつアナログ領域という日本が得意な “擦り合わせ型” の典型です。) ましてやBRICS諸国では・・・。
そうして海外製が売れれば日本の町工場が儲かる。 ティア・1が儲かれば ティア・2も儲かる。 「風が吹けば・・・」  ビジネスモデルがもう変わっているのですね。 もはや “ケーレツ” でなんかビジネスしていない。 日本の中堅・中小製造業は、技術力アップも頑張ってますが、ビジネスモデルの変化にも追随できている所が多いんですねえ。

では、また。

ご意見・感想はコメント欄、またはメールBZL12657@nifty.ne.jp (松嶋)へ。

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2012年12月10日 (月)

工業英語: “英語アタマ” を目覚ます 「くち癖」

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

工業英語のつづきです。 英語は専門領域で狭く、深くで自信をつけてから、専門領域のみならず 「ビジネス英語」 や 「日常英会話」 などへ広げて学ぶと良い、と前記事で申しました。 つまり、「狭く」 → 「深く」 → 「広く」 です。 次は 「広く」 ですが、「広く」 を始めたからといって 「狭く・深く」 をヤメちゃう訳ではなくて、同時並行的に学んだり仕事で使ってみて磨きをかけたりする訳です。

「狭く」 や 「深く」 までは、頭の中では日本語と英語をいちいち対照しながら話したり聞いたりしていますが、「広く」 が始まるあたりからは徐々に 「英語アタマを創る」 ことになります。 「英語アタマを創る」 とは、いちいち日本語と英語を対照しないで、英語だけで 「読む・書く・聞く・話す」 をする頭脳の領域を創って、徐々にその領域を広げることです。
「読む・書く・聞く・話す」 は頭脳と外界との接点での言語活動ですが、「考える」 という脳内の活動も英語にしていきます。 “いきなり”は誰でもムリです。 “徐々に”です。

前々記事にご登場いただいたハノイ駐在のベテラン生産財営業マンのAさんとメールを往復して、英語の上達法についてお互いに“ガッテン!”した諸々のヤリカタを言い換えると 「英語アタマの創り方」 って事になりそうです。

ではその 「英語アタマの創り方」 のコンテンツへご案内:
1)SVOに馴れる。: 英語の 「文型」 ってヤツです。 文型になれましょう、って事です。 文型にはSV、SVC、SVO、SVOC、SVOOの5文型ありますが、とりあえず代表のSVOに馴れましょう。

2)S(主語)には人だけでなく物、事、時間も主語になれる。: 日本人は「主語」なんてものに馴れてませんから、主語をさがしてオタオタするか、茫然と立ち尽くすところからスタートなんですよね。

3)会話では能動態が主。(受動態よりも)

テニヲハを使う膠着語(agglitinative language)の日本語ユーザーが、生まれて初めてブロック積上げ式の言語 「英語」 に出逢った戸惑い、際立った違いを克服してモノにするポイントは上記の3点でしょう、とガッテンしました。
ハノイのAさんは、この3点を意識しながら1万時間トレーニングすれば英語をモノにすることができる、とのご意見です。 1万時間というのは、1日12時間英語漬けとして2年3ヶ月です。 “これから1万時間” と考えるとウンザリ感が先行しますが、これまで学校で学んだり仕事で英語を使った累積時間を差っ引けば、それほど非現実的ではないかも知れません。
さらに、工業英語に特化した 「狭く、深く」 の領域では、1万時間そのものを大幅割引しても、モノになるレベルに達することができるんじゃないでしょうか。
1万時間をかせぐため、Aさんはあらゆる機会で英語を奨めています。 趣味のサイトはアメリカのSNSへ参加して “書く” を磨いたり、ご愛用の “ストリーマで聞けるラジオ英語ニュースのサイト” も教えて下さいました。
http://www.npr.org/sections/news/

私のお奨めは以下のとおりです。 「狭く・深く」 から 「広く」 に入ったばかりの頃は、思考が日本語領域と英語領域を激しく往復しているようです。 つまりまだ 「和英アタマ」 なのです。 脳ミソが疲れます。 が、しだいに英語領域だけで聞く・話すができるようになります。 そんな過渡的な状態を早く脱出する方法があります。 それは簡単です。 会話の途中に 「くち癖」 を挟むんです。 くち癖が出るとアタマの中が英語に切り替わったのが分かります。 よくあるくち癖は 「you know」 です。 (聞くときは 「fufum, fufum」 になります。)

実は若いころ一時、私は英語の合間に 「な」 を挟んでいました。 初めての海外出張がシンガポールで、日本商社のシンガポール支店の可(ホー)さんが英語の合間に 「な」 を挟んでいたのです。 最初はびっくりしました。 「こんな英語もあるんだ!」 と。 それが私に感染して英語に 「な」 を挟むようになったのです。
「な」 を挟むと、自分のリズムが発生して 「英語アタマ」 になれたんです。 決して品の良い英語ではありません。 だから中学、高校の先生も、英会話学校のネイティブの先生も教えてくれません。 でも上達したら取り去ればいいのです。 バカにする人がいたら、ニヤッと笑って睨み返しましょう。 ソイツだって 「いつか来た道」 の筈ですから。 とりあえず 「英語アタマ」 になる訓練が先です。

最近、NHK-BS1でBBCやABCのニュースを 「副音声」(英語) にして視聴していると、時々ヒスパニックとおぼしき人がたどたどしい英語でインタビューに答えていました。 その話しっぷりの中に 「you know」 が頻発するのを見て、「あれは私の 「な」 と同じじゃないか」 と気付いたのです。 「な」 よりも品の無さが少ないな、とも思いました。 どうせ 「英語アタマに切り替える」 ためのくち癖ならこっちの方がいいな、と思いました。

「英語アタマ」 とは、例えば脳裏に 「りんご」 の絵が浮かんだときに 「英語アタマ」 だったら 「an apple」 が口を衝いて出てくる状態のことです。 頭の中の英語がHDDからごっそりRAM領域に呼び出されてスタンバイしているって感じですね。

私の知人にはくち癖で 「わっしゃいせい」 と挟む人がいました。 これは 「何て言ったらいいんだろう」 とか 「どう言ったらいいんだろう」 と、言い淀んでる場面のくち癖だったみたいです。 当時は単なるくち癖と思っていましたが、今振り返ると彼は 「わっしゃいせい」 で 「英語アタマ」 に切り替えてリズムを作っていたんですね。

あなたの英語のくち癖はなんですか? では、また。

ご意見はコメント欄、またはeメール:BZL12657@nifty.ne.jp (松嶋)へ。

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2012年11月18日 (日)

組込み総合技術展2012に行ってまいりました

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

11月14日、パシフィコ横浜で開かれた組込み総合技術展2012に行ってまいりました。 (会期は11/14~11/16) 2時間余の駆け足で、産業の風向きを感じるだけの見学でしたが、それなりに感じてまいりました。

以下、所感を拾います。
① ルネサス(Renesas)が頑張っている。
② ソフトウェア業の浸透を通じて、若年層に英語人口が増えているみたいだ。
③ 「合同会社」 に遭遇した。
④ FPGAなる略語に初めて接した。

ルネサス・エレクトロニクス社は、自動車を主市場とする半導体メーカーです。 東日本大震災で生産体制に甚大なダメージを受け、世界中の自動車メーカーのサプライ・チェーンがルネサス社に再集中していることが炙り出されました。 そのルネサス社が震災被害から復活したばかりか再構築もあったのに、展示も説明員も明るさを見せていました。 自動車エレクトロニクス産業の裏の頂点にあって、大きな裾野を形成しているようにお見受けしました。 汎用マイクロプロセッサがインテルに支配されている如く、自動車に特化した世界での存在感が強く感じられました。
日本の製造業が得意な 「擦り合わせ型ものづくり」 における 「擦り合わせのプラットフォームがここにある」 と言わんばかりです。 どうも欧米の自動車は機械エンジニア主導で開発されているのか、電気・電子エンジニアとの擦り合わせがいまひとつの感があります。 狭量なプライドが邪魔してる、かな? いましばらく日本勢のリードが続きそうです。

会場でチャコールグレーのスーツの若い集団にいくつも出逢いました。 ソフト企業が会社ぐるみで見学に来てたんだと思います。
組込みシステムのみならず、コンピュータ・サイエンスを引っ張っているのはやはり米国、特にシリコンバレーやボストン周辺です。 ターゲット素子の英文マニュアルだけでなく、開発環境や開発ツールの英文マニュアルを理解してこそ競争力(特にアジリティ)になります。 日本語版を待っていては遅れを取ります。
この展示会に詰めかけた多くの若いソフト・エンジニア達 (その中には就職氷河期の大企業に嫌気して将来の独立を夢見る若者もいることでしょう) が、苦労して英文マニュアルと格闘して消化する努力が、将来の彼らに大いなる見返りをもたらすであろう事と、一部はソフト産業クラスターからスピル・アウトして(溢れ出て) 日本の将来を明るくするであろう事を期待します。
プログラマとして必要に駆られて英文マニュアルと苦闘し、得た英語力でシリコンバレー等と接点が生まれ、やがてシステムエンジニアとして、更にはスティーブ・ジョブスみたいなコンセプト創造者や起業家として育ってくれるといいですね。

合同会社: 新会社法で新規に定義された会社設立形態で、米国の Limited Liability Company (LLC) を模し、日本版LLC と呼ばれています。 今回の組込み総合展に出展しておられる日本シノプシス合同会社 (シリコンバレーに親企業) のパンフで初めて実際の合同会社に遭遇しました。

FPGAは Field Programmable Gate Array の略 (略=アブリビエーション: abbreviation) です。 ASIC(エイシック: Application Specified Integrated Circuits) は「大量生産しづらいけど IC化したい」場合に使われたりしますが、FPGA は ASIC の Gate Array版みたいなものと理解しました。 間違っていたら教えて下さい。

では、また。

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2012年11月11日 (日)

現場の英会話:初めは狭く、深めて、のちに広げる

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

ひとつ前の当ブログ記事で、「日系工場の現場で、英語習得をどの様に努力・工夫するかは、またの機会に」で終わってました。 そのつづきです。

私のご提案は「初めは自分の仕事(や学科)に直結した狭い範囲で英語・英会話を訓練して、徐々に専門用語の語彙を増やしていく(深めていく)。 この過程で徐々に自信が付きます。 日常会話などの広がりある英語や、英語としての気の利いた言い回しは、自信をつけてから学ぶ」という順序です。
「初めは狭く、深めて、のちに広げる」です。 名付けて「Drill & Ream Method」。 ドリルで小穴を開け、リーマでその穴をこじ開けて広げて英語を習得していくイメージです。                   

例えば、「明日は現場のB君に切断したパイプの切断面のバリ取りをしてもらおう」と思ったら、使いそうな英単語を調べて、手帳のインデックス「英語」のページにメモしておきます。
バリ    burr[バー] 金属片のぎざぎざ、かえり、まくれ
    
fin[フィン] 鋳型の合わせ目からはみ出した部分、鋳ばり
    
flash[フラッシュ] finと同義だが、不要物・邪魔物のニュアンスあり
   
・・・ようし、パイプのバリは burr[バー]で行こう。
バリ取り=burr removing[バー・リムーヴィング]って事にしよう。
     
会話の流れによってはtake burr away[テイク・バー・アウェイ]も使おうっと。
辞書を調べてたら隣にburringと、burring reamerを発見したぞ。なになに・・・
Burring[
バーリング]=バーリング加工=金属板に穴あけしたあとポンチ/プレスで穴広げすること・・だって。バリを逆に役立てようって事か! バリをワザと残しておいて、その穴にタッピングでメスネジ切ったりするわな。
Burring reamer[バーリング・リーマ]=パイプを切って内側にできた“かえり”を削り取るリーマ。
     うちの現場にちょうど良い大きさのリーマ、有ったっけ?

やすり =file[ファイル] 名詞・自動詞・他動詞。そうか「ここをやすり掛けする」は 指差して[ファイル・ヒア] でいいんだ。 それでB君が分からなかったら、「レット・ミー・トライ」とか「ウォッチ・ミー」とか言ってやって見せて「ユー・トライ・ファイル」と言ってヤスリを渡せばいいんだ。

こんな準備をして、あなたは翌日B君を指導します。すると準備した英単語は何回も口を衝いて出てきますし、場面と英単語がガッチリ組み合わさっていますので、再現性が高く忘れにくいです。 日によって準備した英単語が足りなかったり多すぎたりしますが、あなたの熱意が一緒にB君に伝われば、過不足は些細なことです。
また、英語が成長途上なB君とも「習得済みの英単語群」が共有されて、B君からはその範囲を意識しながら話しかけてくれるので、ヒアリングも「狭く深く」から入っていけます。

こんなメモがあなたの手帳のインデックス「英語」のページに少しずつ積もっていきます。その蓄積されたページの厚みはあなたの財産です。世の中にあるどんな辞書よりも、あなたにとって価値があるモノにります。
ここの例は「パイプのやすり掛け」でしたが、いまどきはMC(マシニングセンタ)をCAMで動かす時代です。 拾い集める英単語も人それぞれでしょう。

この「カッコ良くないけど、現場ではギリギリの狭い英語から入ってもいいんだ!」という事実を発見した気分を何というのでしょうか? 「目から鱗」、「割り切り」、「納得」、「悟り」、「自信」、まあそんな風なモンです。

そうして自信を付けてから英会話学校なり、Skypeのオンライン・マンツーマン・レッスンなりに進めば、英語学習にハズミが付きます。 「狭く深く」から「広げる」段階へ移ります。 この段階になってから、気の利いた英語の言い回しやら、アメリカっぽいリエゾンの効いた英語や、エルとアールを間違えるとどうなる、とかの「先に知ってしまうと萎縮しそうな英語」を学んでも遅くはありません。

これはある意味で、自己流のクセを付けてから英語の先生に付く、という、先生からは若干嫌われるパターンかも知れません。 でも、クセがあるけど自信を付けた積極的なあなたと、ウジウジした消極的な過去のあなたと、どちらが伸びると思いますか。 しかも授業料はあなた(or の会社)が払うんですよね。

さて「広げる」段階の努力のありかたも様々です。「先生に付く」のはあくまで初速を稼ぐためで、自主努力が欠かせません。 そこは次回また「ハノイ駐在のAさん」に再登場いただきましょう。

では、また。

メール:BZL12657@nifty.ne.jp

補遺: 記事中の引用は「図解機械用語辞典(日刊工業新聞社)」「カシオの電子辞書」を参照しています。 図解機械用語辞典は「和英」としても使え、後半は「英和」が134ページとタップリ付いてます。

追記(2012-12-12): 「狭く、深く」 の好例が見付かりました。 オートバイのロードレースで世界を転戦している若い日本人ライダーの英語が 「狭く、深く」 の英語ですね。 優勝したり、3位以内に入ったりするとTVのインタビューを受けて英語で堂々と答えています。 それもけっこう長いセンテンスで。 あれはロードレースという “狭い” 分野ですが、分野をマシニング加工とかの自分の土俵へもってきたら、遠からずあなたも 「英語で堂々」 です。

追記(2013-5-26) 心立て=centering  心立てポンチ=centering punch
図解機械用語辞典(日刊工業新聞社)には「心出し」単独での単語は掲出されていません。 「心出し定規」「心出しブッシュ」はあります。
辞典を手元に置くよりネットですか?  私は辞書派です。 調べたい単語の隣りに掲出されている単語も関連付けてワンセットで覚えると覚え易いし、使う時に関連付けてぞろぞろ出てくるから。 (検索に使われた用語を拾って解説しています。 ブロガー:松嶋)

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2012年10月26日 (金)

大阪弁のタイ語?が飛びかうタイ工場

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

最近ふとしたきっかけで、日本からベトナムのハノイに駐在しておられる生産財営業のベテラン Aさん とメル友になりました。 そしてメール上で 「日系工場の英語」 談義になりました。
Aさんはハノイを拠点に東南アジア全域をテリトリーとして飛び回ってかれこれ10年です。 もちろん商談に使えるレベルの英語、いやそれ以上の英語ができます。
生産財を扱ってらっしゃるので、東南アジアに進出した日本企業もお客様で、その海外工場の現場に入らせてもらえて、現場の風景に接する機会があります。

そんなAさんがある日、タイにある日系のお客様の工場へ行ったら、日本人のスーパーバイザー(SV)がタイ人の工員を指導しているところに出くわしました。

「アニーは、メダイやで~。」

タイ語と大阪弁が合体した・・・こういうのを何語っていうんでしょうかねぇ?
アニー=タイ語で 「これ」、メダイ=タイ語で 「駄目」 です。
タイ人工員にはちゃんと通じていて、神妙な面持ちでうなずいていたそうです。

同じ日系工場の、そこは鉄構品製造工程でしたが、日本人SVが仕掛品の鉄板にチョークでスケッチを描いて、タイ人従業員に要所を指さして見せて:

「ティーニーな、ティーニー、メダイや」

ティーニー=タイ語で 「ここ」 です。 これでやはり通じてるのです。

Aさんとはメールで 「英語談義」 をしていたのですが、なぜか 「大阪弁のタイ語談義」 になっていました。 「英語だと未熟なのを気にしてしゃべれないのに、タイ語だと未熟でもしゃべれるのは、どうしてなんだろうね?」 って疑問に変わっていました。

そんな疑問を追い駆ける前に、なぜ、こんな簡単に日本人とタイ人の間にコミュニケーションが成立してしまうのか観察してみましょう。 まず:

① 「これ」 とか 「ここ」 とか指さしながら話してます。 指さす現物がそこにあって会話が通じるのを助けています。 それと 「指さす」 という動作(ジェスチャー)も伝達の一部になっています。

②チョークでスケッチを描いてから指さしてます。 絵や図は 「話し言葉」 を補完するたいへん有効な手段になっています。 さらには生産現場には 「設計図」 があって、会話を補完する伝達手段になっています。
   (私がタイに居た1990年前後には、タイにはJIS規格みたいなものが無くて、図面の書き方や使われる記号などはJIS規格を借りていました。 だから図面は共通言語なのです。 今はISO規格が入ってきてるかも知れません。 JISとISOではかなり互換性があります。 CADの普及も 「図面の共通言語化」 を加速しています。)

つまり、製造現場の国際コミュニケーションは 「現物」 や 「動作」 や 「図面」 が助けてくれるので、ガチガチに言葉を身に着けてから・・などと構える必要はありません。 ただ、伝えようとする気持ちは大切です。 現物や図面やチョークを準備する気持ち、動作やスケッチで伝えようとする気持ちです。

そこで改めて 「なぜ未熟な英語には引けちゃって、未熟なタイ語は押し出せるのか?」 です。 Aさんのご意見は、「タイ語は出来なくて当たり前。 英語は中高で6年も勉強してるのに・・っていう負い目があるから」 というご意見でした。 私もそう思います。 それと、タイ語って、タイ人から聞いて・話して・・で入門するんですよね。 それがいいんじゃないかと思います。 (私の場合は、お雇い運転手がタイ語の先生でした。 バンコク名物の交通渋滞を逆手にとって、車内はタイ語教室に早変わりです。)
日本の英語教育は、なんか変です。 一生使いそうもないセンテンスから入る。 「(発音で)エルとアールを間違えたら英米人から笑われる」 とかって、初心者を恐怖心でモチベートしたがる。 本当は英米人だって間違えてるのに。 「笑われる」 だって 「プラス」 に転化できるのに。

こうして、タイのような非英語圏へ赴任した最初は、思ったよりスムースに現場に溶け込めて、技術指導も進みます。 社長さんは安心して送り出して下さい。
とは言っても、片言のタイ語だけで済む訳ではありません。 タイ人従業員から報・連・相を聞いてやらねばなりません。 やっぱり英語は必要です。 ただお互いに母国語ではない同志なので 「共に努力・工夫して向上する猶予時間」 が暗黙のうちに認められていると思うのです。 その向上猶予時間でどの様に英語習得を努力・工夫するかは、またの機会に。

では、また。

ご意見、お問い合わせは、松嶋まで。E-mail:BZL12657@nifty.ne.jp

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2012年9月16日 (日)

中小企業、新興アジアで2つのスマイル方法

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

「空洞化のウソ」(松島大輔著・講談社現代新書)を“読みかけ”ています。 全3章あるうち、第3章から読み始め、まだ読み終わってないのですが、紹介したくてたまらなくなりました。

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第3章のタイトルは 「『新興アジア』を活用した日本改造」 です。 その第6節のタイトルは 「日本に錦を飾る出世魚中小企業――下請構造からの卒業」 です。 その中に 「『お互いプロジェクト』とは」 、 「姉妹クラスターが集積メリットを持続させる」 、 「日本の中小企業の2つの笑い方」 という一連の記事があります。 この 「笑う」 ってのが 「スマイルカーブ」 の 「スマイル」 の事なんです。 「2つの笑い方」 が何と何なのかは読んでのお楽しみです。

中小企業は 「選択と集中」 で 「“選択されなかった部分を捨てる” なんて出来ない」・・ですよね、普通は。 その解決案(ソリューション)が 「スマイルカーブ」 に言寄せて書かれています。 ・・と言ったらこの本を矮小化してしまう。 ひとまわり大きい視野から 「新興アジア」 の動態環境(ダイナミズム)を見せてくれて、それに適応しようとする中小企業の行動を提案なさってる中に、そんな個別ソリューションも包含されている・・と言えば矮小化せずに伝えられたでしょうか。

私もこのブログで、「スマイルカーブ」 や 「バリューチェーン(縦・横)」 を企業モデルに使って、昨今の傾向や対策を述べてきました。 この本では大胆にも 「スマイルカーブ」 を食材にして“料理”しちゃってる。 とにかく示唆に富み、興味深い事柄が満載の本です。 お奨めです。

では、また。 

ご意見、お問い合わせは、eメール:BZL12657@nifty.ne.jp (松嶋)へ。

追伸: この本に出てきた 「(オールド)デリー地下鉄建設」 の話は、第1期PQ段階でからんだ事があったので、大変なつかしく、完成後の賞讃は初耳で嬉しく読みました。 プロジェクト管理ソフトを欧州好みの 「プリマベラ」 に指定されて、「インドはアメリカ志向じゃないんだ!」 と気付き調べたことが思い出されます。

追伸2: この本は、分析(analysis)も書かれていますが多分に合成的(synthesis, synthetic)、デザイン的、組立的、建設的です。 だから内容がトンガッテいます。 トンガッテるってことは凹んでいる所もあるからトンガッテいる訳です。 トンガッテいるところから学び、役立てましょう。

追伸3: <ブロガーによる背景説明> 「先月の貿易収支は赤字になったが、経常収支は黒字だ」 国際収支の報道で最近はこんな表現が頻発しています。

貿易収支(モノの出入り)+サービス収支(技術やソフト)+所得収支(配当金などの出入り)=経常収支

・・ですので最近は 「所得収支の黒字が貿易収支の赤字を帳消しにしてあり余る」 そんな状況が定着しつつあるって事です。 そうした 「近ごろの儲け頭」 の 「所得収支」 の中味って何なのか?  海外子会社からの配当金ブランド使用料、海外工場に供与した特許/設計図・技術指導/ソフトウェア等のロイヤルティ(ここら辺はサービス収支)といった収入で、元手は海外直接投資(FDI:子会社づくり)や知識・知恵・工夫で、これらの見返りです。 つまり海外に“荘園”を作って稼いでもらい、国内はモノ以外(知識集約型)を主流にして儲ける。 かといって 「相対的に」 であって 「モノ・ゼロ」 にしてしまう訳ではありません。 これを 「空洞化」 と言って嘆く必要があるのでしょうか? 「国境の存在・通貨のちがい(しかも円高)」 を活用している。 政府も 「海外からの受取り配当金への課税ゼロ(益金不算入)」 にして応援しています。

ただ、中小製造業が海外に単独で出て行くのはシンドイので、国内にある 「産業クラスター」 の“カタマリ”で出て行くのがオススメですね・・といった読解になります。

追記4: 2012-9-29 <GDPとGNP> GDPは国総生産、GNPは国総生産。 どう違うのかというと、大雑把に言えば、“荘園” からの見返りをどっちの国へ計上するか、です。
例えば日本の会社がタイに工場を作った場合、その工場から日本の親会社への配当金をタイへ計上するのがGDP、日本へ計上するのがGNPです。
フィリピンは出稼ぎ大国です。 フィリピン人がシンガポールへ出稼ぎに行きました。 フィリピン人の稼ぎをシンガポールに計上するのがGDP、フィリピンに計上するのがGNPです。
な~んだ、たかが統計の表示の違いじゃん。 「たかが」 ですが 「されど」 でもあります。 日本みたいに “荘園” 経済へ切り替わりつつある現在、GDP表示だと成長してるのに成長してないみたいに見えちゃう。 (“国”という括りが国境を意識してGDPを使いたがるのは分かるが、国境を越えた経済活動を表現しようとしないで悲観論をバラ撒くのは??)  勉強不足で国際派は傍流のマスコミも悲観的な論調になる。 国民全体がウツムキ加減になってしまう。 GNP表示にすれば 「明るい日本」 を表現できます。 どちらがいいですか? しかもアジア各国は 「日本企業よ、ウチへ来てくれ!!」 の大合唱です。 進出先国から嫌われてる国(企業)もあるなか、戦後営々と築いてきた 「善意のニッポン」、「中間層を産み出してくれるニッポン企業」 が理解されてきています。

追記5: 2013-6-22 <ベトナムに荘園を作った中小製造業3社> 先日(6/19)、東京ビッグサイトでの展示会 「日本ものづくりワールド」 のひとつ 「機械要素技術展」 へ見学に行って、「空洞化のウソ」 が推奨している 「中小企業の海外進出」 の典型例に遭遇しました。
バリューチェーンが隣接するA社・B社・C社が揃ってベトナムへ進出して業績を伸ばし、うちA社は日本国内の親元企業までが活性化している、という事例でした。 A社は金属&プラスティックの成形加工業、B社は表面処理&塗装&組立業、C社は成形品への印刷業です。
国内に居ると3社の関係は当たり前すぎてお互いに空気のような存在でしょうが、海外進出にあたっては改めて相互の緊密性と、企業としての独立性の双方を確認しあって意思決定したのでしょう。 「国内まで活性化」 は、マザー工場としてというよりも、難易度やロットサイズで国際分業 (ベトナム/日本) している様子です。
ここで、成功のポイントは2つ。 ①「空洞化のウソ」 で推奨している 「産業クラスター」 という程でっかいカタマリではないけれど、連携する3社で進出したこと。 ②海外子会社が国内親会社の営業拠点として機能していること、です。

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2012年8月26日 (日)

「ぶ厚い中間層」というコンピタンス、プライド

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

日Kの特集 「大学開国」 を読んで、「この論調、何かがちがう」 と感じていました。 少し日にちが経って、どこが 「ちがう」 のかが心の中で形式知になってきました。

結論を先に: 日本(のXX:例えば大学院)は中間層のぶ厚さを活かすべし。

ないものねだりを発想の原点にしては道を誤ります。 「ないものねだり」 は 「あこがれ」 と同類で、みずからの 「将来像」 にしがちですが、それではあまりに思考が直球すぎます。 戦略思考が必要です。 世界ではどっち向きの風が吹いているのか(Opportunity::機会)、そこで活かせる日本の強みは何か(Strength::強み)。 このの交点にあるものが“戦略”です。

島DU製作所の田中さんがノーベル賞を受賞したとき、お隣りK国の博士たちは大慌てでした。 田中さんは東北大学・工学部の学卒で、修士ですらありません。 ノーベル賞が欲しくてしょうがないK国では博士たちに期待とプレッシャーが掛かっています。 ライバルと思っている日本で大学院を出ていない学卒がノーベル賞を取っちゃうなんて、俺たち博士はK国民からこの先なんて言われるんだろう、と。 ことほどさように、修士だから、博士だからっていうんじゃなくて、それとは別のモチベーションと能力練磨と発揮の“しくみ”が働いて、ノーベル賞という実績につながっています。 その“しくみ”は田中さんの研究を支えた島DU製作所と密接に関わっているであろうことは容易に想像できます。 これが私が言いたい 「中間層パワー」 の典型例です。 そんな例は日本中にあります。 あちこち 「ミニ田中さん」 だらけです。

「あこがれ 即 将来像」 におちいり易い環境としては、日本のエリート社員・エリート官僚が若くして欧州に駐在するケースです。 欧州のエグゼクティブは 「日本から来たエリート」 として扱ってくれるのですが、貴族社会に接してその豊かさにびっくりし圧倒され、「ワインとダンス」 を本質だと見誤り、「日本はダメだ」 におちいります。 若すぎて社会構造のちがい、階層間流動性のちがいに気付かないまま帰国して、無意識に 「あこがれ」 をリーダーシップに織り込んでしまいます。 貴族のお屋敷へ招かれて見た壁の名画や豪華な調度品の数々。 日本だったら土蔵にしまってあって、そのうち季節や訪問客にフィットする一品だけをお部屋に飾るのですが・・、欧州の貴族は全部出して見せる、っていうか倉庫内を見せられてる。 だからと言って“下品だ”と極端に走らずに、あれはあれでその地域の社会・文化に適応しようとしているんでしょう。

世界の風: いま欧州は、特にユーロ通貨圏は経済不安に悩んでいます。 ヘッジファンドのファンドマネージャ達が夏のバカンスを終えてオフィスに戻ったらどうなる事か・・不安です。 スペインからアルゼンチンへ、ポルトガルからブラジルへ避難しようと社会移動が発生しています。 なんでこんなことになったのでしょうか? なんで今、アジアは隆盛なのでしょうか? どんな風が吹いているのでしょうか?

私はエンジニアの端くれで、経済学は外野席で又聞きですが、むかし大塚久雄という高名な経済史学者がいました。 彼の観察・理論に 「辺境の経済学」 というのがあるらしい。 「辺境には革新性があり、革新が経済の中心を移動させる」 という様な論らしい。 そう言えば経済の主役は、ペルシャ→トルコ→ギリシャ→ローマ→フランス→イギリス→アメリカと移り変わってきました。 ローマ時代のフランスはガリアでした。 イギリス時代のアメリカはフロンティア(未開地)でした。 ならば逆手をとって、常に辺境でありつづければ常に勝ち組候補です。 そして、革新性が駆動力になるので、過去の勝ちパターンは役に立たず、新しい勝ちパターンが創出されます。 したがって、辺境でありつづける“覚悟”と、革新を産み続ける未だ嘗てない(マネでない)“しくみの設計図”が必要です。

じつは、辺境であることは“覚悟”ではなく、日本の文化人類学的・地政学的なほとんど“宿命”でしょう。 そして設計図は、世界のトップ・リーダーを育てるのはアメリカやシンガポールに任せてマネせず、「日本はぶ厚い中間層を育てることで世界の革新を引っ張る」 という戦略です。 いかがでしょうか。 日本に集まって育った中間層(ミニ田中さんたち)が蜘蛛の子を散らすように世界に散って活躍し、それを見た若年層がシャケの様に日本へ帰ってきて再び中間層へと増殖する・・なんて、愉快で平和で・・。 現在のアジアの繁栄は、日本企業によるアジア進出をつうじて中間層モデルをばら撒くことでご当地を動機づける・・による好循環が少なからず貢献してきたと考えます。 ヨーロッパでは逆にデバイド(二極分化)が進んでしまったのでは。 教育は(累進税制とともに)デバイドをシャッフルする最も有効な「仕掛け」です。

では、また。

ご意見、お問い合わせは、Eメール: BZL12657@nifty.ne.jp

追伸: 富裕層は 「富裕層が富裕であり続けるルール」 を作りたがり、これが欧州の階層間シャッフルを妨げ停滞を招いたと思われます。 日本では 「二世議員」 の存在がこれに似ています。 政治団体の相続に相続税を課税しないなんて 「お手盛り」 っぽくて、欧州の凋落の轍を踏んでませんか?

追伸2(2012-11-23): 気になったので各国の 「ジニ係数」 を調べてみました。 「ジニ係数」 とは、その国民の所得格差を表す指標で、数値が小さいほど格差が少なく、格差が最大のとき1になります。 ちょっと古いデータですが、OECD諸国の 「ジニ係数」 がありました。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4652.html
これに拠ると日本は格差がやや大きい方です。 日本より格差が少ない国に、フランス、ドイツ、韓国があります。 日本より格差が大きい国にはイギリス、アメリカがあります。
「ぶ厚い中間層」 の記事の根拠が怪しくなりました。 「ジニ係数」 はフロー概念ですが、私の感覚はストックなのかも知れません。 もう少し考えさせて下さい。

追伸3(2013-5-10): 「中国の最終ジニ係数が0.6を越えている」 というネットサイトがありました。 四川省の西南財経大学が調べ2012年に発表された四川省だけを対象にしたデータです。 (中国全体のジニ係数は2001年から公表されなくなった) この数値が示す意味はご自分で調べてください。 とばっちりを喰らわぬよう、リスク・マネジメントやBCPが必要かもしれません。

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2012年6月11日 (月)

カタカナで英語はアリ。でも「大ナミック」や「透けルトン」はナシ

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

さて、工業英語の話題から。 壮大な光景をみて 「ダイナミックですねぇ」 というのは間違いです。 同様にして、シミュレーションをシュミレーションと言うのも間違いです。 

しろうとが間違って言ったり、はなし言葉だけだったら見逃していたのですが、国営放送のアナウンサーやフリップの書き物で間違えて(民間TV)いたので、ちょっと言いたくなりました。

ダイナミックというのは 「動的」 という意味で、スタティック(静的)の対語(ついご)です。 ただし静止していても動きが感じられるものには使えます。 例:「この仁王像はダイナミックですねぇ」  ダイナミックの「ダイ」の箇所に無意識のうちに 「大」 の字をハメ込んじゃってるんだと思います。 (これを見た友人が 「“透けるトン”って誤解もあるぞ」と・・。) 日本人どうしなら“ほほえましい”で済むのですが、昨今は日本語ができる外国人が増えてきたので・・。

シミュレーションは元の英語が simulation です。 私は 「英語をカタカナで書いて覚えるのはアリ。 ただし子音で終わる語、音節(シラブル:syllables)に配慮を」 のポリシーです。 「シミュレーション」 とカタカナにした挙句に言い換えて 「シュミレーション」 とするのはナシです。 御社が苦労して海外工場進出した東南アジアでは、お互い英語圏のネイティブではない同志で、あやふやな発音でもお互い理解しあおうとする受容性があります。 だから駐在員が現地従業員をOJT (On-The-Job-Training: 実地訓練) する英語でビクビクする必要はありませんが、その受容性に甘ったれ過ぎてはいけません。

<リズムをつくる音節、そしてカタカナ表記> 例えば、アメリカ東海岸に 「フィラデルフィア」 という大都市があります。 これを英語で書くと Philadelphia です。 音節(シラブル)に分割すると Phi-la-del-phia になります。音節1個分が音符1拍分のリズムで発音します。 (ただし最後の phia はダブル母音で1拍半です) ここで問題は del をカタカナの一音節でどの様に表現するか、です。 l(エル)を脱落(ドロップ)させます。 それやこれやでカタカナ表記は 「ヒロドキア」 となって、英語に近いリズムになり、聞きとってもらえます。 カタカナで書いたとおりに 「ふ・い・ら・で・る・ふ・い・あ」 となぞって発音すると、リズムが全く異なって聞き取ってもらえません。 音節(シラブル)が 「通じるリズム」 をつくります。

では、また。 eメール=BZL12657@nifty.ne.jp

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2012年5月21日 (月)

電力単価が上がる時間帯、人々はどう動くか?

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

強いから生き残るんじゃない、環境変化に適応した生物が生き残る、企業も同じ・・・と言われています。
この夏、自社内の節電をどのような対策で乗り切るか、と防衛もしっかり Plan, Do, See したいものですが、“節電を追い風にできないか”と攻めの発想も必要ではないでしょうか? 風が吹くと桶屋が儲かる。 なら桶屋になりましょう。

1990年代初頭のころの体験です。 サウジアラビアの首都リヤドで停電が起こると、交通渋滞が発生しました。 交通信号が止まるから? それもありますが、交通量が爆発するんです。 なぜか? エアコンが効く車が逃げ場になるからです。 涼を求めて一斉にドライブに出掛けるわけです。 そう言えばサウジで “日本車はエアコンが良く効く” と好評でした。 そういう時の車のイメージは4WDのゴツイやつです。 日本車はエアコンのスイッチを入れるとアイドリングが少し高くなって発電量を補いますが、アメリカの4WD車はエアコンを点けたら走り回らないとバッテリーが放電してしまうみたいな評判でした。 今もそうかどうかは存じませんが・・。

今年の日本の夏は停電でなくて節電で、サウジとは違うので、人々がどんな行動を取るかも違うでしょう。 自社のお客様、またはお客様のお客様はどういう性格で、節電の場合にどういう行動を取るだろうか?について社内で知恵を出し合ってみてはいかがでしょうか? 時間帯節電を追い風にしてビジネスにまで繋げられたらベストですが、ひょっとしたら自社のお客様筋の性格・思考パターン・行動パターン・価値観を分析・共有するのに良い機会になるかもしれません。 それが共有できていれば、次に来る変化がビジネスチャンスになるでしょう。

13時から16時まで図書館が混むだろう。 デパートに涼みに行く人が増えるだろう。 ・・・消費財ならその調子で深めていって、自社の強みとの接点を探ります。 当ブログの1つ前で書いた「企業でのシエスタ(昼寝)」が普及すると読めば、「ころころマット」が“桶屋”になるかも。

中間材・生産財の場合は、因果の連鎖(風~桶屋の連鎖)が長くなりすぎて、相関が定かでなくなってしまいそうです。 ふだんのお客様(のお客様)の行動パターンを発想の起点に置いて、世にある節電製品のすぐ隣のニッチを狙うなど。 お客様を念頭に知恵を出し合う場(ば)が出来上がるだけでも無形の財産です。 自社のアイドリングをちょっとプル・アップしませんか。

では、また。

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2012年5月 4日 (金)

減損を避けて再稼働?

ここ2~3日テレビの番人をしていたお陰で、関X電力が大X原発を再稼働したがる理由が分かってきました。 どうやら、原発が 「もう使えない」 となると資産評価を 「クズ鉄」 扱いにせざるを得なくなってしまい、巨大なマイナスを発生させねばならなくなるから、らしい。 国際会計基準による減損会計ってルールですか。 これに対して経営陣は会社法の 「善管注意義務: 善良なる管理者として注意を払う義務」 を株主に対して負っているので、やすやすとは 「不稼働」 に乗れない、・・といった事情かな?と。

ここでは 「事例から学ぶ」 ことにして、論評は控えましょう。 経営陣にとっては、国際会計基準の 「減損会計」 と会社法の 「善管注意義務」 の板挟みになっている。 上場会社ならではの 「板挟み」 で、株主=経営者のオーナー経営が多い中小企業ではあまり見られません。

板挟みからの脱出方法はいろいろ考えられます。 減損会計の成立要件を崩す方向性と、善管注意義務の側で努力する方向性、両方を組み合わせる方向性と。 それぞれの方向性で脱出方法オプションを並べたとき、どういう基準で選択するかで企業の未来が選択されます。 選択基準が 「企業ビジョン」 であれば、変わるチャンスになるかも知れません。

経営では全事象を、経営が無力な「外部環境」と、影響力を及ぼせる「内部環境」に分けて考えます。 「外部環境」とはお客様や世間の動向です。

電力業界は永らく経済産業省・資源エネルギー庁の地域独占政策に守られてきましたが、世界の大きな潮流は「発・送電分離」のトレンドです。 この大きな潮流を電力会社や電力業界の意思で変えることはできないでしょう。 NTTはかつて戸別の 「時間通話料」 でかせいでいましたが、いまやインターネット・プロバイダや携帯電話会社を大口顧客とした 「回線レンタル料」 でかせぐ “回線卸し売り” ビジネスモデルに変わりました。

電力会社もNTTに似たビジネスモデルの転換がやってくると予想できます。 そう、スマート・グリッドなどの。 (電力売買は今もあるけど、条件が狭いらしい)
スマート・グリッドは、「車のバッテリーを電力需給のバッファーに使おう。チリも積もれば大容量になる」 という発想です。 あまりに理念的で、その前に数段階のトライアル・モデルが実現して、そのまま固定するかも知れません。
 (そう言えば、Chademo接栓は米国に選ばれず残念でしたね。 技術(シーズ)オリエンテッドと顧客(ニーズ)オリエンテッドの根本的な差異があったのかな。 それとも米業界がアンチ日本で頑なに纏まったのかな。 だったら「ちいせえ」な、の印象です。)
そうした 「外部環境」 の先行きを読んで、企業の未来をオプションから選択し、「内部環境」 を「善管注意」でマネージします。

発送電分離になったときの価格決定は、これからは普通に市場メカニズムでしょうね。 日経新聞に 「昨日の電力相場」 が載るでしょう。 インバーター出力の 「波形の質」 をうるさく言う顧客をセグメンテーションするんだったら、B級グルメならぬ 「B級電力」 みたいなのが生まれるでしょう。 「こちら、波形はイマイチですが、お安いですよ。天井クレーンにはこれで十分ですよ」 なんて時代がすぐ来るかも、市場メカニズムで。

(ここだけ2012-5-30加筆) 本日の日経夕刊によると、経産省は 「電力の先物市場の創設」 を検討している、また 「発送電分離で具体的な制度設計」 を進める、という記事が載っていました。 いよいよ独占経済でなく 「普通の市場経済」 になりそうですね。

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それにしても、関西の受給バランスはほっとけないですね。 要は“ピークカット”ですから、高校野球(甲子園)のピークを外して、午前中と午後4時以降にしてナイトゲームもアリにしてはいかがでしょうか。
ついでに、企業のシエスタ(昼寝)も。 台湾・台北の昼休みのオフィス風景は、デスクとデスクの間に幅狭のゴザをコロコロと広げてあちこちゴロゴロ、食後1時間グッスリ。 だから昼休みは1.25~1.5時間ぐらい。 パッチリ目覚めたらバリバリです。 日本では、ゴロゴロをもう少しオシャレに、梅雨明けから秋の彼岸までの期間限定、かな。

では、また。

ご意見、お問い合わせは、メール: BZL12657@nifty.ne.jp

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追記: 福島事故の教訓が反映できていないうちは、法律上の権限がどこにあろうと再稼働して欲しくありません。 あれだけの巨大な犠牲から教訓を反映できないうちは、避難している方々に申し開きができません。 少なくとも、福島によって、原発事故は自然災害と人為ミス(安全施設への投資を怠った不作為の人為ミスを含む)のAND条件で発生する“確率の問題”と実証されたのですから、「政府が責任を持って・・」 の意味する実態・裏付けが不明というか空虚です。 事故発生によって 「絶対起こしません」 の根拠は失われ空虚であり、好意的に解釈しても 「もう一度原発事故が起こったら公務員の命と税金で鋭意復旧します」 って意味と理解されます。 税金は、足りなきゃ増税する元々国民のカセギが源泉で、政治家の非論理的で無責任な “責任もって” 発言の “質(しち)” にして欲しくありません。 公務員(消防士など)の命だって政府の持ち物ではありません。

「原発を動かさないんだったら値段を高くするぞ」 ってのに対しては前述の市場メカニズムで。 原発を安く見せるためか、油をわざと高く買っていた節が見受けられて、言われている単価が信用できません。 とりあえず有価証券報告書かな。
「電力のバランスはどれがいいか」 を有識者を集めて諮問するなんて、あのケインズ先生に言わせたって “ガラパゴス” でしょう。 「競争市場にすれば最適なバランスに納まるもんだよ」 と草葉の陰で苦笑していることでしょう。 つまり、未だに共産主義をやってるから 「発電のバランス」 が “インプット” なのであって、市場経済にすれば 「発電バランス」 は “結果・アウトプット” にしてしまうことができる。 経済産業省の官僚ならエリートでなくても誰でも知っていることです。 ただし、“原発のお便所コスト≒19兆円の請求書” をちゃんと原価に賦課し、競争条件をフェアにしたうえで、ですが。

福島で原発事故は確率の問題と判ったのですから、「原発事故発生を前提とした防災訓練」 をおおっぴらに実施できるようになったのです。 まだ実施された報道を聞いておりません。
昼夜・交替制で勤務する原発従事者(2交替なら半数が、3交替なら66%の人員が勤務時間外にある)を、事故発生と同時に速やかに緊急召集し、臨時の指揮系統を作り、A班・B班・・毎に事故対処任務を配分する。 こんなことは何回も訓練しなきゃ、スムースにできるようになりません。 例えば、緊急バックアップ発電機ひとつとっても、エンジン始動キーは何所にあるか、本当にそこにあったか、始動キーの所在を知っているのは誰と誰か、その人々はうまく交替制に配分されているか、発電エンジンの燃料は十分か、エンジンは本当に始動したか (燃料は時々流さないとドロッとした成分が沈殿して不調になります)、出力電圧は十分か、電源供給先の受け口コンセントは津波で水没してないか。 実地訓練してみて気付くことは多々あります。 本当の事故になってから気付くのでは遅すぎます。
“責任を取る” とは 「そこまでヤルか!」 を実際やることではないでしょうか。

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追記2: あるネットサイトを見ていたら、“東X電力の原発でISO9001<品質マネジメントシステム:QMS>の認証を取得できているのは柏崎刈羽だけ” となっていました。 裏は取れていません。 柏崎刈羽だけとは言え、もしISO9001の2000年版以降が維持できているのであれば、「スパイラル・アップ」 条項(たゆまぬ改善を繰り返すマネジメント規定)も満足している筈ですので、上記の実地訓練ができているかも知れません。 “ISOなんて・・” と言う人もありましたが、こういう場面で地道な努力を続けてきた現場の人々と、その寄る辺であるISOを再評価して欲しいものです。 「こういう時のために延々と粛々とISOをヤッテきたんじゃなかったのか」 です。 これだけで即 「再稼働」 にはなりませんが、評価基準として “立派に使えるひとつ” ではあるでしょう。

追記3: (2013-10-12に書いています) 昨日(10/11)の日経夕刊に 「川内(せんだい)原発で防災訓練」 の記事が載っていました。 大量の放射性物質が外部に拡散された想定での総合防災訓練、11~12日の2日間、130機関・3,300人が参加・・となっています。 おおっぴらに想定外を想定できるようになりました。 進歩です。

反省しましょう。 なぜこれまでおおっぴらに 「悲劇を想定した訓練」 ができていなかったのか?
そして、二度と同じ轍(=悲劇を想定できなかった)を踏まないためにはどうしたら良いのか?
悲劇につながる因果の連鎖は長くて、どこで断ち切っても悲劇は防げます。

この反省プロセス、じつは 「戦争の防止」 にも使えるだろうと思っています。 「二度と戦争はしない」 と言いながら、“戦争の悲惨さ” ばかり語り継がれて、未だに第二次世界大戦に突入した因果連鎖の解明に手を付けていません。 原因をほったらかしにして平和だけ求めても裏付けになりません。 そろそろ進歩したいものです。

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2012年3月24日 (土)

「世界がもし100人の村だったら」考

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

母校からOBへの広報誌のページを繰っていたら、ミュージック・セキュリティーズというファンド運営会社の若い社長さんが紹介されていました。 ミュージック・セキュリティーズは東日本大震災の直後から、被災企業へ向けた「半分寄付、半分投資」のファンド募集が報道されていましたので、注目もし、尊敬もしていましたが、一世代も若い方が社長さんとは存じませんでした。 そこで連想したのが、「世界がもし100人の村だったら」というベストセラーを引用した中小企業白書2003年版です。

そこには 「1人の社長と99人の部下」 と 「100人の自営業者」 のどちらが良い社会になるだろうか? という投げ掛けが為されていました。 こういう極値を使った思考プロセスは、数学ではよく採られますが、誤解リスクを遠ざけたがるお役所には珍しく、強く印象に残りました。 ここでは 「100人の自営業者」 を創出して価値感の多様な社会を作っていく方向性が選択されています。 そうして多様な企業がつぎつぎ生まれる中に、ミュージック・セキュリティーズも生まれてきたのでしょう。 ブラボー、あんときの中小企業庁!・・です。

私が学んだ頃は 「マイクロ・キャピタル(小さな資本性資金)」とか 「マイクロ・キャップ」 と呼んで、その代表は 「グリーン・シート制度」 でした。 今どきは 「マイクロ・インベストメント」 みたいな言い方をするらしいです。 最近の日本には一人一人が労働者でもありながら資本家でもあるヒトが増えてきたようです。 スポーツや芸術でいう所の“大向こう”とか“谷町筋”とか“パトロン”とかみたいに、お小遣い(リスク度を承知のマネー、プライベートエクイティ)を出し合ってお気に入りの贔屓先(応援したい被災企業とか、応援したいミュージシャンなど)を応援する、というプラットフォームが育ちつつあるように感じます。 お金に心が込められて、うれしい事です。

では、また。 メール:BZL12657@nifty.ne.jp

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2012年2月 4日 (土)

「下町ロケット」の特許弁護士のモデル

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

昨日(2/3)、パシフィコ横浜で開かれたテクニカルショウ ヨコハマに併催のセミナーで「中小企業の海外展開」と「中小企業の知財戦略」を学んで参りました。 「知財」の基調講演はS弁護士という方で、「下町ロケット」に登場する特許専門の神谷弁護士のモデルになった方でした。

この神谷弁護士ならぬS弁護士の基調講演のご主旨は 「知財は経営課題を解決すべきもの」 とされ 「市場軸・特許軸の二軸マーケティングでターゲット設定を」 とお聞きしました。 私はこのブログで以前に 「これだけアクセスが多い特許データベースはマーケティング手段に使えるのでは」 と書きました。

http://route16c.cocolog-nifty.com/matsushimaielab/2011/01/post-77f3.html

S弁護士のご主旨は、さらに「MOT経営戦略の構築手順」へまで踏み込んだご提案とお見受けされ、私の論の具体性がグンと増しているようでもあり頼もしいです。 こんな事を言うのは、一部の知財関係者と話すと手段が目的化してる気配が感じられ、噛み合わないことがあるからです。

特許を活かした中小企業経営で経営者が心配してるのは、その特許が取得費と維持費に見合う収益が有るかどうか (コストパフォーマンス) ではないでしょうか。 上記のご提案(ターゲティング特許:仮称)は特許の休眠を減らす効果もあるでしょう。 一方で最近の傾向として 「技術資料を公証人役場へ持ち込んでタイムスタンプを貰い、先使用権の確保(防衛)のみ」 という企業にも複数出くわしました。 これですとグッとお安くなりそうです。 ケースバイケースで多様な考え方や選択肢(オプション)があるようです。

*****

もうひとつのセミナー 「中小企業の海外展開」 では、タイとインドネシアとベトナムの状況が報告されました。 タイは洪水被害が無かった工業団地、インドネシアは現地パートナーの選び方、ベトナムは工業団地といえどもインフラが整備されてるのとされてないのがあるって話、などが参考になりました。

「日本のものづくりの空洞化」 なんて話題は (一応、話のマクラには使われますが) 置き去りになっちゃってる印象でした。 私の見聞では、中小工場の海外進出といっても、だいたいは 「日本の工場をたたんで海外へ」 ではなくて、「日本も海外も」 だし、「量産は海外で、日本の工場は多種少量対応と海外工場向け量産設備の開発<マザー工場>に変身」 みたいなのが多いです。 実態は“空洞化”とはチョット違いますし、その先にある課題認識のズレが心配です。

では、また。 

公開のご感想は「コメント」へ。
非公開のご意見等は、E-mail: BZL12657@nifty.ne.jp

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追記: “空洞化とはチョット違う”と申しました。 どう違うのか。 バリューチェーン(価値連鎖:企業内プロセス毎の付加価値の動態) を思い浮かべて下さい。 くだんの 「海外工場向け量産設備の開発」 という機能はバリューチェーンの何処に位置付けられるでしょうか? 「・・の開発」 ともども 「多種少量生産」 が海外へ流出しづらい理由は何故でしょうか? 何故?何故?何故?と、トヨタ方式で何故を何回? 本質が見えてくると、企業の戦略、産業政策の戦略が見えて来そうです。

追記2: 「下町ロケット」に関連し、下記の記事にもお立ち寄りくださいませ。

http://route16c.cocolog-nifty.com/matsushimaielab/2012/01/post-f7e0.html

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2012年1月23日 (月)

知的財産権活用フォーラムに行って参りました

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

今日、お台場で開かれた「国際知的財産権活用フォーラム2012」に行って参りました。 昨年のとは模様替えしてました。 と言うのは、前月(と言ってももう去年)の12月6日には北京で開催し、次がこの1月23日東京・お台場で、3つ目が来月2月22日にバンコクだそうです。 そういう意味の模様替えでした。 興味がある方は「INPIT」でググッてみて下さい。

韓国のS電子が有機ELで日本企業を出し抜いた経緯が良くわかりました。 日本企業の1社も特許技術の受け皿にならなかった。 ただ、このライセンスは専用実施権ではなく通常実施権だという事です。 研究者いわく、“研究ってのはロック・クライミングみたいなもので、頂上に立ってみると自分が登ってきたルートがベストじゃなくて、もっといいルートがあった事に気付きます。 でも、研究者の興味は次の峰に移っていて、気付いたもっといいルートを辿って再び登ることはしません。”・・だそうです。 つまり、もっといいルートを改めてトライするのはその特許の実施権を得た企業の確率が高いだろうな・・となります。 当然、裾野の特許でも先行すると予想されます

ちょうど今、ラスベガスで開催されている Consumer Electronics Show (CES) の報道を見ていると、有機EL はまだまだ “State-Of-Art” というか “上澄み(スキミング)プライス” ですね。 チャンスはこれから・・かも。 ただ “志” が無いと先行する特許マップの陣取り合戦では “勝負あった” になっちゃいますけど・・。

「中国の某企業を相手に特許侵害訴訟を起こすのに、先ずは米国で提訴してから中国で提訴して、牽制が効くようにした。」・・という事例の報告がありました。

「うちは“下町ロケット”と同じで、うちからしか調達できないのに大企業から継続取引の契約を渋られた。」・・という事例もありました。

「関連する幾つかの特許を束ね(バンドル)ても、纏め上げる企業になかなか出会わない。」・・という事例もありました。

どの事例も言いっ放しでなくパネリスト双方向のヤリトリがありました。 生産財マーケティングの視点(ニーズ視点)からは、シーズ側のエッジ状況はヒントになりそうな事が多いです。 スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学スピーチでいう所の 「未来の点と点をつなぐ」 って事になるんでしょうか。 私も未来の点を“見よう”と心掛けたいですね。

では、また。

E-Mail: BZL12657@nifty.ne.jp

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2012年1月21日 (土)

金属加工の凄い技術を知りました

idec(横浜市の産業支援機関)が主催する金属加工研究会で、凄い技術があると知りました。 精密金属加工を普通の工作機械で実現してしまう。

例えば、加工の途中でツール(エンド・ミルやドリルなど)を交換(ATCで)すると、同じ入力数値で切削しているのに微妙な段差ができてしまいます。 その原因であるツールの「振れ」を3つの要因すなわち「すりこぎ状の振れ」「同芯状の振れ」「機械の振動」に分けて検出し、それぞれに対策を読み込んだ(フィードバックした)加工制御をおこなうことで、高精度加工を実現する、そんな凄さでした。 しかもその「仕組み」を工作機械へのアタッチメントとして商品化してしまった。 (ところどころ特許(申請中)で押さえてあります。)

学んだところ、ひと昔前までの精密金属加工の要求精度は±10μmだったのですが、最近の要求は「+0、-5μm」という様に変わってきた、とのこと。 この要求精度だと、レーザー計測器の光束(プローブ?(触診))の太さによる計測結果への影響までも考慮しなければならなくなるとのことでした。 (ツールの尖端位置がレーザー光束の太さで誤差がでる。そこまで高精度か!)

これで「コスト・ダウン」になるというのですが、因果が見えますか? ヒントは、ツール(刃物)の折損頻度、それに気付いて交換する迄の時間ロスに関係します。 「振れ」が無くなるとツールの折損が極僅少になる。 あ、言っちゃった!! 放置すると工作機械が「おしゃか製造機」になっちゃうんですよね。

では、また。

更なる詳細はお問合せください。E-Mail: BZL12657@nifty.ne.jp

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2012年1月20日 (金)

「下町ロケット」と「コブ・ダグラス生産関数」

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

「下町ロケット」を読みました。 感動の余韻が残っています。 フィクションですから 「あるある」 という箇所と 「ないない」 という箇所があるのは受け容れるとしてもなお、グッと心に押し寄せるものがあります。

ストーリーの中に、メイン・バンクの支店長が主人公(町工場の社長)に 「銀行に(融資先の)技術は判断できない」 「融資というのはビジネスだ」 と言うくだりがあります。 つなげると 「銀行が行っている融資というビジネスの範疇に(融資先の)技術を考慮することは不可能だ」 という言い分になります。 技術といっても基礎から最先端まで多様です。 でもハナから諦めてかかるのはいかがなものか。 地元密着の地銀の、しかも大田区の支店長の発言としては 「ないない」 と思いたいところですが、「ひょっとして・・」 と思わないではありません。 見方によっては、理系人は文系人をどう理解するか、の課題かも知れません。

この銀行の支店長は経済学を学んだと仮定して、経済学では 「技術」 をどういうふうに見ているいるのでしょうか? 私が知っている唯一は 「全要素生産性」 という概念です。 これは 「成長会計」 という計量経済学の一分野に現れます。 この 「全要素」 の少なくとも 「一要素」 は 「技術」 です。(個人的には「一要素」どころか「ほとんどが技術」と思っています) その 「成長会計」 は 「コブ・ダグラス生産関数」 という理論を基礎にしている様にお見受けします。

「生産は資本と労働で為される」 という仮説でできてる 「コブ・ダグラス生産関数」 は:

 Y(生産量)=A(ある定数)×L(労働力)**α × K(資本)**β   但し、αβ=1

です。 (**は指数演算、何乗ってヤツ。 この方程式には変数がL(労働力)とK(資本)の2つあり、関数のY(生産量)を含めると3次元じゃなきゃ表わせません。 2次元の紙の上で表すためにある操作をします。)   そうして「労働力」と「資本」を温存して再合成した方程式を、横軸(X軸)変数に 「L::労働力」、縦軸(Y軸)変数に 「K:資本」 というグラフ用紙に描きます。 こうして描かれたグラフが 「等生産量曲線」 です。 この曲線は、第1象限のみで原点に凸、X軸とY軸が漸近線となる曲線になります

この等生産量曲線に経済学者が込めた思いは 「労働集約型と資本集約型のバラツキはあるだろうが生産量が一定なら全ての産業単位(企業や業界)はこの曲線の上にプロットされる筈だ」 と考えたのでしょう。 しかし実際にデータを集めてプロットしてみると、一つの曲線上には並ばなかった、・・のではないか。 どうやら生産は資本と労働だけが変数じゃないらしい、と経済学者は気付いて、つじつまを合わせる為に 「その他」 を用意した。 その「その他」に付けた名前が「全要素」だった、・・のじゃないでしょうか。

「全要素」 と言っても 「資本」 と 「労働力」 は抜けた「全要素」ですので “all” ではありません。 “total” です。 total-factor-productivity です。 total と all がどう違うかは辞書を調べてください。 total の動詞を見ると納得できます。 私は 「その他要素生産性」 と訳しておいてくれたら、後から学ぶヒトを迷わせないで済んだのになあ!と感歎します。

「その他」 にしても 「全要素」 にしても中味が何なのかを言ってません。 想像するっきゃありません。 生産に影響を与えて、しかも労働力でも資本(広義の設備や運転資金)でもないものとは何なのか? 前述の様に答えの一つが 「技術」 であることは間違いないでしょう。 ただ、それだけじゃなさそうです。 最近はやりの 「ビジネス・モデル」 なんかも入りそうです。 「マーケティグ戦略(無形資産の“ブランド”含む)」なんかも。 なにせ経済学が言う「生産」には「up to 市場価格」までは含まれていますので、競争優位で構築された市場価格も「アリ」です。 (余談: 市場価格を超えた領域は「消費者余剰」で、ブータンの王様がおっしゃる「国民総幸福(GNH)」の領域になります。 「お値段以上のしあわせ」で、経済学ではフロンティア(未開拓地)だったと思います。)

私の知見の範囲ではありますが、経済学を学んだ人が理解している 「技術」 は 「生産量を上げる資本以外、労働以外の要素」 でした。 可哀そうに「下町ロケット」の銀行は町工場から忌避されてしまいました。  (そして町工場の資金調達はデット(借入金)からエクイティもどき(転換社債)へと入れ替わりました。)  最近は文科系のほうがパソコンやネットに詳しかったりするので、実態は刻々と変化しています。 ある工業薬品専門商社(東京・日本橋)の社員の多くは文科系出身ですが、半導体素材で東南アジアの顧客をガッチリ掴んでいます。 原発報道の時のブログ 「被爆でなく被曝」 にも書きましたが、みずから必要を感じて勉強するかどうか、・・に懸かっているように思われます。

では、また。

e-Mail: BZL12657@nifty.ne.jp

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2012年1月 6日 (金)

世界がガラパゴスに追い付いてきた

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

昨日(12-1-5)のNHKでベンチャー企業(株)モルXX(東証マザーズ上場)の社長さんが 「世界がガラパゴスに追い付いてきた」 という主旨の発言をなさってました。 私と同じ意見なので嬉しかったです。

平和ボケだからこそ、ワガママな秋葉原のオタクだからこそ、渋谷のギャルだからこそ、お客様が神様だからこそ・・成立するニッチな商品コンセプト。 そうしたマーケット・ニーズは日本でしか感じ取れないすごく尖がっていて貴重なマーケット環境です。 そこを起点とした産業は空洞化なんて なりようがないんじゃないでしょうか? 例えば、携帯電話で名刺をヤリトリする赤外線通信機能。 例えば、携帯電話で自動改札を通る料金決済機能。 どんなにガラパゴス・チックか! そして、一歩遅れて世界が目を付ける。 追っ駆けコンセプトのグローバル・スタンダードが何ぼの物じゃ。 ガラパゴス、頑張れ!

面白くなって来ましたね。 今どきの若いモンは・・エライ!!

*****

ガラパゴスだらけ、ガラパゴスのカタマリなのが、VICSカーナビやETCなどで代表される ITS:Intelligent Transport Systems (高度道路交通システム)分野ではないでしょうか。 ITSはヨーロッパ勢とISO等で協調しながらも、結果的に日本が突出してしまいました。 日本は道路交通情報インフラを営々と構築してきたのです。 日本企業によって膨大な量の関連特許が押さえられ、やがてグローバル・スタンダードに追い掛けられるであろうガラパゴス技術群が出番を待っています。 加速度センサー(または加々速度センサー)などは既にスマホやゲーム機に転用されている様です。

報道の又聞きですが、カーナビをやってる関西家電某社がタッチパネルを駆使した携帯電話を アップ〇よりずっと前に計画したけど、エライさんの会議で却下されちゃった、って。 ガラパゴスなればこその強みなのにね。
エライさんにマーケティング感覚が欠けていて、僅かのリスクがテークできなくて折角のボトムアップが生かされない。 上層部が業績の足を引っ張るのに貢献してる。 上層部が市場と対話できないこの状況を 「組織的うつ病」 と言った人がいました。 入社してから何の失敗もせずに昇進した人達ばかりの役員会・・かな? 「事件は会議室で起きてるんじゃない!」 ですよね。

VICSナビを組み込んだ中古車が外国で売られているかも知れません。 交通情報インフラ側が無い国では役立ちません、普通に発想したら。 逆転の発想、ありませんか?

では、また。 メール:BZL12657@nifty.ne.jp

追伸: 2012-9-25に書いてます。 iPhone5が発売されました。 対抗勢力も頑張ってます。 やっぱりガラパゴス携帯が今後のスマホのベンチマークになってる様ですね。 トップランナー(=ガラパゴス携帯)は真似できないから、発想を大切に育てましょうね。 部屋に閉じこもってたら発想が煮詰まっちゃう。 秋葉原へ行こう。 渋谷へ行こう。

追伸(2012-11-25): iPhone を 「官能財」 と呼んでいる記事に出逢いました。 東洋経済オンラインで冨田氏の記事です。 これはいい! と思いました。 「スティーブ・ジョブスによって携帯電話は官能財になった」 みたいな言い方です。
商品企画マンが、日頃から周囲に説明しづらくてモヤモヤして隔靴掻痒だった概念に適切な“コトバ”が与えられた印象です。 例えば 「我が社の製品を官能化する」 などとと言えるわけです。 「機能を追究する」 と同様に 「官能性を追究する」 なんて言い方もできます。 日本の企業は一旦方向性を与えられると、その先の推進力は凄いですから。 “コトバ”って大切ですね。

追伸: 2016-9-9に書いています。 日経昨日(9/8)の夕刊に 「新iPhone7の日本向けがフェリカ対応になる」 という主旨の記事が載りました。 いわゆる 「おさいふ携帯」 ですね。 これで日本の鉄道系電子マネー・SUICAやPASMOの機能が付いて、やっとスマホがガラケーに追いついてきました。 何年遅れだろう? もちろん対応コンビニでも使えます。
フェリカは日本のソXX社の商品名だったと思います。 商品といっても実態は殆どが 「金額を無線で決済する固有の通信フォーマット」 つまり 「ソフトウェア」 で、「ICチップ」 という形態を取っている様ですね。 香港のオクトパスで最初に使われた様に記憶します。 これも 「made with JAPAN」 ですね。 世界のどこかでスマホが売れると、日本の会社が儲かる。 風が吹くと・・・。

(2018-11-19追記)これって近ごろの言い方では「Apple Pay」って言ってます。 採用されたSUICAの決済プロトコルが世界進出するかも知れません。 やがて世界標準になるかも。 ガラパゴスから世界へ。 すなおに嬉しいですね。

追伸: 2016-10-4に書いています。 日経昨日(10/3)に 「NASAも羨むガラパゴス」 という記事が載りました。(画像をクリックすると拡大し、読めます。)

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               (被写体に感謝します。)

ハーバード大学の 「経済複雑性指標」 で日本は一位の常連であり、ここ15年連続一位だそうで、すばらしいガラパゴス振りです。
あれからウン年、「ガラパゴス」 が褒め言葉、更には 「誇り」 に変わりましたね。

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2011年12月15日 (木)

薄膜分析測定を勉強して参りました

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

本日(12/15)、KSP(神奈川サイエンスパーク:産業インキュベーション施設)にあるKAST(神奈川科学技術アカデミー)主催の「KAST分析セミナー」で、2種類の薄膜分析測定システムを勉強して参りました。 1つは「蛍光X線分析装置 SEA6000VX」でSIIナノテクノロジー(株)製で通称 XRF、もう1つは「走査型X線光電子分光分析装置 PHI Quantera Ⅱ」でアルバック・ファイ(株)製で通称 XPSです。

私などは専門外で「どんな事ができるのかな?」ていどの野次馬なので、定員30名に 「満員だったらヤメとこ」 と遅れ気味に申し込んだら、はからずも受け入れて貰えました。 行ってみたら50人ぐらい参加してました。 元素記号が飛び交って、学生時代を思い出して、楽しかったです。 思わず 「水兵さんのリーベ(恋人)は僕の船」 が口を衝いて出てきました。

それぞれメーカーの方によるしっかりしたレクチャーがあって、そのあとKASTの施設へ行って2種類の分析装置と、試料の表面をイオンで掃除したりの前加工する装置類やら1世代前の装置やらを、見せてくれたり動かしてくれたりしました。 いたずらっ子みたいにトキメキました。

KASTは溝の口にある神奈川県の公設試の1つです。 他に、海老名に神奈川県産業技術センター(KITC)があります。 公設試は、高度・高価な試験設備・計測設備をそなえ、それを使いこなす専門の技術者を擁して、一企業では困難な分析(Analysis)や合成(Synthesis)を受託してくれます。 中小製造業なら、できれば使い倒すくらいに我がモノにして欲しい機関です。 KASTとKITCの違いは、なんとなく分かっていますが良く分かっていません。 KASTの方がより分析的で、KITCの方がよりシンセティック、エンジニアリング的な産業支援という感じです。 それとKASTには特許を仲介する(Technology Licensing)機能があったと思います。

メッキで鏡面状を作ったけど目視でやっと判別できる程度のポツッと小さな突起ができちゃった。 なぜできたのだろう? XPSで見てみるとメッキ皮膜の下に100ナノ程度の異物がある。 スペクトルからその異物は炭素が主成分で、カルボン酸が幾つか付いている様だ。 どうやら油脂が残っていた上にメッキしたらしい。 洗浄したのにこの油脂はプロセスの何処で付着したのだろう?・・・と、プロセスを改善する思考の起点が出来上がります。

ミクロにはこんな活用法になります。 勿論これだけではありません。 KASTのサイトをご参照くださいませ。  http://www.newkast.or.jp/

では、また。 E-mail: BZL12657@nifty.ne.jp

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2011年12月14日 (水)

台湾投資セミナーに行って参りました

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

本日(12/14)開催された神奈川産業振興センター(KiP)主催の「台湾投資促進セミナー」に行って参りました。 全体的アピールとしては「大陸中国へのゲートウェイとしての台湾」が訴求ポイントになっていたように受け止めました。

中国へ進出するなら、まず台湾に進出して人材を得て、それから大陸へ進出すればうまくいく、とする論です。 これはバブル崩壊の前(1980年代)から囁(ささや)かれていました。 今や中国の成長に陰りがでて、やや言い古された論ではあります。 正論だと思いますし、そうして上手くいった成功例を昆山(上海の西郊、蘇州の手前)で目の当たりに見て来ました。 台湾人に中国人を管理させればうまくいく。 台湾人に中国で知的財産権を管理させればうまくいく。 あれもこれも・・・、そうして「成功のゴールデン・トライアングル」が出来あがります。

しかし、日本の中小製造業が台湾に進出して大陸で知財を管理できるレベルの理系の人材を得られるかどうか、今一歩突っ込んで調べる必要があります。 2010-12月の当ブログで紹介した交通大学の修士生なぞは超一流クラスですが、裾野レベルも居る筈ですから。 セミナーのお陰で調べるための人脈は得られました。

日本の技術ベンチャーにとって台湾企業は面会予約さえ取ればトップが会ってくれるとの事。 ここら辺はアメリカ的です。 (裏を返せば、日本の大企業トップは・・・という事になります。)

思うに、日本での技術開発を 台湾での商品コンセプト開発につなげれば、ガラパゴス製品にはならないかも。 なぜなら、台湾では台湾だけで売れるモノを作ってもスケールメリットが得られず儲からないので、必然的にグローバル仕様になるから。 私はニッチな「ガラパゴス頑張れ!応援団」ですけど、ケースによっては使えるかも。

台湾の人口は2,320万人で、東京都+神奈川県ていど。 人口が少ないぶん国際的にならざるを得ません。 (シンガポールはもっと小さくて、日帰りで隣国へ行き来し、携帯の電波が隣国へ届くらしい) 台湾は外国語の教育が盛んで、英語と日本語ができる人も多い。 台湾のJETROと言われるTAITRAの方いわく「仕事のFAXは日本語でいいよ。回答は日本語で返ってくるよ」だそうです。

台湾の人たちは日本が大好きです。 それは東日本大震災で集まった義援金の額にも表れています。 そんな台湾人と組んでWin-Winの関係がつくれるのだったら仕事が楽しくなりそうですね。 ただし購買力平価での(為替レートでなく)1人当たりGDPは日本を少し越えたそうです。

では、また。

台湾貿易センター(TAITRA)東京事務所 http://www.taitra.gr.jp/

(台湾の)工業技術研究院(日本語サイト) http://www.taiwan.co.jp/maker.htm

追伸: 台湾の株式市場は大変活発です。 台湾で上場した日本企業もあります。 銀行預金よりも株式、という気分が充満しています。 好き嫌いは別にして、知っておくと役立つかも知れません。

追伸2: 馬英九政権になって、台湾と中国の間には「経済協力枠組み協定(ECFA:Economic Co-operation Framework Agreement)」が締結され(2010年6月)ました。  これによって関税が引き下げられたり、中国から台湾への投資マネーが逆流入したり、観光客が押し寄せ(アモイ対岸の金門島から始まった)たりして、人口比57倍を相手にした巨大な過渡的状況が発生しつつあります。 当然、変化にはチャンスとリスクが併存していることでしょう。

追伸3: セミナーではTAITRAが「台湾は国際見本市が多く、アジアからの集客も多い」とアピールしていました。 寡聞でした。 ボリューム・ゾーン商品(先端商品でなく)の出展が多いのかな?と勝手に想像しました。

追伸4: 台湾では相続税率が改訂され、最高税率が50%から10%に減税されたそうです。 10~20年といった期間では富裕層を引きつけ経済を刺激しますが、50~100年単位では階層の固定化を促がし、経済を沈滞化する恐れがあります。 パンドラの箱、開けちゃったんですね。

追伸5: レジュメによると、台湾の法人税は17%で、シンガポールと同じ。 香港は16.5%だそうです。 このままだと日本のハイテク中小企業はアジアからの草刈り場になりかねません。 もうなってるかも知れません。 しっかり貿易外収入(特許のロイヤルティ収入、カスタム設計の技術料、親会社としての配当金収入など)を回収しましょう。

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2011年12月12日 (月)

円建ての輸出

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

マスコミで円高が騒がれて、輸出というと 「米ドル建て」 と思いがちですが、「日本円建て」 の輸出もかなりの割合にのぼっています。 日本から全世界向けの輸出で40%前後(統計期間で±2ポイント程の振れ)が、アジア向け輸出に限定すると50%(同±2ポイント程)が、日本円建てとなっている様です。 だから例えば中国の顧客が米ドル建てを希望しても、「当社は日本円建てでお願いしたい」 とするのは非常識では全くありません。 ましてや日本円は国際通貨(米ドル、ユーロと共に)になっています。 建値通貨の交渉の落とし所に公式はありませんが、他の条件と総合的に、お互い対等にWin-Winになるように落とし所としましょう。

支払いスケジュールにもいろいろあります。 特注単品の生産設備などは、前払い30%、船積払い60%、現地SV完了払い10%(%値は例に過ぎません)の3段階で決済する場合もあります。 国内のいつもの「手形払い」と比べたら!!ですね。

中小製造業が初めて輸出する場合、前述の “対等のWin-Win関係” を前提とした交渉で、自社の強さが見えていなくて、いつもの癖でついつい下手(したで)に出てしまうというケースがあり得ます。 日本の中小製造業はもっと自信を持ってよろしいのではないでしょうか。

では、また。

E-mail: BZL12657@nifty.ne.jp

追記: 2012(H.24)年6月1日より 「円・元の直接取引市場」 が東京で開設されました。 上海でも開設準備が進められているそうです。 (日経5月29日夕刊) これは中国企業にとって、日本からハイテク部品・ハイテク設備を買って支払うとき、人民元を日本円に交換するのに米ドルを経由せずに交換できるので、手数料が安くなることを意味します。 これで中国とはますます 「米ドル建て」 の輸出入が減って、「日本円建て」 が増えることと思われます。
為替予約について: 円・元間で為替予約(為替の先物取引:ヘッジファンドの一種)ができまる様です。 ネットで見ると中国側では中国銀行:Bank of China が取り扱っている様です。 取引先の中国企業に教えてあげましょう。)

追記2: 北方領土の周辺を 「日本円通貨圏」 に : つい十年ほど前まで、冬になると極東ロシアの貨物船が小樽港などに入港して、山ほど積んできたカニを売って「日本円」を得て、その「日本円」で買い付けた 「中古車」 を貨物船に山ほど積んで帰っていったものでした。 余った日本円は次回の支払準備に留保され、その一部はロシア国内で流通したことでしょう。 その後ロシアの中古車への関税がバカ高くなって、このパターンは極く細くなりました。
しかし今(2012年晩夏)、ロシアはWTO加盟を狙って関税政策を転換しつつあるように見受けます。
東南アジアが既に 「(日本からの輸出の) 50%は円通貨圏」 になっているように、極東ロシア (沿海州・サハリン・千島など) を実質的に 「円通貨圏」 に取り込むのは、あながち画餅ではなさそうです。 周りじゅうが 「円通貨圏」 に囲まれたら、国後・択捉の現在の住民はどういう意識になるでしょうか。 東急・田園都市線の沿線住民がみずからを “東京都横浜市民” と自嘲するように、“KUNASHIRI, JAPAN” “ETOROFU, JAPAN” が自然発生するんじゃないでしょうか。 極東ロシアから留学生の受け入れなんかも “日本ファン” を増やすのに貢献しそうです。 そうしたら、熟した柿が木から落ちる様に・・・。

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2011年11月15日 (火)

ワークマンは素敵だ

世の中に 「セーフティー・インソール(靴の中敷き)」 というものがある、という情報を捜しあてたので、久し振りに近所のワークマン (作業服・作業靴・作業用身装品ショップ) へ行ってみました。 ありました。 即、買いました。

「あそこならあるだろう」 と推測して出掛けて、一発でドンピシャの商品に出逢ったので、嬉しくなってしまいました。 この中敷きは軽くてしなやかなプラスティック系の素材 (EVAフォーム) ですが、厚さ0.5mmのステンレスが入っていて、万一クギを踏んでもケガをしない、という優れモノです。 インターネットで災害ボランティアの情報サイトを見ていて発見しました。

ついでにショップの中を見て回って、レインウェア上下と 「流れる汗から眼を守る・汗ピタリ」 という商品を買いました。 「汗ピタリ」 はヘルメットや帽子のオデコが当たる部分に貼る細長い吸水パッドです。 「これは夏のゴルフにも使えそうだな」 と思いました。 この 「汗ピタリ」 がゴルフショップで売られるようになるまでに何年かかるだろうか、観察してみよう、と思っています。

「セーフティー・インソール」 も 「汗ピタリ」 も、現場のニーズに気付いて、吸い上げ、工夫する仕組みがないと商品化できないでしょう。 メーカーさん、お見事です。 これからもマーケティングを頑張ってください。 それとターゲットに合致した品揃えで顧客の期待にこたえてくれているワークマンさんも、すご腕ですね。

では、また。

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2011年10月25日 (火)

復興は奥尻に学び“スマート苫屋都市”でいかが

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

英語につづいて専門違いの“領空侵犯”です。 無責任な立場でしかも現地をまだ一度も訪れていない者のたわごとですが、いいとこ取りして下さい。

気仙沼の港に6mの防波堤をめぐらすのが県庁案だそうですね。 私の案は「スマート苫屋都市」です。 奥尻島の復興ケースに学びました。 津波は怖い。 だけど海から離れては暮らせない。 そこの矛盾をどう解決するか? 「逃げる方法を確立して、産業資産は再建する」に徹したらどうなるでしょうか。

海岸線から徒歩圏の内陸(例えば海岸線から300m)に高さ5mぐらいの空中プラザが(海岸線と平行に)幾つも散在し、空中プラザへは階段と車いす用スロープで登れます。 空中プラザからは空中避難路がつながっていて、内陸の高台へ向けてゆるやかな坂を登って避難できます。 空中避難路は高台に近付くに従って合流し、徐々に路幅が広くなってゆきます。 空中避難路は道路の上空の空間を使うのがよいでしょう。

内陸とつながる幹線道路は両方向併せて3車線のアンバランス・レーンとするか、通常時2車線+2車線で、緊急時山行き3車線・海行き1車線のリバーシブル・レーン・システムとします。 最少でも年1回は市民を巻き込んだ実践訓練をします。 3車線の場合は中央レーンを常時はゼブラ模様の不使用レーン、緊急時には“山行き専用”にする運用ルールを決め、周知し、やはり訓練します。

スマート」の部分は防災情報システムの徹底改良です。 名古屋の洪水では 「台風で窓を閉めていたので防災無線放送が聞こえなかった」 という不具合がありました。 「緊急時には緊急時ゆえに役立たないシステム」 だったのです。 「詳しくはホームページをご覧ください」 も、アクセスが殺到してつながりませんでした。 「役立てたい時だから役立たないシステム」 という側面があります。

私は、携帯電話のショートメール(メールアドレスでなく電話番号に送信する)と基地局(場所が特定できる)の組合せで、携帯電話会社を巻き込んで自治体がキメ細かい特定情報を流すことに、大いなる可能性があるのではないか、と考えています。(地震のP波警報には既に使われています) 但し、「キメ細かい特定情報の提供」は、何回のもFS実用化研究)を繰り返さないと名古屋と同じレベルに留まるでしょう。 提供されるメッセージに 「避難指示はOO地区“の一部”」 とか 「OO地区、“その他”」 とかが混入していたら途端に緊急メッセージとしての完結性を失い、受信者は行動に移すことができません。 だからFSで使い勝手を改善してゆきます。 自治体や企業が使うサーバーは、クラウドにしておけば水没しても被害最小にできるでしょう。

苫屋」の意味は、海岸線の低地には産業施設をメインにして、居住区は高台をメインとし、マジョリティは毎日通うスタイルの半・職住分離都市です。 歌謡曲 「石狩挽歌」 の時代コンセプト (浜の番屋と高台のニシン御殿) に、近代的な情報都市のコンセプトを重ねました。 自然に対する畏怖と、科学技術の可能性を抱き合わせます。 そりゃあ、低地に居住する人も出て来るでしょうし、高台に工場をつくる人もいるでしょうよ。 それはそれぞれのリスク感覚の自由/主体性に任せたらいいんじゃないでしょうか。

自然には自然で。 “逃げる” というわれわれの動物本能を助長する知恵を出し合いませんか。 「人命は全力で救うが、産業設備までは救いきれない。 永らえた人命がもたらす無形資産 (知識・知恵・ネットワーク) から有形資産は再建の道もあろう。 愛着ある設備もそれなりに経年劣化するものだし。」という視点です。  いかがでしょうか?

領空侵犯して済みません。 では、また。

E-mail:BZL12657@nifty.ne.jp

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追記: 2013-4-24 高台移転した前例の航空写真が手元にあるのを思い出しました。
岩手県住田町の旅館で12年7月に入手した地元の 「東海新報」 に載っていた大船渡市吉浜地区の航空写真です。 撮影は08年です。

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記事によると、明治三陸大津波で高台移転して、東日本大震災の津波での犠牲者は1人、被災住宅は3戸にとどまったとのこと。 低地にあった住居を高台に移転して、跡地を田んぼに改造したそうです。
漁業地区では、この田んぼ (低地) を海産物の物流・加工・商業地区およびその支援産業地区 (造船所、鉄工所、弁当仕出し、製氷所、給油所、・・・) にして、高台の住居地区から通勤するスタイルを主流にする。 それが 「スマート苫屋都市」 です。

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追記2: 2013-12-5 阿倍首相夫人から巨大防波堤の建設に疑問が呈されました。 行政側からすれば 「“復旧工事” なので住民の賛否に耳を傾ける必要はない」 という理屈なのだそうです。 “行政はやり易いところから手を着けたな” という印象が拭えません。

行政はご苦労が多いなかで、行政そのものの人員も津波で失ったりして、さらに大変な制約条件の中でお仕事を進めていらっしゃいます。 有難いことです。
しかし、“ご苦労” は “苦労する価値のあるも” のに振り向けて頂きたいです。
それには全体(全体最適)を見据えた方針とかコンセプトとかいうものが必要で、部分最適に陥ることから回避できます。

この記事で書いた 「自然の脅威には(人間という)自然の潜在力で対処する」 も、そうしたコンセプトや方針といったものに属するひとつの提案です。 「逃げる」 という人間の持った本能を助長し、存分にその本能を発揮させる仕組み(システム)とは何なのか? そこに行政の第一位優先順位を持って来て、粛々と進める。 そうすれば第二順位、第三順位も、熟した柿の実が落ちる様に自然に進捗します。

その “逃げる本能” の為には、海辺の低地から高台へ短時間に移動するシステム(主に道路)に最優先課題があると思います。 そこでここに書いた 「空中避難路」 や 「アンバランス・レーンの道路」 になります。
では実態はどうか。 例えば気仙沼の駅の周辺は、低地と高台の中間の傾斜地にあって、まさにここら辺の幹線道路を圧倒的な拡幅をする必要があります。 ところが傾斜地の道路は高さをかせぐ為にくねくね曲がっていて、やっとバスどうしがすれ違える広さで、歩道さえ有ったり無かったりの道幅です。 その両側には商店や住宅がぎっしりあって、圧倒的な拡幅なんて・・と、腰が引けてしまいます。 無理に立退きを強要したら 「住民に対する行政によるいじめ」 と言われかねません。 そんな中で “百年の計” を建てねばなりません。 では、どうするか?

阪神淡路大震災のあと、復興・再建のためにどんな行政が行われてきたか、を参考にしてはいかがでしょうか?
あの頃、私は官庁営業をしていて横から観察していただけですが、建設省 (本省) の職員は自宅に帰る暇もなく復旧へ向けて連日徹夜で仕事をしていました。 その多くの作業は 「法の整備」 だったんじゃないでしょうか。 それも現場の状況と、自治体や住民のニーズと、将来像と、といったものをアウフヘーベン(止揚)する困難な作業の末の法律群です。 霞が関だけが動いていたんじゃなくて、その裏で国の出先機関も、県も、市も、商店会も、町内会まで喧々諤々の議論が巻き起こっていたんじゃないでしょうか。 いわば、全員参加でアヒルの水掻きをしてたんじゃないでしょうか。
東北でも同様の事はやっていると思うけど ( 「巨大防波堤」 では手抜きしてそう)、原発事故もあって、民主党政権の不慣れもあって、「もういちどボタンの掛け直し」 が必要なのかも知れません。

いそがば回れ、です。

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2011年9月30日 (金)

英会話のオンライン・レッスンで円高を享受

ご無沙汰してます。 ここしばらく国内のプロジェクト型のお仕事でピークが続いてましたが、やっとオフになりました。 またポツポツとブログを書きます。

今日の話題は「オンライン英会話レッスンのご紹介」です。 東南アジア進出を目指す中小製造業の社員教育・自己研鑚にオススメです。

結論を先に言いましょう。 「英会話 オンライン」でググッてみて下さい。 (そこに現れる「オンライン・レッスン」の業者選びは自己責任でお願いします。) 英会話のオンライン・レッスンの向こう側にいるのは今現在、外国に居るナマの先生です。 スカイプを介して、先生と生徒が顔を見ながら、マン・ツー・マンのレッスンができます。 それも円高のお陰か、安いんです。 講師陣にはフィリピン大学の卒業生なんて方々も居て、平均的な “東南アジアの英語” に馴れる機会が得られそうです。(フィリピン大学はフィリピンの東大。タガログ語で大学の授業は成り立たないらしく、大卒は英語ができて当然。) 実は私の身内(会社員4年目)が始めました。

「東南アジアに工場進出したいけど、先遣隊がいない。 英語が喋れる社員がいない。」 進出ありきは容認するとして、そんな時に備えて今、何から手を付けますか。 「バンコク郊外の工場団地へ」 と決めてかかるんだったら、誘致側のアチラさんが日本語を喋れる職員を付けてくれたり、いろいろサービスしてくれるでしょう。 バンコク市内には日本人経営の代書屋さんも有ります。 ただ、工場進出はそれだけで完遂できるわけじゃないし、バンコクしかないわけじゃないし。 工場立ち上げのあらゆる場面を想定すると、その場凌ぎでは済みません。 やがてある程度の人員を送り込む場面がやってきます。 その時へ向けて準備する必要があります。

実は多くの社員さんは「英語が喋れない」のではなくて、自信がなくて「そばに他の日本人が居ると、中途半端な英語を喋るのが恥ずかしい」のでしょう。 私もそうでした。 それを克服するには “下手でも喋れば通じる体験” をして、下手なりに自信を付けることです。 鶏が先か卵が先かなんて躊躇してないで、喋り始めればだんだん上手になります。 そこで “喋ってみる” のに、「オンライン・レッスン」が取っ付き易いし、料金も安いです。 いったん「下手なりでいいんだ!」と分かって自信が付けば、工業系の会話は “図面” や “現物” が助けてくれます。 それを「指さす」のも英会話の一部なんですよね。 オンライン・レッスンのカメラに製品サンプルを映して指さし、勇気を出して「ディス!」と言ってみましょう。 画面の中の美人講師がほほえみを返してくれるでしょう。 そのほほえみがあなたの自信と勇気になります。

ところで、「英語ができる従業員に仕事を教える」 か 「仕事ができる従業員に英語を教える」 かは言わずもがな、でいいですかね。

では、また。 E-mail:BZL12657@nifty.ne.jp

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追記(2012-6-4): 事業は「ニッチ市場で得意を伸ばす」から始めます。 英会話も、自分の得意領域で始めれば苦手意識を払拭できて、気持ち良く入れるし、長続きします。 マシンニング加工が得意なら、マシニング加工にまつわる手順や材料や図面の読み方や・・・に絞って英会話訓練します。 そうすればマシニング加工の一点での英会話の完成度が圧倒的に高まり、自信がつきます。 この自信から徐々に広げていきます。 先々の好循環の始まりになります。 先生との話題をこちら(生徒)の都合に合わせてもらう(合わせさせる)のです。 マン・ツー・マンで、あなたはお客様ですから、少しだけワガママを聞いてもらいましょう。 英会話の先生はマシニングセンタの事を知らないでしょうから、教えてあげましょう。

東アジアから中東まで、どこへ行ってもフィリピン人の出稼ぎが働いています。 その人々は身なりや仕事からみて高等教育を受けたとは思えませんが、英語で立派に仕事をこなしています。 例えば出稼ぎ仕事が 「ホテルの部屋の清掃・整備」 であればその狭い仕事の会話から入って、自信を付けて、話せる領域を広げる、って順序だろうと思います。 日本人が英語の基礎を中学・高校で過ごし、得意分野から入っていけば、話せない訳がありません。

専門用語のボキャブラリは、辞書を手元に置いて小ノートにメモることで、だんだん増えます。 やがて小ノートはあなたの知的資産になるでしょう。

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2011年7月 4日 (月)

“原発はこんなに安い”で計算外の社会的費用

どこぞの機関が、原発と他の発電方式のコスト比較を改めて公表して、「今後の議論に役立てて下さい」という事らしいです。 比較するにはベース(基準)を合わせなければ比較になりません。 「家庭(や事業所)に負わされる電気料金をベースにして比較しましょう」というのは福島事故以降、国民は「ベース合わせがフェアじゃなさそう」と気付きはじめています。 じゃあどこの所のコストがフェアじゃなさそうなのか、は未だはっきり見えてきていません。

ただ、現段階で「ここら辺がフェアじゃなさそう」と言えるのは、ある確率で原発事故が起こるのは想定できる事実になったのだから、その確率で発生する①災害出動のコスト、②住民の苦痛コスト、③農作物などの産業被害、④汚染された土地が何十年も使えなくなる損失、⑤生活と産業のリカバリーのコスト、⑥失われた期間の機会損失などで、これからは発生確率を考慮して原価に組み込んでから比較しなければなりません。 他にも気付き難いコストは、政府がそれぞれのエネルギー源の開発に投じていた補助金等の額も電気料金には含まれていなかったでしょう。 原子力系の外郭団体の維持コストも然りです。 循環型エネルギー開発への補助金は、原子力に比べて「不満が出ない程度」に盛り込んであったそうで、どちらにもフェアーになるように扱いましょう。

この様に、コストが見えない程に浅く広く社会に賦課されているのを「社会的費用:Social Cost」と言います。 公害被害なんかもかつては社会的費用だったのですが、企業の社会的責任(CSR)が進んで、ゼロ・エミッションなど設備改良が進み、企業が原価で負担するようになりました。 ふつうの企業は競争に曝されているので、あまりお行儀の悪いことは出来ないように市場原理が働きます。 電力会社は地域独占で市場原理が働かないので、半分資本主義・半分社会主義のお隣の大国みたいになって、政府(経産省)の監視下に置かれています。 今は「ベースをフェアに合わせる」のをしっかり監視しましょう。

企業のコスト(原価)もベースがいろいろあります。コストに対応して収益の側もいろいろあります。 ある製品の【材料費+外注加工費=変動費】だけをコストと見れば、それに対応する収益は【付加価値】です。 【変動費+工場間接費(固定費)=工場原価】をコストと見れば、それに対応する収益は【営業総利益】です。 その後に【営業利益】、【経常利益】、【税引き前利益】とつづきます。 例えば、A社の製品のコストとB社のコストを比較するとき、A社のコストは変動費だけで表示し、B社の製品は工場原価まで含んで表示したら、フェアな比較になりません。 こんな当たり前の原理原則が、発電コストの比較のときに守られているかどうか、はなはだ怪しいです。 なにせ核廃棄物の処理を未来にツケ回ししようとしてたんですから、少なくとも“お便所のコスト”は計算外だった事は明白です。 今は新たな事実が発生して過渡期にあり、計算に入れられる費目もポツポツ増えつつあるように見えます。

では、また。

メール:BZL12657@nifty.ne.jp

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追記: 2012-7に追記しています。 最近のニュース・ネタに 「19兆円の請求書」 というのがあります。 原発の核廃棄物を無害に還元する技術、つまり原発のお便所を研究・開発するコスト見積もりで、原子力村が見積もったものらしい。 ほとんどが未発生と思われますが、こういうのが正に社会的費用です。 この19兆円は原子力発電のコストに賦課されるのでなく、税金ですからあらゆる財源に広く浅くで、例えば太陽光発電の設備費にも賦課されて、コスト比較ベースをアン・フェアーにしてしまいます。 また、19兆円で技術が完成するのかも検証の必要があります。

追記2: 2012-8に追記しています。 「司馬遼太郎対談集 日本人を考える」(文春文庫)を電車に乗るたびに読んでいます。 対談のお相手は12人、その4人目が向坊 隆氏(応用化学者、原子炉材料が専門、その頃東大総長)でした。 対談は昭和45年(1970年)2月、今から42年前です。
そこにいわく(向坊)「・・それから原子炉の中に溜まった灰をどうするか。(中略)・・・それもいつまでかかってもいいという研究じゃなく、少なくとも今世紀末までに、いや、今から15年かそこらの間に答えを出さなきゃいかん研究なんです。・・・これを解決しないことには、原子力利用が糞詰まりならぬ灰詰まりになっちゃうんですから。 (中略)・・・解決できなければ、必ず日本はモトノモクアミに戻りますね。」
向坊氏が設定した 「原発のお便所」 を創るタイムリミットは1970+15=1985年だったのです。 バブルが膨らみ始めていた頃です。 そのタイムリミットはとうに過ぎ去っていますが、向坊氏の“1985年から鳴りっぱなしの目覚まし時計”は誰が引き継いだのでしょうか? いわゆる原子力村の村人でしょうか? 国家レベルの“目覚まし時計”でしょうに・・。

追記3:(2013-6-27) 「19兆円の請求書」 の中味が少し分かりました。 『 核燃料サイクルによるバックエンド費用(再処理工場の操業・廃止費用や廃棄物処分費用など)は18.8兆円と試算されているが、MOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料の処理費用は入っていない。』(東洋経済オンライン記事・秋本真利(衆院議員・自民・37歳)氏へインタビュー)・・だそうです。 この18.8兆円というのが丸められて19兆円になったのでしょう。

ちょっと知識を補完しますと、原発のうんこ(第一次うんこ)はプルトニウムで、現在溜まり放題になってます。 それを掃かすために再処理施設(第一次お便所)を青森・六ヶ所村に作ります。 そこで再処理するとMOX燃料(第二次うんこ)に変わります。 ここまでが19兆円です。 べらぼうです。 但し、今はまだ六ヶ所村が出来てないのでシェルブールに委託してます。
ここから先は19兆円に含まれてないのですが、MOXを燃やすのがプルサーマル(第二次お便所)で、エネルギーと第三次うんこが出てきます。 第三次うんこを処理する第三次お便所は?・・・う~ん、良く知らないけど 「地層処理」 ってヤツですかね? つまり100年先の人類にツケを回すってヤリカタです。
秋本真利氏は 「それをしてはいけない」 と仰ってます。 2年経てやっと冷静な話ができそうになってきました。 「数十年かけて原発終束へソフトランディングさせる」「その間に別のソリューションを用意する」・・・でしょうね。

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2011年6月20日 (月)

好ましくない効果:Un-desirable Effect:UDE

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

福島の原発事故の原因調査に「失敗学」の学者さんが起用されました。 経営工学の分野では、失敗の分析手法に“FMEA”と“FTA”があります。

FMEA=Failure Mode and Effect Analysis で「故障モードとその影響解析」です。 FTA=Failure Tree Analysis で「故障の木解析」です。 どちらも JIS で定義されている既知の手法で、原因と結果をつなぐ因果関係図を作って分析や対策に使います。 (脱線ですが、大阪万博跡地のジェットコースターで事故が起きた裁判で、JISで定義されている点検・検査が実行されていなかったという「不作為」が争点になった記憶があります。 JIS の存在感を感じました。 ましてや・・)

分析の対象は過去でも未来でもいいのですが、未来の「事故の予防」として使おうとすると、因果関係図を作り上げるのに関係者の想像力を総動員しなければなりません。 そこでは「故障」の事を「その発生が好ましくない事象」と表現されているみたいです。(「みたい」と言うのは直接 JIS を参照しておらず、又引きなので。アバウトをご容赦。) この「好ましくない事象」という持って回った思わせぶりな言い方はどこかで聞いたことがある。 どこで聞いたのだろう?・・と考えて、思い当たりました。 「ザ・ゴール」です。

「ザ・ゴール」という本は、私が中小企業診断士を目指して勉強していた頃に流行っていて、当時の受験生にとっては必読書でした。 その第2弾「ザ・ゴール・2」だったと記憶しますが、その中で「仕掛品が滞留」したり「余剰在庫が発生」したりの事を「好ましからざる効果=Un-desirable Effect=UDE」と呼んでいました。 当時、不思議に思ったものです。 何で作者(エリヤフ・ゴールドラット博士)はここに Effect という言葉を持って来たのだろう?と。 で、私が自分を納得させたのは次のとおりです。 英語には “Cause and Effect” という成語があって、Effect と言えば Cause が起想されるようになっているんじゃないか。 Cause(原因) への繋がりを想い起こさせるには Falure とか Accident とか Result とかじゃダメなんじゃないか、ってことです。 ありそうな仮説が得られると、この持って回った言い方に妙に愛着が湧いてきました。

「失敗分析」にせよ「ザ・ゴール」にせよ、良い因果でも、悪い因果でも、過去の因果でも、未来の因果でも、「どれにも使える汎用性のある因果分析手法なんだよ」・・をアピールするのに適した客観性・汎用性のある言葉を探して工夫している様子が見て取れます。

因果関係図では、AND条件を And Gate と言って“D”みたいな記号を使い、OR条件を Or Gate と言って“三日月”みたいな記号で因果をつないでツリー図を作っていきます。 「不良品の出荷」という “好ましくない Effect” を避けるために、「工程ごとにチェックして、最後に出荷検査をしてOKなら出荷」という “Cause” を作り込みます。 それぞれのチェックや検査が独立して行われていれば、AND条件が効いていて不良品が(見逃されて)出て行く確率は (チェックでの見逃し確率の掛け算を工程数だけ繰り返すので) 限り無くゼロに近づくのですが、時として将棋倒しに総崩れしてしまうことがあります。 例えば、期末ギリギリに大きい物件を出荷しようって時、その物件の売上が計上できるか否かで当該営業期の黒字か赤字が決まるのを従業員全員が薄々知っている・・こんなな局面では、チェックプロセス相互間の独立性が担保できなくなってしまうかも知れません。

雰囲気に流されてしまう。 “KY”は「空気が読めない」ですが、独立性を保つ(掛け算で不良ゼロに近付く)には「空気を読んではいけない」ってことになります。 かつて政策が「原発推進」となった時に誰かが「原発は国策だよ」とささやいたら、チェックが掛かり難くなってしまい、AND条件が総崩れになってしまった・・のかも知れません。 それは原発推進派にとっても不幸なことでは。 それにしても「はやぶさの帰還」も「女川原発のサバイバル」も、原因は技術者が親心で仕組んだ成功への“OR条件”だった様です。 何たる違いでしょうか。

では、また。

Mail:BZL12657@nifty.ne.jp

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2011年4月26日 (火)

運の良さ

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

企業経営の書籍や資料に目を通していると 「セレンディピティ:serendipity」 という言葉に遭遇することがあります。 「社長の運がいい」 みたいな意味で、およそ学問とは言い難いのですが、でも無視できない、不思議な概念です。

火事場どろぼうと言えばどんなに卑劣な行為か、日本人にはすぐ通じますよね。 特に、震災や津波で打ちひしがれた人々から、さらに希望を奪うような行為には嫌悪感をもちますよね。 隣国では 「震災支援」 で集めた義援金の70%をピンハネして・・。 ・・たとえ30%であっても、貰っておいて感謝しないのは自己の信条に反するから、黙って 「有難う」 と言いますけどね。 ただし、義援金が本当に届いた時に、ね。

話は変わって、ある町工場A社の社長はとても優しくて誠実な方です。 世の中リーマン不況が尾を引いていて、A社の顧客筋の設備商社B社は会社を清算することになり、従業員を手放すことになりました。 その従業員CさんはA社の社長を慕ってB社からA社に移ってきました。 その時CさんはB社の顧客だった中国のD社との人脈を持って移ってきたのです。 やがて中国のD社からまとまった注文がA社に舞い込むようになって、A社はリーマン不況から脱出のメドが見えてきました。 A社の社長は運が良かった、と言えばその通りですが、幸運を招き寄せる 「何か」 を持っている、とも言えるのではないでしょうか。

ただ言えるのは、火事場どろぼうする様な経営者には、こういう幸運は舞い込まないでしょうね。

一方、花どろぼうというのは、火事場どろぼうとは対極で、何かほのぼのとして可愛くて、「許す」 のが前提の清濁併せ呑む心のキャパが滲み出ていて、いい言葉ですね。

では、また。

E-mail: BZL12657@nifty.ne.jp

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2011年3月14日 (月)

被爆でなく被曝

大変な災害が発生しました。 マスコミも冷静とは言いがたい対応です。 特に勉強不足のアナウンサーが原子炉の危険な状況を専門家に質問するシーンなどは、人選の不適切さを感じる場面が散見されます。 その点、日本テレビのMYアナウンサーは良く理解なさって専門家とヤリトリなさっています。 HPによると文学部出身でプロレス実況がお得意なようですが、原子力発電でも素晴らしいMC振りです。 文系・理系の差ではなく、学ぶ姿勢の差でしょうか。

そうした中で、このまま外国に伝わって欲しくない 「変換ミス」 があります。 それは放射線の 「被曝」 を 「被爆」 と変換ミスして放置することです。 被曝は be exposed to radiation <放射線に曝(さら)される>です。 被爆は be bombed <爆破/爆撃される>です。 特にWebメディア上の変換ミスが間違ったまま自動翻訳で外国に伝わると、かなり深刻な誤解となりますし、追っ駆け修正が極めて困難です。 こんな状況であればこそ、冷静沈着に変換して欲しく希望します。

その瞬間瞬間の被曝の強さは 「シーベルト毎時」 または 「時間当たりシーベルト」 で、それを時間でカケ算した被曝量が 「シーベルト」 という単位ですね。 通常は 「マイクロ・シーベルト」 や 「ミリ・シーベルト」で呼ばれている微量な値が扱われている様です。 レントゲン1回でどれだけというのは被曝量であって、被曝強さではありません。 例えば、被曝強さ20ミリシーベルト毎時1時間続けて被曝すると被曝量が20ミリシーベルトになりますが、6分間だけ被曝したら2ミリシーベルトになります。 TV報道では被曝強さの数値被曝量の危険性の数値に照合して(単位が違い照合できない)モノを言っているフシがあって、視聴者を誤解へ誘導しかねない場面も見受けられます。 また、あるTV番組の解説者が 「昨日までマイクロだったのをミリで言う様になったのは、数値を小さくみせようとする意図が・・・」 とおっしゃってました。 メガ・キロ・ミリ・マイクロの対数スケールの世界にいると、マイクロとミリの世界を往復するなんて日常ですが、そうでない世界もあるのですね。 TVキャスターが、照合できない異なる単位どうしをムリヤリ照合して語気を荒げ、そのたび専門家が柔らかく訂正する場面が繰り返されていたのが気になりました。

これだけの大事に計測単位の話に終始して申し訳ありません。 ここ数年の間に高橋克彦の歴史小説 「火怨」 と 「炎立つ」 を読んで、アテルイと藤原経清が好きで好きでたまりません。 当時から東北は黄金の国<エル・ドラド>でした。 ふたたび復興され、暖かい人柄とともに叡智を集めた繁栄がもたらされることを願っています。 また、その草の根で一助になれればと切望いたします。

Email:BZL12657@nifty.ne.jp  

<女川原発を褒めよう>(後日追記しています) 同じ津波に襲われながら女川原発(東北電力)は問題が発生していないようです。 TV報道は問題の福島第一原発がほとんどですが、「なぜ女川は問題ないのか?」 を解明すれば、福島第一の問題点・その原因に迫れるかも知れません。 東京電力は 「見通しが甘かった」 と原因に言及していますが、それに留まらず 「なぜ甘い見通しになってしまったのか?」 と、なぜ、なぜを繰り返して(トヨタ方式)、真因を掴まないと、同じ誤ちを繰り返すことになります。 その為にも女川の成功要因との比較は重要と思われます。

追記2: この追記2は2012-8-20に書いています。 本日の日経朝刊P.4の 「核心」 欄に同紙論説委員・滝 順一氏の署名記事で 「女川原発の功績と教訓」 が掲載されました。 国連IAEAの調査結果は女川に高い評価を与えました。 自然の脅威に対して謙虚な経営者・技術者のスタンス、それを松永安左エ門氏から平井弥之助氏へ、そして現在の技術者へと営々と引き継いできた様子が、抑えられた淡々とした語調で語られています。 <つまり褒められています> 個人的には、この誠実さの一端に白洲次郎氏を加えられたらいいなと思います。 彼は東北電力の取締役会長として戦後の電力開発に関わってきました。 東北電力と東京電力、女川原発と福島第一原発、謙虚と高飛車、ぜひ教訓になるまで原因を深堀りし、かつ一般化・教訓化したいものです。

「原因の深堀り」とは、例えば 「菅総理がヘリで原発へ飛んだ」 という事象からその波及効果(因果の川下)である 「現場は迷惑した」 を引き出すのは程々にして、「なぜ菅総理はヘリで原発へ飛んだのか?」 と問うて“原因”(因果の川上)へと遡らなくてはなりません。 それは例えば 「現場に駐在していた保安院の役人が現場を離れてしまい、情報が東電本社のフィルター経由でしか伝わらず隔靴掻痒だったから」、「なぜ保安院は現場を離れたのか?」、「地震で通信手段を失ったから通信手段を求めて移動せざるを得なかったから」・・・これは想像上の因果連鎖(Cause-Effect Chain)ですが、このように 「なぜ?」 を繰り返して原因の深堀りをすればこそ 「対策」 や 「教訓」 が得られることでしょう。

追記3: この追記は2012-9-9に書いています。 本日の日経「日曜に考える」に、「耐えた女川原発 教訓は<外国人専門家が見たもの>」 という記事が掲載されました。 この記事によって、国連IAEAが調査に至った経緯が明らかになりました。 英国ロイド系列のリスク分析会社のコンサルタント、ウディ・エプシュタイン氏の 「調査したい」 という発意に、東北電力・副社長、梅田健夫氏が 「あなたがた民間の専門家に、IAEAも加えてくれないか?」 と上乗せしてきた、と報じています。 そして、エプシュタイン氏は、女川と福島第一の命運を分けたものの一つとして、「電力会社の企業文化」 を挙げています。

電力会社の企業文化」 となると、再び、松永安左ェ門、平井弥之助、白洲次郎に心が舞い戻ります。 今の世に惜しい人々ですねぇ。

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2011年2月23日 (水)

簿記は名訳! 貸借対照表は誤訳?

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

「貸借対照表」の元になった英語 Balance Sheet の Balance には“均衡”の意味と“残高”の意味の両方あって、会計用語としては“残高”でしょうね。 であれば、Balance Sheet は“残高一覧表”といったスッキリした訳になります。 これを訳した明治時代の学者さんは、B/Sの現物と Balance Sheet という名称を前にして「何でこれが“均衡”なんだ?」と悩んだんでしょうね。 悩んだあげくに貸借対照表の“対照”のところに“均衡”の意味を滲ませてつじつまを合わせた。 ご苦労さまでした。 文明を移植するってことは、この手の試行錯誤の連続だったんでしょうね。

一方、「簿記」の元になった英語は Book Keeping です。 こちらは発音と意味の両方をうまく漢字に置き換えられて、名訳と言えるのではないでしょうか。 Book Keeping、ブッキーピン、ぶっキー、簿記。 こういう名訳はぜひ漢字圏で共有してほしいものですが、幸いにもカシオの電子辞書の日中辞典によると共有されているようです、もちろん簡体字で。 発音は <buji> となっちゃって残念ながら Book Keeping の発音からはちょっと離れちゃったですけどね。

では、また。 E-Mail: BZL12657@nifty.ne.jp

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2011年1月26日 (水)

特許流通セミナーに行って参りました

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

国際特許流通セミナー2011に行って参りました。 お台場の日航ホテルで、24日と25日の2日間に亙り、19のパネルディスカッションや講演がありました。 私は時間帯が重ならない8つのセッション・講演にフル出席しました。 「特許流通(Patent Licensing)」がタイトルになっていますが、特許の形をとらない発明・ノウハウ・ナレッジなども含んだ知的財産の全般がテーマです。

中小製造業コンサルの私からみて一番参考になったのは、<B3セッション>Sプレスサービス(株)さんの「プレス機メンテ業から試作開発業への展開」でした。 (同セミナー資料を参照させて頂いてます) 

多様なメーカーの多様なプレス機を修理する典型的な労働集約型・高齢者中心で3K職場の5~6名の生業だった。特許には無縁と思っていた。  ある日、特許流通アドバイザーさんから提案があってM社の特許(プレス修理技術)のライセンシーになり技術移転を受けた。特許に無縁と思っていたので大きなインパクトだった。それからは自社でも特許や商標登録を取得した。  これが契機となって、移転技術の受け入れのみならず社内に既存の修理技術を共有化することが定着しはじめた。 (ナレッジ・エンジニアリングで言う、暗黙知の表出で形式知化が実行された、と理解されます。S社さんの場合どの様な「形式」なのかは不明ですが、一般的には紙《文章・図・写真》、動画《音声付き》(以上はデータ化が可能)、現物サンプル、現場経験など)   修理技術が蓄積され共有化されて、(修理より難しい)改造やリニューアルの仕事が提案・実行できるようになった。この蓄積こそ当社の知的財産である。  今では「こういうことが出来ないか」という期待を込めた引合いが来て、開発や試作の比重が増えた。「高速増殖炉・もんじゅ」に使われるプレス機に至るまで。  労働集約型から知識集約型に変わり、若い社員が増え、社員159名中117名が30歳代以下である。 ・・・と、とても明るい社長さまでした。

このブログで以前、「(マイケル・ポーター教授のいわゆる)バリューチェーンの最後(消耗品やメンテ等)は終点ではなく、市場(顧客層)を挟んで、バリューチェーンの最初(商品企画や開発等)と円環状に繋がっている」と申しました。 また、既存事業から新規事業へ拡大するとき事業シナジー(共通点)が必要ですが、「顧客層が同じというシナジーが最も堅実です。 S社さんの例はバリューチェーン円環論とシナジー論にそのまんまなので、特に印象的でした。 ものづくりの海外流出を危惧する風潮はごもっともですが、流出しづらいのがこれらの「市場(顧客層)がらみ」のリンク(バリューチェーンの鎖のひとつぶ)で、スマイルカーブの両端でもあります。 世界一うるさい買い手(=日本国内のB2B顧客)へ供給するメンテと開発試作は海外流出が少ないし、海外からの参入も考えづらいです。 S社さんはそういう順風(追い風)の戦略領域に陣を張れたんですね、特許をきっかけに。

もう一つ印象的だったことは、特許データベース(DB)の広告効果です。 特許を取得することで特許DBに公開され、潜在顧客がそれにアクセスし、問い合わせや引合いが入りビジネスに繋がった、というケースがあちこちのセッションで“ついで”みたいにつぶやかれていました。 特許がマーケティング手段にもなっている、ということで、これは生産財では特に“使える”のではないでしょうか。 現在、特許DBへのアクセスのおよそ半分は中国・韓国・台湾からと仄聞(そくぶん)します。 「だから真似られると思え」というのはどこかで聞いた話ですが、「だから特許をアジア向け広告に使え」という発想もアリではないでしょうか。 だったら特許申請書に使う文言をアクセスされ易いワーディングに工夫する(SEOする)、さらには、特許申請書はコピーライターを噛ませる、なんて発想もアリなんじゃないでしょうか。

最後に、特許プールではなくて「関連特許を買い取り束ねる会社」というのが現れていました。 経産省の子会社みたいなポジションですが、やるじゃないか、と思いました。

では、また。  

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2010年12月15日 (水)

「工業英語」の記事、ぜひ見てね/台湾の大学

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

英語が苦手で、という方、今日(2010-12-15)の日経の朝刊の最後のページ、「文化」欄にある“「工業英語」のすすめ”鈴木直樹さんの記事が素晴らしいですから、ぜひお読みください。 サブタイトル“高校で国際化担う人材育成、民間人校長が奔走”となっています。

http://www.nikkei.com/news/article/g=96959996889DE3EBEBE1E5、E6E6E2E3E6E3E0E0E2E3E29091EAE2E2E2

上記のサイトでも最初の部分だけ読めます。 記事全文を読むには、すぐにコンビニかキヨスクへ行くか、後日であれば図書館ですね。 日経Web版(無料・有料)に登録する手もありますが・・・。

何年も英語を勉強してるのに英語が話せない、そういう人は“英語で何を話そうか <What to speak>” を持っていらっしゃらない人が多い、と感じています。 英会話教室で英米人から 「挨拶のしかた」 「道の聞き方・教え方」 といった <How to speak> を習ったって、そんなもん誰だって直ぐに忘れちゃいます。 そんな場面に遭遇しないし、真剣に切迫していないし。

ところが工業英語には英語を勉強する具体的な目的と迫真の場面、つまり <What to speak> があって、単語1つを用意するか用意しないかが、その日一日の仕事が進むか進まないかに関わってきます。 また工業英語を使う場面には、指(ゆび)させば分かる対象物(ワーク)、もしくは工具、もしくは工作機械、もしくは図面上の形状がそばにあって、それらモノそのものもコミュニケーションの一部を構成していて(non-verbal communication=非言語コミュニケーション)、コトバを補完してくれるので、臆病にならなくて済みます。 「~したい。~させたい。」 が有ればこそ、その意思を伝えようとする工夫が涌いてきます。 鈴木さん、ありがとう。 工業高校生のみなさん、がんばってね。

<台湾の大学> 10月中旬に台湾へ旅行しました。 昔の独身寮(東京)仲間とのゴルフ旅行だったのですが、遊びだけじゃあ勿体ないと、仲間を桃園空港で見送ってから単独、新幹線で南へひと駅の新竹へ行き、科学園区探索館(Science Park Exploration Museum)や国立交通大学を見学してきました。

このエリアは、まるで米シリコンバレーのスタンフォード大学の周辺みたいな雰囲気でした。 街のあちこちにハイテク企業の看板があって、日本企業では真空技術のアルバXX社の看板がありました。 台湾は半導体や液晶のメッカで、真空薄膜技術との関連でしょう。

交通大学ではカフェテリアで一服。 カフェテリアはイトーヨーカ堂のフードコートみたいに、中央に多数のテーブル席があって、周囲をヌードル屋・ハンバーガー屋・ホットドッグ屋・定食屋などが取り囲んでます。 ホットドッグとコーラを買って食べていると、やはり一人で軽い夕食を摂っている学生さんが居て、許しを求めて同席しました。 修士課程生でした。 世間話をしました。 親の支援で学業を続けていることに感謝し、台湾内で就職したい、由。 米国も大陸も興味なさそうでした。

台湾新幹線の南の終点は左営駅で、地下鉄に乗り換え高雄市内へ。Dscf2463  ここには中山大学があります。 中山は国父・孫文の別名(諡号・おくりな)です。 ここでも学生さんと世間話をしました。 学部学生のうちにしっかり企業インターンをやってるそうです。 

実はこの大学めぐり、台湾の工業高校を訪問して人脈の端緒を見付けたかったのですが、ネットで工業高校を捜し当てることができず、大学に変更したものです。 日本の工業高校と台湾の工業高校を仲人できたらな、と思ったわけです。 またの機会を待ちます。

では、また。

E-mail: BZL12657@nifty.ne.jp

追伸: 台湾で工業高校は、○○高級工業職業学校、というみたいです。日台連携はいくつか事例がある様です。

追伸2: 2011-8月になって佐藤直樹さんの 「工業英語」 をAmazonで買いました。 Amazonの通販サイトの検索に「工業英語Basic Book」と入れて検索すると出て来ます。 発売元はコロナ社、編集/発行所は社団法人全国工業高等学校長協会、鈴木直樹さんはこの本の編集委員長で、刈谷工業高校の校長先生でもいらっしゃいました。 定価¥714円(税別)でCD1枚付きです。

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2010年10月21日 (木)

ISO9001“自己宣言”挑戦のおすすめ

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

長文になりそうですので最初に要約しますと、中小の工場でもISO9001品質マネジメントシステム(=QMS)の“自己宣言”なら何とかなりますよ、挑戦してみてはいかがですか、お客様企業と価値観を共有できて信頼されるようになりますよ、という主旨です。  ここで言う中小とはこれまでISOを諦めていた規模(15名前後~)でも、自己宣言ということは第三者の認証機関によらない第一者、つまり自己適合宣言を目指すということ、挑戦ということは99%完成でも適合を宣言できませんから挑戦し続けるということ、こんな意味を込めて申し上げています。

ISO9001は“品質”に名を借りた経営管理(マネジメント)の国際標準です。 お客様企業からしっかり管理できている会社なのかどうか見分ける目安になっています。

ISO9001:2008年版は「“認定証”という看板が欲しいのか、実力を付けたいのか、自分で決めろ」とまでは迫っていませんが、近いニュアンスが冒頭の「序文 0.1 一般」に書かれています。 自己宣言を選ぶ場合はとりあえず“実力を付けたい”に覚悟を決めます。 認証機関を使わないぶん安いですが「認定証」は貰えません。 ISOという看板が欲しいのであれば、「ISOに挑戦中です」という看板でも嘘ではないし、それでも解ってるお客様は「おっ、本気だね」と評価してくれるでしょう。

自己宣言のヤリ方はISO/IEC17050に書かれていて、第一者(供給者)、第二者(使用者(つまり顧客企業:筆者注))、第三者(認証機関)のうちの第一者、すなわち供給者によるISO適合宣言はこうやりなさい、が書かれています。 JISでは「JIS Q 17050-1」と「-2」に該当します。

2000年版以降(2008年版含む)の新しいISOはとても柔軟になっていて、「基本は“自分で決める”だよ」と読み取れます。 前述の「序文 0.1 一般」には『“自社の戦略でQMSを設計・実施するのが望ましい”、“画一化を意図していない”、そのQMSは“規模《他にもa)~f)と多々あり》の影響を受ける”』と書かれています。 だから中小は中小なりの規模や業態に合ったQMSを選択・構築していい、というより“望まれて”いるのです。 ISOが初めの頃、9001、9002、9003と業態別に別れていて箸の上げ下ろしまでウルサかったのが、新しい9001に一本化されて、多様な業態を吸収する必要からか、間口が広く柔軟になったのでしょう。 古い堅いISO9001で大企業を指導した方で切替えがまだの方が居るかも知れません、ご注意を。 昔のように“重ったるい”ISOではなくなったのです。 自分で選んで決めたシステムを自分で守る、さらには継続的改善をしてゆく、ことが新しいISOのポイントです。

例えば「計測機器の校正」も要求条件の範囲内で自分で決めます。 昔ならいちばん重ったるくて時間もお金もかかった箇所です。 「7.6 測定値の正当性が保証されなければならない場合」に該当するかどうかも、自分で決めた上位目的「5.3 品質方針」や「5.4.1 品質目標」に照らして自分で決めます。 例えば、「当社の製品では、外形寸法を許容公差で計測するコンベックス尺は、三者比較法で目視の誤差が無いことを確認すれば十分である」と自分で決めたら、その誤差確認の記録を残すシステムとします。 こういう選択・決定をすると、古いISOしか知らない人から茶々が入る可能性があります。

「実力を狙う覚悟」とは、その茶々を柔らかくはね返せるだけの勉強をすることでもあります。 それにはISOの原文に接することで、解説本は程々に読みます。 また「自己宣言」ということは、自分が自身の“至らぬ所”を知っている訳ですから、内部監査して「ハイOK」という訳にはいきません。 設備の点検ルールなどは自分で決めてもついつい後回しになってしまいそうです。 冒頭で「99%完成でもダメ」と申したのはその事です。 むしろ認証機関よりも厳しいかも知れません。

そのようにして御社が「ISO挑戦中」モードに変わると、お客様企業と“共通のコトバ”が増えてきます。 それも狙いの一つです。 お客様から御社へとコトバが通じるようになって、共通の価値基盤や価値ベクトルを“理解してくれてるな”と確認でき、これまで以上に信頼して頂けるようになります。 逆に、無理難題を押し付けてくるお客様にはISOを盾に諌めて、リスクを回避しロスを最小化することもできます。 余裕ができたら第三者認証に切り替えてもいい訳です。 「挑戦中」へ挑戦、いかがでしょうか。

E-mail: BZL12657@nifty.ne.jp

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2010年8月24日 (火)

中国、No.2の大学から採用すれば長持ちする?

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

2年半前3ヶ月弱の上海出稼ぎにつづいて、今年は大連に行って参りました。 5月末~6月初のアカシア(槐花)祭り期間中、3泊4日で燃油サーチャージ込み3万ウン千円の激安観光ツアーでした。 製造業コンサルをしていると中国との間合いというか肌感覚というか、を覚醒させておかねばなりません。 と、格好付けたものの、今回のツアーは安さに魅かれた下見でした。 <写真は特急アジア号を牽引した機関車パシナの静態保存(C)工房Nishi>Img_0875_3

帰国して、かつて大連の工場を立ち上げたAさんとお会いしたとき、私から 「ツアーの夕食を抜け出して中心街にある某理工系大学のキャンパスへ行ったけど、もう暗くて大学生と話ができなかった」 と旅の思い出を話しました。 するとAさんいわく、「あの大学の学生を多く採用したけど、結果的に当たりだったね」 と仰いました。 どういう事か訊いてみると、当時、大連に進出した日系工場は、街外れに広大なキャンパスを持つ理工系No.1の大学から競って採用した。 進出が遅かったAさんの工場は理工系No.1の大学から採用できず、止むなくNo.2の大学から多く採用した。 数年してみると、よその日系工場ではプライドが高くて辞める学卒者が多いという情報が入ってきた。 ところがAさんの工場の学卒者は定着が良好で、ワーカーの評判も良く、育成の甲斐がある・・・という事でした。

この一例だけで一概にどちらがどうと決め付ける訳にいきませんが、その某大学で見た掲示板の企業インターン生募集やらの現地での肌感覚と照らし合わせると、それなりの納得性はあります。

では、また。

Mail: BZL12657@nifty.ne.jp

<大連で気付いた事>・・・(後日、追記しています) 「日本語人口が濃い」の実感: 金州区でぶらっと入った画廊のご主人(アラ50歳男)が日本語ペラペラでした。 万拶街で Excuse me と道を尋ねた相手(40歳代男)から日本語で回答が返ってきました。びっくりしました。 年格好からして戦後世代の筈なのに。 タクシーには3回乗りましたが全員日本語できず、漢字で筆談でした。 サンプル数が少ないですが、日本語率40%です。 もちろん添乗員は日本語できますが、ランダム性が無いので除外します。 最近の日経新聞(9月上旬)の特集記事「新しき古都大連」に拠ると、かの周恩来首相が大連を日本語拠点にした由。 現市長(大連市共産党委員会のエライ人)は、近年、小学生から日本語を必修にしたとか。(裏が取れていません) 

大連がある遼寧省を含む東北3省(吉林省・黒竜江省を加える)には、朝鮮族、蒙古系、旧満州系などの日本語と同じ文法体系(ウラル・アルタイ語系言語)を持つ、あるいは持っていた民族が或る程度の密度で居住している様です。(と言っても漢族が圧倒的に多いらしい) 中国政府は朝鮮族域内で朝鮮語の教育を認めていると聞きます。 一方、大連での日本語教育は外国語としてでしょう。 まとめると、大連はかなり多民族でインターナショナルなエリア(神戸や横浜の様に)であって、唯我独尊的に爪先立った印象から一歩抜け出した、大人感が漂う印象です。 業種的にも、労働集約産業から脱しようとしていて、IT産業やアニメ制作など知的産業へのシフトを進めています。  数年前私のPCのHDDが壊れて、知らぬ間にデータをバックアップしてくれていたN社のウィルス対策ソフトのコールセンターが大連でした。流暢な日本語で丁寧に対応してくれた方の名前はキムさんでした。 朝鮮族の方かも知れません。 

では、日本の中小製造業から見た大連の魅力は何なのか?は、次回訪問の課題です。 仮説としては、中国を市場として見た場合の生産財マーケティングの戦力としてのポテンシャル、といった辺りでしょうか。  上海周辺の成長が頭打ちになって、東北3省は今後中国の成長センターと目されている様ですから、生産財の需要が嗅ぎ分けられる理工系の素養があるセールス・エンジニアを、ウラル・アルタイ語系のバックグラウンドがある大連で育てる・・・なんてシナリオが有り得るのではないかと感じています。 中国の製造業は MADE IN JAPAN の生産財を信頼してくれ嗜好してくれている様です。 そして、顧客価値は思わぬところにありそうです。

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2010年5月28日 (金)

iPadとシリコンバレー・アドベンチャー

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

本日iPadが日本で発売されました。 有楽町駅前の電器量販店に長い行列ができたというニュースがTVのあちこちのチャンネルに登場し、iPadが映されるたびに思い出すのは「シリコンバレー・アドベンチャー」という本です。 この本が日本で発行されたのは1995年ですが、物語は1984年頃から始まります。 その頃私がいた大阪のオフィスにはSORD社のPCが大量導入され、フロッピーが8インチから5インチに移りつつありました。 世間の通信系には音響カプラが残っていたように記憶します。 そんな時代に既にシリコンバレーでは「ペン・コンピュータ」というコンセプトのパソコンの開発が始まっていました。 iPadはその姿がペンコンピュータを思い出させるのです。 その頃とは電池とメモリーのサイズ・重量・価格が画期的に変わり、通信インフラも隔世の感があります。

「シリコンバレー・アドベンチャー」はペンコンピュータの開発を通じて、創業にまつわる経営法務、もしくは資本調達、さらには技術流出の防衛、上場(IPO)といった様々な課題を実話として並べて見せてくれ、どの様に対処していったかも現実に即して語られています。 経営法務と資金調達のCase Study書として最適なCaseを提供してくれるのです。 著者はジェリー・カプランで、主人公として実名で登場します。他の登場人物も実名です。例えばアップルのジョン・スカリー、マイクロソフトのビル・ゲイツ、他にも創業の仲間、ベンチャーキャピタル、ロータス、アップル、マイクロソフト、IBM、HP等々の当時のお歴々が実名で登場し、丁々発止を繰り広げます。

私ども中小企業診断士(Registered Management Consultant by METI, Japan)の重要な役割に「創業支援」があります。 この本は創業支援の生きた教科書です。 どきどきワクワクさせられながら、創業支援の勉強になります。 ただし米国の創業環境と日本のそれは、近づいてきたとは言え異なります。 この本から学ぶべきは、夢をビジネスプランに描いたエンジニアが、法律や経営など日本では文科系と呼ばれる分野をしっかり勉強もし経験も積みして、夢を夢に終わらせまいと考えに考え抜いて能動的に東奔西走する姿です。

時空を現在の日本に戻しましょう。 ある時、上海で電動スクーターが流行っていた話から「電池技術の進歩はすごいよね」「潜水艦って電池の塊なんだってね」「中国では電池メーカーが自動車会社を買収したりして・・・」という話をしていたら、日本人エンジニアから「技術系の人が会社を興すのって外国では多いんですか?」と訊かれました。 一瞬ハッとして返答に窮しました。 このエンジニアが日々設計の進捗を見通す将来の時間距離は何日せいぜい数週間のレンジで、創業時のビジネスプラン(事業計画)で見通す将来の時間距離は何年です。 両者の間の時間は級数的に(10の何乗で)違うのです。 級数的に異なるレンジの将来時間距離を見通すにはどうしたらいいのでしょう? 教科書的な回答はあるけれど、このエンジニアに受容可能な解を探してやらねば。 気付きを得た一瞬でした。

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2010年3月26日 (金)

団塊の再就職、+αの資格を取ろう

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

団塊の世代が続々と定年退職して、第2の人生を中小企業に求めるケースは多いのではないでしょうか。 もしもあなたの定年後の再就職先のターゲットに中小製造業が含まれているのでしたら、就職しないフリーなうちに運搬系の資格を取得することをお奨めします。 フォークリフトとか、玉掛けとか、クレーンとかです。 民間の訓練所で1科目3~4日の訓練で取れます。(試験あるけど合格率超高い) 費用は1科目数万円です。3科目取得して6万円位でしょう。私は綾瀬市のI技術教習所で3科目取得しました。私はコンサル業ですが必要性を感じまして。

大企業や中堅企業を卒業したOBは、中小企業へ即戦力として「営業ができます」「経理ができます」「総務人事ができます」といった売り込みになろうかと思います。 それを聞いた中小企業側は、それだけですか?・・と出掛った言葉を飲み込むでしょう。 というのは、大企業では仕事が細かく分かれていますが、中小企業では規模が小さい分、一人分の守備範囲が広く、ある程度マルチプレーヤーが求められます。

わけても中小製造業では、事務職や営業職であってもピーク時に製造現場のお手伝いが欲しい場面がチョコチョコ発生します。 そんな場面ではフレキシブルに現場を応援できる事務職や営業職であって欲しいニーズがあります。 では再就職の就活でそこの所をどうやってアピールなさいますか? 面接で“何でもヤリます!”って言いますか? あなたの次に面接される人も同じ事を言うでしょうね。 そこで活きるのが運搬系資格です。 しょっちゅう使う訳ではないけどお手伝いの時に頼りにできるあなた、面接に合格!です。

このことは定年退職組だけでなく、若い人にも、子育て一段落ママさんにも言えるのではないでしょうか。 自分の商品価値を、就職先のニーズに寄り添わせるために、自(みずか)らの職務能力の再構成(リ・エンジ)を考えてみませんか。 採用のあかつきは中小製造業は戦略オプション(≒打ち手)が多様ですから、あなたの得意を発揮できるチャンスは多いことでしょう。

では、また。 e-mail: bzl12657@nifty.ne.jp

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2009年11月22日 (日)

メンテナンス業は製造業のマーケティング

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

リーマンショックから1年、フリースで有名な某SPAみたいに逆風を追い風に転じているパワフルな会社もチラホラ在りますが、中小製造業ではなかなか転換戦略が見当たりません。そんな中で自社製品と、それに繋がりのある製品や消耗品サプライを含むメンテナンス業に本格的に取り組むのはいかがでしょうか。

不景気になると新たな設備投資は控えますので、逆に既存設備の延命策や性能アップのニーズが生まれる傾向があります。 また、メンテナンス業は、お客様の現場に入り込ませて頂けるので、本業であるモノづくりの真のニーズを嗅ぎ分けられ、本業とのシナジーも高められて、一石二鳥です。 下請製造業でモノづくりしていると、お客様から頂いた図面だけで作れてしまい、お客様のどういう場面で役立っているのかが十分理解できているとは言えません。 “○○用△△装置”などの図面名だけで、使われる現場を想像するのが精一杯です。 ところが、メンテナンスで自社の製品が組み込まれ使われている生の現場を見せて頂けると、ある種の感動を覚えますし、もっと良い製品にするアイデアを刺激されますし、お客様の使い勝手や使い心地などの評価を訊いてみたくもなります。 これは既に、生産財マーケティングの領域に一歩踏み入れているのと同じ事です。

メンテナンスに本格的に取り組むには、それなりに準備をしなければなりません。 引合いを受けて、下見をさせて頂き、作業手順を打ち合わせて、これらを通じてお客様に信頼して頂き、お見積りして、受注できたら親方(SV)を中心に班を編成して、・・・・。 これらの、製造業とは違った業態に適応しなければなりません。 でも、メンテで逆風を転換して、本業の製造業に追い風を運ぶようにするんだと思えば、苦になりません。 ふだん鍛えた技能の応用力が発揮できる舞台になります。 親方を送り出す側としては、お客様に「いい仕事をしてくれましたね」と言われて、リピータになって頂けたら最高です。「いい仕事」が積み重ねられお客様の信頼が厚くなれば、マーケティング的な会話は自然に湧いて来ることでしょう。

この逆風転換戦略、実は「スマイルカーブ論」で言うところの「製造業のサービス化」に当たり、目新しいものではありません。「スマイルカーブ論」とは、経済社会が成熟するとバリューチェーンの始まりと終わりの仕事は価値が高いまま国内に残るが、中程は途上国へ流出する、とする産業構造の動態論です。バリューチェーンというのは、企業が製品を開発して、売り出して、顧客の手元の製品を面倒見て、更には棄てるまでの価値連鎖を言います。始まりの商品企画には市場ニーズが必要で、市場の直近に居ないとニーズがキャッチできません。終わりに近い、顧客が買った商品の修理や消耗品の流通もやはりお客様が近くにあっての仕事です。プリンタは安かったけどインクカートリッジは高いな、と思った事ありせんか。 ということでつまる処、スマイルの終わりは市場を挟んで始まりにつながっていて、円環状になっているというのが私の意見です。 中小製造業がメンテに乗り出すのは、「終わり」に進出して「始まり」がキャッチできる機会(SWOTのO)を得ることになります。 前述のとおり「二番煎じ」は承知の上ですが、取り組んでみれば程よい参入障壁が見えてきて、壁の外側に留まるか、壁を乗り越えて機会をエンジョイできるか、あなたの会社の本気度が試されます。

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2008年12月 8日 (月)

マイナス側のブルウィップ現象に過剰反応するな    Don't Over-React to Negative Bullwhip Effects

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

9月末にリーマンブラザーズショック (別名、金融工学不況) が勃発し、世界の消費の牽引車だった米国の経済が急速にシュリンクしてしまいました。 米国のへ製品の輸出元である中国へ不景気が飛び火し、中国へハイテク素材を輸出している日本へ不景気が瞬く間に伝播しました。 一方、日本の大手企業は過去数年間にワールドワイドなサプライチェーンマネジメント (SCM) の本格稼働に漕ぎ付けました。 今回はその狙いが見事に機能した事を証明した、エポックメーキングな出来事ととらえることもできましょう。 皮肉にもマイナス側の振れを捉えることで。

SCMが機能していると仮定するなら、ブルウィップ効果を心配するのはおかしいじゃないか? おっしゃる通りです。 でも、御社のSCMのシステム内に「消費者の手元在庫」は包含されていなのではありませんか? 米国の消費者の手元で “小さなマイナスのブルウィップ効果” が今、将に発生しているのではないでしょうか。 もしそうだとすれば、消費者の手元在庫が底をついた段階で “本来の不景気レベル” へ収斂するはずです。

“本来の不景気レベル” と申しましたが、現在の “マイナス振れ幅” はブルウィップ効果のトランジェントな過程にあって、私は振れ過ぎと見ています。 その根拠は新聞やTVニュースの拾い集めと自分なりの分析程度で、薄弱です。 でも、大企業が“振れ過ぎ”に過剰反応して過度な減産体制を敷いてしまったら、その間に協力中小企業 (特に二次下請け以下) は消滅してしまうリスクが発生し、“本来の不景気レベル” に戻ったときにはサプライチェーンの川上がレスポンス出来なくなっている、というリスクを大企業自身が抱えることになります。 “消費者の手元在庫” が掃けるのに時間はそんなにかからないと思うのです。

日本の諺に運・鈍・根というのがあります。この内、「鈍」というのはなかなか味のある言葉と思いますが、いかがですか?  

では、また。  e-mail:  bzl12657@nifty.ne.jp

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2008年8月 2日 (土)

工場乗率のこと

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

見積書を作っていて 「工場乗率」 という言葉を思い出しました。 ネットで調べてみましたら曖昧な回答に遭遇しました。 このくらい曖昧だったら私の記憶の方が少しマシじゃないかな?と思い、思い出すままに書いてみます。

工場乗率というのは、工場の要員を工場以外の場所で勤務に就ける場合の時間単価の倍率のことだったと思います。 機会損失(Opportunity Loss)とかアブセンス・フィーとかの考え方を援用していたと思います。

ほとんど製造業なんだけれど一部だけ工事やフィールドサービスもやっていて、製作した装置を取付けたり、元請けさんの試運転にオペレータとして付き合うとか、摩耗部品の更新のついでに定期メンテナンスに呼び出されたりとかの場合に、どういう単価を使っていますか? いつもの「分チャージ」に時間を掛け算して、一般管理費率の分を上乗せするだけですか? それで元が取れればいいんですけれど。

機会損失の考え方では、その工場の技能者さんを工場でその時間だけ働いてもらったらいくら収益があった筈だ、という計算をします。 そうすると大雑把に言って、工場の「分チャージ」の3~4倍になったと思います。 この「3~4倍」が「工場乗率」になります。 工場の技能者さんを工場以外の場所で使うとそれだけの損失がある、ということになります。 

機会損失の考え方は理論背景がしっかりしていますから、企業個別に計算すれば算出は可能です。 しかし、見積書を受け取るお客様が納得して下さるかどうかは別モノです。 品質ISOが世の中に浸透して、品質管理を手抜きしてコストを下げろと要求する顧客企業はさすがにいなくなりました。 それと同様に“コスト思考フレームの標準化”がやがて進んで、見積もりのポリシーにも反映してくる時代はそう遠くないと思われます。 施主さんに公共事業体が多い建設業会計では既に浸透が始まっているようです。

では、また。   お問い合わせは、e-mail:  bzl12657@nifty.ne.jp

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ここからは2012-6月に追記しています:
最近、検索ワード 「工場乗率」 での当ブログ訪問者が増えています。 この乗率の正確な算出法については 「建設業会計」 または 「建設業経理士」 関係の本で確認して下さいませ。 アマゾンのサイトで上記の用語で検索すると参考書籍が現われます。

その書籍で算出法を得ると、次に、計算に使う 「自業種での財務指標の標準値」 が欲しくなると思います。 「中小企業の財務指標」(中小企業庁編) が参考になるでしょう。

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2008年5月 3日 (土)

上海近郊の日系製造業

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

機会があって、上海の西郊約60km(蘇州のチョット手前)、昆山市の日系製造業を2ヶ月半ほど業務診断し、戻って参りました。 昆山は台湾系企業が色濃く集積し、台湾企業同志のコミュニティが成立しているエリアです。 例えばある日系製造業は、台湾経由で大陸に進出し、昆山を生産拠点に選んでいます。 経営トップ(董事長)と少数の技術陣は日本人、部課長級は概ね台湾人、係長・班長以下が概ね現地採用といったマネジメント構造になっています。 昆山市街の飲み屋は台湾風の造作と運営です。 例によって仕事の詳細は申し上げられませんが、今回はツールとしてMicrosoft社のVisio(ビジオ)という図形ソフトを多用しました。

Visioは、2003年版が久しく出回っていましたが、最近2007年版が上市され、その日本語版を999gのPCにインストールして上海に入りました。 現地のカウンターパート(相方)も2007年版Visioを既に用意していましたが、それは中国語版でした。 ステンシルの名称や、ドロップダウンメニューの選択肢が不慣れな簡体字で微妙に判り難いです。 が、持参した日本語版を同じに操作して、日文・中文を比較対照しながら作業を進めるうちに、だんだんスピードが出てきて、終盤では不自由さはなくなりました。

米国では、Sox法が施行されたらVisioの売れ行きが良くなった、と聞きました。 内部統制のために業務フローを表現するニーズが高まったためだそうです。 J-Sox法も追い風なのでしょうね、きっと。 元々、ITシステム系であれば処理フローチャートやDFD(データフロー図)、調達CALS系であればIDEFの階層図などと、図形表現のニーズには底堅いものがあるのではと想像します。 私共のように“IE分野”や“生産管理”でも、生産プロセス表現や工場レイアウトなど、図形ソフトの用途はたくさんあります。 それに加えて、図形に属性を持たすとワンランク上の使い方ができるようです。 例えば、レイアウトの対象物に重量を付けるとか、値段を付けるとかです。

Microsoft社の宣伝になってしまいました。 今回、上海の日系製造業に入ってみて、日本の中小製造業との類似点・相違点が自分の中でかなり整理されてきたと感じています。

では、また。  e-mail: bzl12657@nifty.ne.jp

<ミニ情報1: 中国へ期間勤務(出稼ぎ)を考えている方へ>(ここからは後日書いています。) 私は上海へ行く前に知識が無く、賃金が日本へ持ち帰れるのか心配でした。そこで、雇用先 (日系の会計会社のコンサル部門) へ頼んで人民元では現地の生活費のみ受け取り、残りは日本国内の銀行口座へ日本円で振り込んで貰うことにしました。  結果的に所得税は両方合算されて源泉徴収みたいに中国の税務署へ雇用先から支払われていました。 その年の日本の確定申告には計上しませんでした。
帰任時に残った人民元を日本円に交換しましたが、中国の為替ルールは、入国時に届け出た外貨額 (日本円) 迄は、出国時に日本円で持ち出せました。 また、中国内で人民元へ交換した累積額迄は、人民元から外貨(日本円)へ戻せました。 その為に、届け出の控えと、中国内で円から元へ交換した銀行の伝票を保存しておく必要があります。
今回、中国へ入国してから人民元の初給料を貰う迄は1ヵ月ちょっとありましたので、現地生活設営費 (200Vの炊飯器を買うとか) と最初の1ヵ月余の生活費は日本円で持ち込む必要がありました。 帰任時には逆に、貰った人民元給与を使う期間がなく余り加減になってしまうのです。 ご参考になれば幸いです。

<ミニ情報2: 商品のネーミング考> 上海滞在中、お米は、副都心シジャフィの超高層ビルB1のスーパーマーケット (超市:もろ直訳、発音はチャオシー) で 「秋田小町」 ってのを買って 「美的」 の炊飯器とコカコーラ製の飲料水で炊いて食べてました。 味は “なんとか~” で、やたら安かったので 「マネモノ」 だと思います。
中国でコモディティの商品ブランドをプロモートするなら 「漢字かな混じり」 がお奨めです。  例えば 「午後の紅茶」 が絶大な人気です。 「午後」 は中国語では 「下午」 ですが、「午後」 とひねられても意味は通じて逆に日本風 (=先進的・国際的) のおしゃれなイメージが伝わります。 ひらがなの 「の」 も日本風のおしゃれを感じますし、たった1文字なので自己主張しすぎず、でも無意識のうちに 「中国ブランドじゃないぞ」 を主張しちゃってます。 だから上昇志向の上海娘は 「午後の紅茶」 をオフィスの自分のデスクに置いといて、「私って先進的・国際的なのよ」 と上司の中国人にさりげなくアピールできます。 この様に 「消費者インサイト(本音)」 に訴求できるのが 「漢字かな混じり」 と思われます。

<ミニ情報3: 中国の大学風景>(ここも後日書いています。) 上海滞在中、徒歩通勤の径路に上海交通大学がありました。交通=communicatin の意で理工系の大学です。 (ちなみに上海の総合大学No1は復旦大学) ぶらっとキャンパスに入ると掲示板に「ノーベル賞の野依教授来たる。特別講義」 の貼り紙がありました。 全部、簡体の漢字ですが何とか読めます。 野依先生のご専門の“触媒”は中国語で“催化剤”でした。 3月のある日、小規模な卒業式が行われいて(通常の卒業シーズンは夏)、式が終わった卒業生が恋人と校門前で記念写真を撮っていました。 卒業生はガウンをまとい房の付いた角帽をかぶっています。 英語で語りかけ「卒業式が済んだら房を右から左へ掛け替えるんだよ」と教えてあげたら、喜んでそうして、写真を撮り直していました。 バチェラー(学士)かマスター(修士)かと訊いたらバチェラーだと言ってました。 大学生には英語が通じる様です。

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2007年6月30日 (土)

自分で生産管理している社長のための易しいシステム導入ガイド本

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

恥ずかしながらこのたび初めて共著で本を出すことになりました。 タイトルは「こうつくる中小企業の生産管理システム」です。 メインの編著者は技術士(経営工学)で中小企業大学校の講師もなさっておられる佐藤幸雄先生です。 工業調査会から7月5日、¥2,310(税込)で発売です。

  この本は誰向けかというと、佐藤先生は「10人から80人の製造業の社長と担当者」と仰ってます。 小生流に翻訳すると「自分で生産管理をなさってる社長さん」ではないかと思います。 大企業でも事業部の大きさが10~80人の規模にはフィットします。 共通点は、「うちの規模では生産管理の専門家を抱えておけないけど、はやく私(社長・事業部長)の管理ノウハウ(暗黙知ってやつですね)をデータ化して部下にまかせて、顧客開拓とか大学発のシーズ探しとか、私じゃなきゃできない仕事に振り向けたい。」 と主体的に考えてらっしゃる積極派の経営者さまです。

  本の内容は、生産管理をパソコンに乗せるための基礎、移行準備から実行、将来の備えまで、100の見開き(右ページ文章、左ページ図解)で解説しています。 具体的に佐藤先生のソフト製品を例に解説しています。 むずかしいMRP方式でなく、直感で理解し易い製番方式を、また、むずかしい需要予測を易しい発注点管理に置き換える中間在庫(DCP)の考え方をお奨めしています。 とにかく“易しく優しく”で実現性最優先の本です。 どうぞよろしくお願いいたします。

email: bzl12657@nifty.ne.jp

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2007年5月31日 (木)

DCPから生産形態をデザインする

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

見込み生産か受注生産かをどうやって区分されてますか? そんなもんは決まってるでしょ。私たち下請けは受注生産ですよ。勝手に見込み生産なんて出来ないのだから。 では、受注してから資材の手配をなさるのですか? そりゃ、資材ぐらいは在庫を持つわな。じゃないと納期に間に合わないから。 それでは受注生産でも資材は見込みで手配なさるのですね。それも顧客の納期を睨んで。

  受注生産でありながら、資材を見込み発注したり資材の在庫を持ったりするのは、あまり抵抗がないようです。なぜでしょうか? 受注生産では製品はすぐ出ていって在庫になりませんが、見込みで作った製品は売れなければ不良在庫の予備軍です。 製品で在庫は持ちたくないが、資材の在庫だったら抵抗が少ない。 この感覚は製造業の経営者の感覚として当然です。 再び、なぜでしょうか? 

  ものづくりは上流工程から下流工程へいくほど付加価値が付きますが、ものの用途が限定されてきて在庫リスクも高まります。 資材のままであれば何にでも使えるのに、工程が1つ進むごとに使い道がそれしかなくなって、付加価値などと言って計算上の図体(ずうたい)だけはふくらんでも、実はふくらんだ分だけリスクもふくらんでいます。  経営者はそれが感覚的に身に付いておられる。

  でも、ものづくりをやっていれば、「ここから先は注文が入ってからでないとヤバイけれど、ここまでなら多少の作り貯めしても何とかなる」という工程の境界点を何となくご存知ですよね。 その境界点をDCP(De-coupling Point デカップリングポイント)といいます。 DCPという言葉が大切なのではなくて、このDCPを境い目にして安心な工程とヤバイ工程をもう一度はっきり区分することをお奨めしたいのです。安心な工程は上流側に、ヤバイ工程は下流側にと。 これには少々技術的困難がともないます。 その困難を乗り越える工夫が独自技術になって積まれ、やがて Only One を形成することでしょう。

e-mail:  bzl12657@nifty.ne.jp

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2006年11月14日 (火)

イギリス英語なら汎用性が高い

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

ちょっと「領空侵犯」ですが、企業人になってから「英会話」で随分回り道したものですから、若い方々のご参考まで。(ただし、TOEICスコアが550~750点辺りの方が対象です。)

言いたいことは、英会話を学ぶならイギリス英語がお奨めですよ、という事です。

企業に就職して最初の海外出張がシンガポールでした。 ここで話されている英語は、旧宗主国イギリス人が約60年前まで話していたやや古いイギリス英語を中国系の人々 (華僑の子孫) が受け継いだものです。 抑揚が波のようなアメリカ英語で訓練していた私にはスンナリ耳に入って来ません。 いわゆるチャイニーズイングリッシュ、略してチャングリッシュですが、シンガポールだけはシングリッシュとも言われています。 Technicalという発音は“テコン”と聞こえます。 その後、香港にも出張しましたが、ほぼシンガポールと同じ英語環境でした。 バンコクでは仕事の相手が技術官僚で、留学先がイギリスの大学だった方が多く、シンガポールや香港ほど癖はありませんが、やはりイギリス系のカクカクした英語でした。 その後サウジアラビア、インド、台湾で仕事をし、英語の多様性を体感しました。 ただ、どの国にも出稼ぎのフィリピン人がいて、チャングリッシュだろうが何だろうが構わず逞しく必死にコミュニケートして仕事をこなしていました。 私みたいに泣き言を言わず、見上げたものです。

それいらい英語を自己流で研究しました。
アジアからハワイで使われていた英語に “ピジョン・イングリッシュ” というのが有ったとか。その “ピジョン” というのは Business を発音したものだとか。 バンクーバーの図書館にあったカセットテープでチェイクスピア劇をウェールズ訛り、スコットランド訛り、アイルランド訛りで聞き比べたり。 で研究成果は、最初に書いた “イギリス英語がお奨めですよ” というアタリマエの結論になります。

ビジネスを前提とする限り、相手国を選んでなんかいられませんから、学ぶ英語は多様性に耐えられる英語でなくてはいけません。 アメリカ英語はメイフラワー号以来の分派ですから、アジア等その他地域の英語とはイトコ関係ぐらい遠いですが、イギリス英語とアジア英語ならオヤコぐらい近いです。 だからイギリス英語に馴染んでおけば、東南アジアどころか世界中で違和感が少なくて済みます。 またアメリカ人相手でももちろん使えます。 つまり英語が伝播した歴史的な系譜をさかのぼって、“根っこの英語” を身に付けるのが得策と思うのです。 また、それになるべく若いうちに気付いて欲しいと思うのです。

ここから先は仮説と趣味の領域ですが、さらに “根っこの英語” を追究するなら、現代のイギリス人が話す英語だとかクイーンズ・イングリッシュだとかよりも、60~80年ぐらい昔の英語の方が汎用性が高いだろうと想像します。 そういう英語はロンドンじゃない地方都市とか、隔絶された地域のほうが残っているんじゃないでしょうか。 oftenを “オフトゥン” と発音する地域なんかは割とイケるんじゃないでしょうか。 まだ仮説ですが。

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2006年5月26日 (金)

縦価値連鎖のマーケティング

こんにちは。 中小企業診断士の松嶋交治です。

B2Bの顧客を開拓するため顧客プロファイル (横顔、さらには価値観) を考えるとき、お客様企業の業種特性を考慮しますが、そのお客様のどの部門にお役立ちしようとしているのかを配慮されてますか。 お客様の部門には、ライン部門とスタッフ部門があって、部品や外注加工を買ってくれるのはライン部門の資材購買課です。 では、スタッフ部門にはどのようなニーズがあるのでしょうか。

バリューチェーン (価値連鎖) は、競争優位を考えるとき、競合他社の付加価値が価値連鎖のどの部門で高まっているかを察知し、自社の場合はどの部門で高めよう、と、ビジネスモデルの差別化を設計するキャンバスや発想のきっかけとして使ったりします。 このバリューチェーンを自社や競合先でなく、顧客に当てはめて、しかも、左から右へ連鎖するライン部門の 「横の価値連鎖 (Horizontal Value Chain)」 だけでなく、スタッフ部門からライン部門に繋がる 「縦価値連鎖 (Vertical Value Chain)」 にも目配りしてみてはいかがでしょうか。 今、大企業では 「クロスファンクションチーム (CFT)」 という事が盛んに言われています。

クロスファンクションが言われだしたのは、日産のゴーン改革の中味が世に知られるようになってからだと思います。 私は大雑把に、いままで奥の院だった大会社の本社スタッフ機能を現場に近いビジネス活動にもっと使いこなそう、そんな動き、と理解しています。 では、顧客のクロスファンクションに注目すると、どんなアプローチで生産財の事業機会に視野が開けるのでしょうか。 例えば、開発部門を顧客とした 「試作ビジネス」 などは早くからあります。

ここでも基本は、これからのお客様である開発部門を知ることから始まります。 開発部門さまの役割、目標、課題や悩みを情報収集して、要求されたQCDの試作品を納入するだけでなく、「試作」 というステージにまつわる様々なサービスを付加することも差別化要素として考えられます。 例えば、VEや素材や加工技術や流し方に関連する提案など、もの造りの現場を持っているからこそ気付くアイデアは、組立・検査工程しか持っていないお客様にとっては貴重な情報になります。 お客様から見れば、試作品を御社に発注したからこそ得られた、試作品の納入価格を上回るプレミアムをもたらす情報です。 まさに Priceless (計り知れない) な価値です。 そういうプレミアムの事を 「顧客価値」 と言うのではないでしょうか。

では、また。 e-mail:  bzl12657@nifty.ne.jp

 

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2006年2月27日 (月)

ウィリー・ゲールは古くない

最近、ウィリアム(ウィリー)・ゲールの“心理販売術”を改めて読みました。 “大耳小男” が登場する、セールス訓練の古典です。 写真=「心理販売術」から引用させて頂いてます。(c)WG氏。売り手であるあなたがイメージすべき買い手像が「大耳小男」で、くちでは「買わないよ」と言っていても細大漏らさず聞こうと大耳になってるのが見えちゃってる正直な男、が買い手像です。 Dscf2520 売り手と買い手のヤリトリを描きながらも、買い手側の心理がどのような変遷をたどって買うまいと抵抗したり買う決心をするか、現代のマーケティングが言うAIDMAが克明に描かれています。 内容から戦後アメリカで発刊されたものと推測されますが、そんなに古い著作なのに読んでいて古さを感じさせません。 それは「買い手はヒトである」という当り前すぎる前提が変わっていないからかも知れません。 買い手が企業である生産財ではヒトの情緒を排除した「合理的な購買」をする筈ですが、現実に登場する買い手はヒトです。

この“心理販売術”は、生産財マーケティングの仕組みを組み立てるにも、いろいろとヒントを提供してくれそうです。(ウィリー・ゲールを下敷きにして業種・商品を特化し、改良した各種の「○○版・販売講座」は、日本の成長を支えてきたのではないでしょうか。)

例えば、「特長」と「顧客の利点」の峻別などは、この頃から言われていたと解かります。 錆びないネジを「錆びない」と“特長”を訴えるばかりでなく、それによって顧客が得る“利点”、つまりそのネジで「商品が長持ちする」とか「修理費を減らせる」、さらには「スペア・パーツの在庫を減らせる」「修理の人員を他所に振り向けられる」等に言い換えて、“顧客の夢”をふくらませて差し上げる。(現在の提案型営業) こんなヒントは50年も前からあったようです。 今に戻って、営業マンに“顧客の夢”を持たせて毎朝送り出してますか? そんなヒントが顧客心理の変遷プロセスにちりばめられています。

ウィリー・ゲールまで遡らずとも、売れる仕組み≒宝の山は足元にありそうです。ありふれたヒントを、足で稼いだ情報と情熱で、我が顧客・我が製品のケースへ置き換える・・・なんて元気が出て来そうです。 たまには皆を集めて顧客のために“夢の矯めを作る”のはいかがでしょうか。

メールアドレス: BZL12657@nifty.ne.jp

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2005年11月30日 (水)

「お客様を知る」のが戦略の入口

あらためて経営戦略というと取っ付きにくいですが、やさしく言うと因果関係論の一つでは、と最近思っています。 都々逸の文句に「こうしてこうすりゃこうなるものと 知りつつこうしてこうなった」という色っぽいのが有ります。 この都々逸をビジネスの世界にハメ込むと、結果として「儲かっちゃった」になるためには原因を「どうすりゃいいのか」ですよね。結果を、いきなり「儲かっちゃった」でなく「商売繁盛」まで位に留めれば、正しい原因「どうすりゃいいのか」に辿り着けそうです。

過去の出来事を扱うときは「原因と結果」と言い、将来の見通しを語るときは「目的と手段」などと、表現は変わりますが、どちらも「因果の連鎖」を扱っていることは同じです。 ビジネスで、手段の目的、目的の上位目的、と因果の連鎖を ”目的” の方向(上の方)へ辿っていくとき、”市場との接点にあって因果の連鎖が太い束になって集中している目的” のことを「経営戦略」と言うのではないでしょうか。 そんな目的(=経営戦略)に最もフィットした手段の連鎖を設計し、運用すること、が「経営」ということになります。 その手段の連鎖(下の方)の行き着くところに経営資源のヒト・モノ・カネ・情報があります。

その因果の束が集中した目的として、一般論では良く「顧客価値(カスタマー・バリュー)」をハメ込みます。これを個別の企業では、その企業が提供する独自の顧客価値にカスタマイズします。 その際には、顧客の性格や価値観をよく観察・理解しかつ近未来を予測する必要があります。 「何を=顧客価値」だけでなく「誰に=顧客理解」が経営戦略である、と言われるゆえんです。  顧客価値は時代と共に変わるので、それに連れて手段の連鎖も変わらないといけませんし、手段そのものもITなどの進歩で変わります。 それを経営革新と言います。手段の根っこのところにヒトが居て、多くの場合はヒトの手を使うだけでなく頭も一緒に使いますが、変わることに慣れていない頭で惰性で仕事をしていると、そのヒト本人だけでなく会社も顧客価値の変化に置き去りにされてしまいます。 矢沢永吉も「シェイクしろ!」といってます。シェギナベイビー!って。

部材下請け(BtoB)製造業にとって、顧客とはセットメーカーやそのユニット(一次)下請けメーカーです。 そうした顧客企業の価値観は個別によく観察し理解する必要があります。 その為に生産財マーケティングの仕組みがあり、営業が居ます。 しかし、ある程度一般的に共通した価値観もあります。 部材のお客様にはQ(品質)とD(納期)に対する”守りの価値観”が支配的です。 顧客企業にとっても顧客価値を創り出すバリューチェーンの一部を部材下請けである御社に託すのですから、しっかり守ってくれなくちゃ、という価値観ですよね。 

でも顧客企業は部材下請けからの積極的な提案を期待する”攻めの価値観”もお持ちです。 ものづくりを担う下請が”攻め”に対して顧客企業に提案できることは、ものづくりの現場を持っているからこそ言える①開発をスピードアップする提案、②顧客企業での製造QCDを向上する提案、③物流・在庫に貢献する提案、④保守のQCDさらには保守体制を軽減する提案など、顧客のプロセスを考えるだけでも多様な提案のヒントがあります。 さらには、顧客の顧客、つまりエンドユーザの使用シーンを想定した顧客価値や捨てる場面(LCV:ライフサイクルバリュー)にまで突っ込んで提案を考えるなら、さらに多様な提案が潜んでいます。 いわゆる「擦り合わせ型モノづくり」です。

そうした提案力を発揮して顧客の”攻め”に貢献するには、顧客企業の資材購買部門に営業するばかりでなく、その上流の開発部門まで食い込んで「困りごと」を聞き出す営業力が欲しいものです。 そして、「ものづくりの現場から」の提案をするためには営業は自社の製造現場とコミュニケーションを密にして、日頃から提案ネタになりそうな工夫や技術を収集したり、逆に顧客の「困りごと」を現場に投げ掛けたりして、「困りごと」と「提案」のマッチングを促進することが必要です。それもスピ-ディーに。・・・こんな風にしていくつかの「因」を作り込んで顧客価値の「果」へと繋げる仕組みを整えます。

営業と言うと、しゃべりが上手で社交的で・・・俺なんて向いてない・・・と思い勝ちですが、実は「聞く」のが8割です。 残り2割の半分も質問で、その質問も売り込みの為ではなくて顧客の問題解決の為の質問なのです。 加えて、自社の製造プロセスに照らして顧客の「困りごと」に親身の相槌(あいづち)が打てれば営業の初心者としては完璧です。 例えば、「そうですか。それではシングル段取りまでもう一歩ですね。頑張られましたね。ご採用の外段取りで、例えば部材の荷姿の面から何かお役立ちできませんでしょうか?」 更には、「お困りの現場を見せて頂いてよろしいでしょうか?」  こういう会話ができる素地があるのはどの部門でしょうか。 

今、多くの中小製造業のボトルネックは営業部門に移っています。(と言っても生産現場の改善は絶え間なく必要です。) 顧客価値の動きを観察し、提供価値の見直しと仕組み(因果の連鎖)の再フィッティング、それに伴う経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)、特にヒトの能力開発が必要です。時代がITに変わっていることも考慮し、半歩先を行く全体バランスの良い仕組みづくりや能力開発が望まれます。

「商売繁盛しちゃった」になる為に「どうすりゃいいのか」きっと社長さんは気付いて頑張っておられます。    e-mail: bzl12657@nifty.ne.jp

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